2006年09月29日

Vira

Vira(Talvin Singh&Rakesh Chaurasia : Navras 2002)

イギリスで活躍するインド系移民2世のTalvin Singh(タルヴィン・シン)といえば、正統的な演奏技術を学んだあとにインドの正統的打楽器タブラを電気的に処理したタブラトロニクス・サウンドを引っさげて音楽シーンに登場した人物で、クラブミュージックやチルアウトのアンビエントな楽曲でとにかく有名。

そのTalvin Singh(タルヴィン・シン)とRakesh Chaurasia(ラケーシュ・チョウラシア) という最強タッグ組んだアルバムがこれ。

Rakesh Chaurasia(ラケーシュ・チョウラシア)は、国際的に有名なフルート奏者で、インド国内ではまず知らない者がいない。

その彼が奏でるバンブーフルート(バーンスリー)は切なく魂の救済を促すような音色で、心をどこか遠くへいざなう。

そしてTalvin Singh(タルヴィン・シン)が生み出すリズム。

2人が演奏する「VIRA」は古典音楽の域を越えた新しい民俗音楽だ。

チルアウトな就寝前のアルバム。お香を焚いて蝋燭の灯りだけで聴けば、きっとインド亜大陸へ旅立てるだろう。

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2006年09月28日

今週のアメリカンジョーク

ジョン:
「さて、アカプルコから持ってきたワインも空けてしまったし、『アー・ユー・ホット?』も観終わったので、そろそろ寝るとするかい、ハニー?」

ハンナ:
「そうね。私もランドリーに全部入れたから片づけが終わったわ。大丈夫よ。もう23時を回っちゃたのね。ウフッ、カボチャの馬車の魔法がとけちゃうわ。ダーリン、寝ましょ」

ジョン:
「よし、じゃあ、僕はテレビを消して我々の楽しいベッドに潜り込むとするよ。そうそう、ハニー、他でもない今宵のシンデレラな君へ特別に伝えよう、今夜の僕は急行列車さ」

ハンナ:
「あら、ジョン、なんだかそれは楽しそうな響きね。でも、どういうことかしら、私達、これから何処かに行く予定なんてあったの?それだったら私も一緒に貴方と急行列車に乗りたいわ」

ジョン:
「Oh,ハニー。それはカルフォルニアで一番美しい君だって叶わない夢なのさ。今宵は僕だけが急行列車さ」

ハンナ:
「不思議。どうしてかしら?」

ジョン:
「駅を飛ばすからだよ」

ハンナ:
「もうっ、ジョンったら」

─Fin.

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2006年09月27日

デッド オア アライブ

じつは本当はとっくに死んでいたんじゃ・・・と疑問を禁じえない役者さんがいる。

とうの昔にくたばっているはずなのに、何かの匙加減で、威風堂々と生きているタイプ。

森繁久彌のような不老長寿タイプではなく、その人から漂う〝スメル オブ デス〟が只ならず、うっかりと嗅いでしまっただけで黄泉の国が見えかけてしまうような人が、そんな疑問を持たれてしまう。

バックショットに必ず霊界が映っていて、俗世間の泥みたいな煩悩に200マイルほど乖離している役者。

役者ではないがミスター・スピリチュアルこと江原にはそういったのは感じられない。密に霊界ワールドとコンタクトを取るわりには、彼のあらゆる仕草が強い現世の執着心というか煩悩というふうに脂汗ごとく滲み出ているのが惜しいところだ。

霊界よりも六本木に精通していそうな俗っぽさを持ち合わせている。

その点、丹波哲郎はまるで現世にこだわりがあるように見えなかった(少なくともブラウン管越しには)。

いつだって準備OKだよって感じだ。というか本当はもう死んでいるんじゃ・・・とまで疑いまで掛けられるのが役得というより、彼そのものだった。

こういう疑問は丹波哲郎だけにしか起き得なかった。

*
*

普通、霊界への直行便というのは人生において1回こっきりの搭乗で片道切符なのは、大統領だって首相だって、テロリストだって天*陛下だって変わらないのに、どうも丹波哲郎に限っては、この直行便に何度も搭乗できて、しかも往復チケットを大量に所有しているように思えなかったからだろうと察した。

