中学生の時に友人宅で小学校低学年向けの絵本を読んだ。
彼の弟さんの絵本である。
元来から文字中毒であるが為に、よそ様のお宅でも本が整然と並んでいる姿を見ると歯止めが聞かず、また自分の持ち合わせていない本があるものだから友人をそっちのけで読み耽って夢中になり、友人に呆られた。
その絵本は、たくさんのイラストが挿絵で入っていて、色もカラフルで、たった8年くらいしか差がないのに随分と自分達の頃とは違うものだな、っていうのが印象的であった。
中を開けると群青色のページが画面いっぱいに拡がり、吸い込まれそうな夜空に輝く星々の物語が語り手の親子を中心として進められていた。
物語の一つに星が増えるというテーマのものがあった。少女が生まれた時から一緒に過ごした最愛のペットが、ある日、死んでしまい、少女が悲しみながら母親にそのペットは死んだらどこに行くの?と尋ねる内容で。
そのなかで母親は、窓を開けると、地平線より少しだけ上にある小さく光る星を指して、「みんなを護る為に、ああやってお星さんになってちゃんと見ているんだよ」と話していた。
たぶん、その絵本は正しいと思う。