霊界専用の搭乗ターミナルを所持してるような気配。

もちろん、これは丹波哲郎の映画「丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる」の影響が色濃いためである。

映画公開中、レンタルビデオで熱中に見た僕と幼馴染にとって、丹波哲郎は映画俳優というよりは霊界案内人だった。

つのだじろうのキャパを持ってすらこなせない。丹波哲郎彼一人が可能とするジャンルだった。

*
*

ところで、丹波哲郎は僕にとって霊界案内人であるが、同時に屈指の俳優だった。

大人になってから観た「砂の器」、「007は二度死ぬ」、「日本沈没」は懐かしさというよりは、昔の日本にこんな映画あったのかよ、超スゲー!という気持ちが先行した(007は海外だけどね)。

全てに丹波哲郎が絡んでいる映画だ。

セリフというよりも身体全体を行使して体現する演技は身震いする。

僕らの合コン言葉に、誰それがいる合コンは賑やかで華やかになるという、合コンが〝立つ〟キャラがいるが、丹波哲郎はまさに映画に登場すると作品が〝立つ〟役者だった。

本当に心から冥福をお祈りする。

各ニュースサイトやらスポーツ新聞の「丹波哲郎、大霊界に行く」という見出しのベタさにあまりにも呆れ果てて、いざなにを書いてみようかと思い、ここまで書いてみた。

*
*

さて話は変わるけど、僕は14年ほど前に信頼する友人とのひょんな会話で「そういえば、菅井きんが亡くなったね」といわれて、「あぁ、そうなんだ」といい、その後の何年間もずーっと信じてきていた。

で、5年ほど前のある日、ポポロン食いつつ、なにげなしにテレビを点けたら、生放送の番組が放映されていて、そのゲストの一人に菅井きんの姿があった。

もちろんその瞬間に無意味に食べていたポポロンが空中を舞い、心臓が止まりかけたのは言うまでもない。

まさに片道切符でうっかり搭乗するところだった。

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2006年09月26日

Back To Mineシリーズ

チルアウト系のコンピアルバムで、僕が超お奨めするシリーズがこれ。

DJやミュージシャンがホーム・パーティで流しているのはどんな曲なの?
クラブで回した後にアーティストがチルアウトして聴いているのはどんな曲なの?

そんな好奇心から始まった〝Back to mine〟シリーズ。

もう23作目になるこのシリーズ、総勢たるアーティストが、自身のルーツになった曲や音源から自宅で聴いているアンビエントな曲をリミックスしてアルバム化している。

チラッとメンツを見ただけでも(Underworld,Pet Shop Boys,Everything But The Girl,New Order,Mj Cole,Groove Armada,Prodigy,Orb,Orbital,Faithlessなどなど)、おぉ、こ、これは・・・と唸る作品だ。

彼らがこんな曲をという驚きもさながら─だいたいどこの世界にPet Shop Boysがチルアウト用に聴いている曲を想像できる連中がいるのだろう─、どのアルバムを聴いても、さすがというかチルアウトで緩いアンビエントな極上リミックスCDな仕上がりで、コンセプトを抜きにしても選曲がいいし、何よりもすごく気持ちがいい。

例えばUnderworldがTLCのリミックス(しかも曲は「CLEEP」だよ。ベタだよね・・)やら、レゲエの名曲Gregory Isaacsの「Public Eyes」を流しているなんてのは想像するだけで楽しいし(しかもリミックスが上手い)、The ORBが3曲目に収録されているJuno Reactorの「Nitrogen Pt.1」をチルアウトで聴いているなんて、ウンウンと深く頷くしかない。

いまの季節だったら、タブラ奏者のTalvin Singhのアンビエントで秋の夜長を過ごすのもいいかもしれない。

ほんの一例にThe ORBとUnderworldとからトラックを抜粋。

<The ORB>
1. Aphex Twin 「Polynominal-C」
2. Charles Webster 「Be No One」
3. Juno Reactor 「Nitrogen Pt. 1」
4. B12 「Interim」
5. Creature 「Ow Much!」
6. The Chi-Lites 「Have You Seen Her」
7. Thomas Fehlmann 「I Wanna Be A Fishy」
8. Julee Cruise 「Falling」
9. The Orb 「The Land Of Green Ginger」
10. Aphex Twin 「Blue Calx」
11. Electric Chairs 「Barbie Girl (TF Long Version)」
12. Joachim Spieth 「You Don1t Fool Me」
13. F.F.W.D 「Hempire」
14. Schneider TM vs. KPT. michi.gan 「The Light 3000」


<Underworld>
1. Gil Scott Heron 「B-Movie」
2. TLC 「Creep」
3. Doctor Octagon 「Bear Witness」
4. Rave Signal 「Horse Power」
5. Remy and Sven 「Piano Power」
6. Fuse V LFO 「Loop」
7. Toots and The Maytals 「54-46」
8. LTJ Bukem 「Music」
9. Depeche Mode 「Barrel of a Gun」
10. Aphex Twin 「Didgeridoo」
11. Dead Prez 「Hip Hop」
12. Ali Farka Toure 「Machengoidi」
13. Tartit 「Buloululba」
14. D’Angelo 「Brown Sugar」
15. Gregory Isaacs 「Public Eyes

どお、ワクワクするでしょ。

(上段 左から)
Nick Warren,Danny Tenaglia,Faithless,Talvin Singh

(中段 左から)
MJ Cole,Orbital,Orb,Underworld

(下段 左から)
Richard X,Carl Cox,Pet Shop Boys,Liam Prodigy

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2006年09月25日

ベランダ園芸部

モブログやmixiにも載せてあるように、2週間ぐらい前にベランダ菜園を始めた。

これがなかなか侮れなくて、窓を開けて見渡すと花が綺麗に咲いていたり、緑がたわわと繁っていると、癒されるものだと改めて感じ、自然の力にことさらながら感動した。

花は金魚草とかを植えて、それと同時に、ジャパニーズハーブ〝シソ〟やらイタリアンに欠かせない〝バジル〟を植えてみた。

生命力の強いシソはわっさわっさと生い茂り、香りも濃厚な素晴らしい出来上がり。

で、近所に豆腐屋さんがあるので、最近はそこで豆腐を買う。

茗荷を刻み、ネギも刻んで鰹節をかけ、シソをちぎって乗せた冷奴を食べるのが幸せ。

って、ここまで書いて気づいたけど、なんかおっさんくさいな、これは。

まあ、いいか。

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2006年09月22日

オトコの一人旅

手元にある長距離バスの往復チケットを使っての一人旅行。

それだけで自分がとってもワイルドな男(「出ていきなさいよ。この甲斐性なし!」といわれて何処にも行くところがなくて逃避しているザマ)になれた気がした。

あばよ、東京砂漠。

そんな別れを告げてバスに飛び乗る。荷物なんていらない。行き先なんてどこでもいい。それが一人旅。

八王子を抜けて中央道を突き進む長距離バス。渋滞の様子すらなく順調だ。 背中でどんどん小さくなってゆく摩天楼 オブ ビルジング。地方ナンバーがあふれるハイウェイ。旅心が私をくすぐる。

しかし、だんだんと農家やら山道が目立つようになるにつれ、都会から離れると、ワイルド気分の効きが薄れてきたのか、勢いよく飛び出した自分に不安を感じてきた。

いや、それ以上にバスの中ってやることがねぇーー。

つまり暇になった。

普段であれば気の利いた文庫本もザックに納まっているわけだが、あいにく今日は野趣に満ちた一人旅。

握り締めた現金だけが俺の持ち物。

ここはひとつ男らしく回想に耽って身をバスに任せてみることにする。


もしもこのバスが港から出発する船だったら?

なかなか楽しい回想だ。日夜行なわれるカジノゲームやビンゴ大会。

かけがいのない息子を自動車事故で失った大富豪との出会い。

デッキで太平洋を眺めている私に「ジョン。生きていたのかい。ジョン」と突然泣きすがる紳士。突然の声に驚く私。

「いや、取り乱してすみませんでした。てっきり死んでしまった息子が生きていたのかと思いまして。ジョンが生きているはずなんて・・・。私もどうにかしてました。それにしても死んだ息子にそっくりだ。お名前を・・・」

なんだか素敵な物語だ。私は大富豪の養子(ジョン2号)として迎え入れられ余生をエンジョイするだろう。


もしも山岡が・・・?はっ、私は何を回想しようとしているのだろうか。

頭の中に美味しんぼにでてくる山岡が突然と浮かんできた。

もしも山岡が豆腐じゃなく石鹸を食べたら?

回想というよりはもはや妄想が止まらない。

社主が開催した〝豆腐の食べ比べ〟試験でブクブクと泡を吹く山岡。

新聞社の威信をかけてグルメチームを作ろうという時に「おい、山岡!それ豆腐じゃなくて石鹸だぞ」と富井文化部副部長にしたためられる山岡。

そんな風にして第1回がスタートする美味しんぼ。

「山岡さん、まるで蟹みたいよ」栗田ゆう子がせせら笑う。

スチャラカ社員というよりはコミカル社員だ。

つかそんな奴がいるわけない。私は次の回想に移ることにした。


もしも・・・。

これこそ定番だろう。

もしも田中麗奈が私の嫁だったら?

なんて素敵な回想だ。

万分の一以下とも言えども可能性がないわけではないところがナイスだ。

「麗奈、芸能生活、疲れちゃった」と肩にしなだれてきたら!?

心臓発作を起こすだろう、きっと。

うん、念のためにバスを降りたら救心を買っておこう。マツキヨがあるといいが。

いや、それよりもすでに田中麗奈は私の近くにいるのかもしれない。

隣の席!!

私の隣の席には誰かが座っているじゃないか。

麗奈も一緒に一人旅。二人揃って二人旅!

私は目を開けて背筋を伸ばすフリをして隣の席に目を光らせてみた。

ガビンッ。

繁殖期のトドみたいな女子が震度3ぐらいの揺さぶりをかまして泣いていた。

田中麗奈の3人分ぐらいは目方がありそうだ。

what? 私は思わずシャウトした。

そして続けた。

「ど、ど、どうしたんですか?」

ワイルドな男はそんな女を本来ならシバキ倒すところだが、私はいたたまれなくてつい言ってしまった。

鼻水と涙がアゴの下で合流して第4級河川のごとく濁流していた。

「お腹空きすぎて、胃が痛いんです」

すきっ腹!

トドは腹ぺコで泣いていた。

そして足元にあるのは食べ終わったであろうチョコリングの空袋。

それ食ったんじゃ・・・?ワイルド男は疑問を持った。

でも突っ込めなかった。

「そ、そうなんですか。あいにく現金しかなくて」

私の精一杯のやさしさだった。

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2006年09月21日

方言にみる多様性

さて、下の科白はいったい何を示しているのでしょうか。


「あのぼこはもろしわくてちょびついてばっかいるからええしらっちょし」


別にドラクエⅡの復活の呪文ではない。

これは、とある地方の方言である。

何処だか想像しやすい人もいれば、まるでちんぷんかんぷんという方もいるだろう。

富士山麓を見渡せて、日本三大夜景のひとつが見られ、日本有数の水晶の産地で、桃とか葡萄が美味しいといえば、分かるかもしれない。そう、山梨県の方言だ。

両親が共働きだった僕は、3歳違いの双子が生まれると、暫くの間、山梨のおばあちゃんのところに預けられていた。それ以来、山梨が故郷みたいな自分には、ズコンズコンと山梨弁がインストールされて、日常語として使用するに至った。

なので、標準語以外に江戸言葉、山梨弁をやや嗜める。そしてそういった方言話者の多くが皆似たような境遇になるように、僕も誰かに指摘されないと気がつかない限定的な言葉がたくさんあったり、たぶん今もある。

例えば、「背中かじって」と言ったら、別にSMプレイの延長線にある行為ではなく、単に背中が痒いから掻いてと言っているのである。

山梨だと<かじる = 掻く>ということになるのだ。これはしょっちゅう誰それに指摘されてハッと思い、言い直したりする(そして言い直している自分が少しさみしかったりもする)。

もうひとつ挙げると、「えべし」というのは「行きましょう」という意味。「えべ」というのが「行く」と同義語。

僕の祖父母がかろうじて使っていたので、ほとんど絶滅した言葉となっている。いま現在、甲府に住む若者には通じないかもしれない。

なお、上述の呪文のような言葉は「あの子はすごくいらっついて、調子づいてばっかりいるから構うんじゃないよ」という感じ。

他にも独特の閉鎖的な汎用性を持った言葉が数多く存在する。「ももっちい」が「くすぐったい」とか。

対語訳一覧
ぼこ -- 子供、赤ちゃん。
もろ -- 超、相当、すごく。もろきゅうを山梨弁にすると「超きゅうり」になってしまう。
ちょびつく --調子に乗る
ええしらう --かまう、相手にする。
しわい --ニュアンス的な意味が複合していて、ピタリとあてはまる言葉が見当たらない山梨弁の代表的な言葉。いらつくとか思い通りに進まないときとかについ出てしまう。似た言葉で「のぶい」というのがある。こちらは鈍くさいとか、そんな意味。ドイツW杯の柳沢のプレイは、もろしわい。

僕ですか?僕は小さい頃からちょびついてばっかしで・・・。

*
*

ちなみにインスタントに関西弁(西日本の言葉)を話したい時は、冒頭の言葉に強くアクセントをつけるとそれらしくなる。

のな、んまに、きょうはめがうたで」

太字のところにアクセントをつけるだけでなんちゃって大阪人の出来上がり。

これを語尾にアクセントを移して、〝ね〟を付け足すとすっかり北関東的な純朴な言葉になる。

「あの、ほんとうに、きょうはあがふるっいってのよ

*
*

さて、MSN毎日ニュースにもあったけど、バンソーコーは地域によって呼び名がこうも違う。

呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」

北海道の「サビオ」なんてのは、北海道人が上京とかして食らう標準語洗礼のひとつだろう。

九州の「リバテープ」は、試しに会社の内線で確認したら「あー、セロテープ?」って言われた。「バンソーコーのことだよ」って言ったら、「そうでした」だって。

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2006年09月20日

下井草「御天」

下井草駅を降りて右に進み、住宅街を抜け徒歩5分、新青梅街道にあるのが「御天」だ。

博多長浜系ラーメンで、住宅街あたりにすら豚骨臭が漂う(近隣から苦情とか来ないのだろうかと思うぐらい)本格派である。

トムヤムクンラーメンとか〝傾奇モノ〟があるので、ややドキリとさせられるが、本場の長浜ラーメンを忠実に再現した味だ。

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写真はラーメン(630円)。

テーブルに辛子高菜や白ゴマ、紅生姜、スープだれ(替え玉の時や味を濃くしたい時に)があるので、お好みでトッピングをして食べるのが長浜流。

麺はかなり細いけれど、それほど違和感が感じられない。ただ、細すぎて腰がないのがちょっと難点。

しかしながら、ゲンコツを始め、頭から尻尾までを強火で3日間かけて煮込んだスープというのは濃厚で感無量。

店主は「なんでんかんでん」(過去をときめく名店、いまを疾走する迷店)の立ち上げをした人というぐらいだから頷ける。

都内にある長浜系ラーメンのこってり度とトロミでは間違いなく上位に食い込む感じだ。

量的には少ないから替え玉頼んでも問題がない。麺が細いだけに個人的には〝カタメ〟でオーダーしてちょうど良かった。

ここはラーメン以外のメニューも豊富で、屋台っぽい感じの店だから、何人かで行ってワイワイと食べつつ呑みつつしたりするのがよさそうだ(もちろん空いている時に)。地下には「御天'sバー」というバーがある。焼酎の品揃えはなかなかのもの。

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御天 本店
杉並区井草1-29-3
11:30~14:30/17:00~翌3:00
無休

ラーメン --\630
温泉卵ラーメン --\780
黒豚焼餃子 --\500
地鶏のたたき --\600
高菜チャーハン --\800
半高菜チャーハン --\300
替え玉 --\130

本格焼酎 --\400~

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2006年09月19日

Double Day#02

MIA/
Don't you hate that?

VINCENT/
What?

MIA/
Uncomfortable silences.
Why do we feel it's necessary to yak about bullshit in order to be comfortable?

VINCENT/
I don't know.

MIA/
That's when you know you found somebody special.
When you can just shit the fuck up for a minute,
and comfortably share silence.



snapped by: DOCOMO P900iv

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2006年09月16日

映画覚書

PSYBABA.NETがお奨めする今年の最高映画といえば、細田守監督の「時をかける少女」。

思いっきり泣ける。感動する。青春に浸れる。ジブリなんて目じゃない。最高のアニメ。

そんな「時かけ」が、なんと、好評につき上映映画館を拡大!!!

やったね。

上映映画館

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2006年09月15日

王子「ムルギー」

王子駅の北口をでて右に進み、線路沿い徒歩3分、森下通り商店街の入り口あたりにあるカウンター5席だけのスタンドカレー店。

スタンドカレーといっても、味についてはなかなかのもの。

渋谷の名店「ムルギー」で修行したというご主人が作るカレーは野菜とフルーツを1日半以上かけて煮込んだミャンマーカレー。

そしてムルギー(ヒンディ語で鶏肉)という名前にあるように、鶏肉がはいっている。

鶏肉も時間をかけて煮込んでいるので形が見当たらないほどだ。

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ルーの味は欧風ともエスニックとも和風とも呼べないコクがある。まさにオリジナルテイスト。

聞けば、何種類ものスパイスを使って味を生み出しているらしい。

そしてフルーツの甘みが辛さを見事に調和。激辛好きには物足りないが、無料で辛さをアップできるので、安心。CP(コストパフォーマンス)を考えたら、かなりいいだろう。

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ムルギー
北区岸町1-6-20
11:30~14:30/18:30~21:00
日曜、祝日、定休

ムルギーカレー --\560
玉子入りムルギー --\630
ナシゴレン --\650

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2006年09月14日

吉祥寺「いせや」

吉祥寺駅南口のバス通りに総本店、井の頭公園の入り口に支店がある焼き鳥屋。

予算2000円以内。店員愛想ゼロ(最近そうでもない)。店員はたぶん元ヤン(これも最近そうでもない)。

吉祥寺の居酒屋のシンボル的な存在。それが「いせや」である。

昭和2年に創業した店舗は、炭で煤焼けていて、まるで建物全体を燻したような、長い年月だけが醸しだせるオーラを放っている。入り口でモクモクと立ち昇る焼き鳥の香ばしい煙を嗅いだら店に入らざるを得ない、そんな吸引力。

ちなみに焼き鳥は1本80円。元々が精肉店だからこそ、新鮮な肉を廉価で提供できるのだ。

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本店と公園店は、本店には白飯をおいていないとかで、若干メニューが違う。個人的には公園店に行く回数が多い。

ただ総本店のほうが2階に座敷がたくさんあるので、大人数の時にはこっちに出向く。

実際、総本店は30回行った事があるかどうかだ。(しかも若気のいたりか、大学入学したての頃には、いせや総本店で〝合コン〟をしたりしていたのだ。いま考えると恐ろしい)

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さて、ここで大体頼むのはこんなメニュー。白飯、キムチ、餃子、シュウマイ、焼き鳥数本。ビールと熱燗。冬は湯豆腐。公園店だったら中華ガツ。

たいがいがお腹をすかしているので、キムチをおかずにして、白飯を食べる。

いかにもぞんざいな品々が場末感たっぷりでステキだ。料理はたいてい旨い。

○○の味という表現を借りると、これこそが〝いせやの味〟、そういう旨さだ。

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こちらは、つくね(1本80円)。

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そして、シュウマイ(330円)。

ところで、僕のいせやとの出会いは彼此10年以上も前。

94年に初めて暖簾をくぐった時は、本当に店員が恐ろしかった。全員ヤンキー(でも年齢は30歳手前ぐらい)の彼ら。10歳も年上っぽいのに・・である。

そして究極的な無愛想。共産圏の人たち?って思うぐらいサービス精神が皆無だった。

そんな環境でビクビクしながら「ここの店員はおっかねぇなぁ」って思うのがわりあい楽しかったのだ。

いまはそういう人をあんまり見かけないからちょっと寂しい。

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そして、95年~97年頃、規制が入る前の井の頭公園で、インド雑貨やアクセサリやお香のバスター(露天商)をしていた時期があって、夕方前の午後3時ぐらいに早々と引き上げて、公園前のいせやで昼間から飲んでいた。

周りにいる連中も、どうしてこんな時間に酒が飲めるの?という人がたくさんいた。

いせやのボロボロの席(これは褒め言葉。あれがピカピカだったらゲンナリする)で、冬なら隙間風を浴びつつ熱燗を戴く。夏なら生ビールで喉を潤して、焼き鳥と冷奴。つまり、味のある、雰囲気のいい店なのだ。

でも残念なことに、思い出深い総本店は、拡張工事等に伴って06年9月25日を最後にしてその半生の幕を閉じる。そして、ビルディングとしてリニューアル予定。

いまの総本店の勇姿が見れるのも残り少ない。

まあ、とにかく、吉祥寺で遊ぶのなら、とりあえずはいせやで一杯で。

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いせや
<総本店>
武蔵野市御殿山1-2-1 
12:00~22:00(L.O.21:30)
火曜、定休

<公園店>
武蔵野市吉祥寺南町1丁目15-8
12:00~22:00(L.O.21:30)
月曜、定休

焼き鳥(1本:つくね、レバー、タン、ハツ、
シロ、カシラ、軟骨、ガツ、ひなどり、ネギ焼) --\80
ジャンボしゅうまい(3個) --\330
餃子(公園店のみ)--\400
冷や奴 --\300
もつ煮込み --\330
まぐろのブツ切り --\380
キムチ --\330

生ビール中 --\450
ビール大瓶 --\450
日本酒一合 --\300
焼酎一杯 --\220

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2006年09月13日

鷺宮「島の唄」

西武新宿線の鷺ノ宮駅南口を降りて徒歩30秒、妙正寺川を渡ってすぐのところにあるのが「島の唄」。

平日も週末も連日賑わっている沖縄の店である。

中野区あたりにいる島人(しまんちゅ)からの人気があり、都会の喧騒をひとたび忘れてしまう居心地のよさだ。

日によっては島唄ライブを開催したりもしている。

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写真はフーチャンプル。

麩を用いた炒め物。味の行き渡った麩と卵が炒められていて、ビールのつまみに最高な感じ。まさにチャンプルー(ごっちゃ)だ。

コーレグースと呼ばれる島唐辛子を泡盛漬けしたスパイスを垂らして食べれば、気分はすっかり沖縄の食堂。

オリオンビールでゴクリと喉を潤しつつ。

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焼そば。

こちらも定番。
塩味がある焼そばは海苔がまぶしてある。さっと茹でた沖縄そばを炒めた焼そばは夏らしい味。マイルドな仕上がりだからどんどん入ってきちゃう。

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青海苔の天ぷら。

意外と分厚くて食べ応えがある青海苔の天ぷら。塩で戴きつつ、泡盛を傾けて・・・。

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ソーキそば。

泡盛をしこたま呑んでも、なぜかこれだけはまだお腹に入るとのがいつも不思議。

塩ラーメンのような微妙な豚骨風味のチュルチュルした麺。締めにこれを選ぶ人も多いだろう。塩加減が絶妙だから一気にスープまで飲み干せちゃったりするんだよね、これがまた。

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島の唄
中野区白鷺1-31-21
17:00~01:00(金・土は~02:00)
火曜、定休

ゴーヤチャンプル --\735
ラフテー --\682
ソーキそば --\787
島らっきょう --\504

泡盛の種類の豊富さは、ほぼ網羅しているんじゃないだろうかといった取り扱いの広さ。
その名前とは裏腹に個性的な香り(カビ臭い)が人々を魅了する「白百合」もちゃんと置いてあるから嬉しい。

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2006年09月12日

戸畑「福龍」

炭鉱の街として栄えていた戦前の昭和14年頃に、八幡東区の中華料理店が考案した「戸畑ちゃんぽん」。

普通のちゃんぽんより腰の強い蒸した細麺を使うのが最大の特徴。北九州地方の戸畑エリアで「戸畑ちゃんぽん」とのぼりを出しているのが目印である。

こちらの「福龍」は鹿児島本線の北九州工大前駅から徒歩3分のところにある昔ながらの食堂。

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ちゃんぽん(単品630円 焼きめしセット790円)。

少し甘い豚骨スープで食べる黄色い蒸し麺は不思議な食感だ。スープから最も遠い位置にありそうな麺の扱われ方なのに、しっかりと馴染んでいる。

サラサラした食感で、細麺のわりにはしっかりと腰があり、豚骨スープに絡む。

イカゲソや野菜、蒲鉾の切れ端、そしてブタの細切れが勢いよく炒められて、アツアツの状態で浮かぶ。

シャキシャキのたっぷり野菜が嬉しい。

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こちらは焼きめし。

焼き飯もお勧めという事前情報を頼りに頼んだ焼きめし。ちゃんぽんとセット。

絶賛の声があるだけあって、抜群の旨さである。火力が豊富じゃないと仕上げが悪くなるというのが焼きめしといわれているだけに、このフワフワ感は悲鳴を挙げたくなるぐらいに旨い。

塩味が染み渡って細かく刻んである具と一緒に頬張るのが幸せ。

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ちゃんぽん福龍
北九州市戸畑区中原(なかばる)西1丁目1-36
11:00~21:00
日曜、定休

ラーメン --\480
ちゃんぽん --\630
焼そば --\630
焼きめしセット --\790

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2006年09月11日

八幡「ラーメン 力」

北九州エリアのグルメ通の間で最近話題に事欠かさないラーメン店に「ぎょらん亭」という店がある。

小倉の三郎丸にあるラーメン屋で、交通の便が悪い上に営業時間が限られているのにも関わらず注目を浴びている。

そんな「ぎょらん亭」で食べたラーメンの旨さの衝撃が忘れられずに、ついには数ヶ月間「ぎょらん亭」で修行し、実際に店まで開いてしまったというのが、この「ラーメン 力」。

北九州市八幡東区春の町、鹿児島本線で徒歩10分程度である。

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こちらはラーメン(500円)。

きくらげ、焼き豚と具材が続く。まず一口食べて感じるのはスープの塩っ気が強いということだろう。

そして、ドロドロにならないまでも濃い部類になる豚骨なのに臭みはまるで無いということ。

スープだれが強いので、替え玉をおかわりしてもよさそう。「ぎょらん亭」で修行したというスープはさすがである。コクが半端じゃない。で、焼き豚は柔らかく脂が乗っている。

日曜に八幡エリアでラーメンが食べたくなると営業していない店が目立って往生しちゃうけれど、ここは日曜もやっている。それでいてじっくりと味わい深いトンコツが食べられる。

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ラーメン 力
北九州市八幡東区春の町5丁目6-9
11:30~スープなくなりしだい

ラーメン --\500
餃子 --\300
替え玉 --\100

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2006年09月08日

Aphorism [藤村靖之]

「よく冗談でいうんですよ」

そして一枚の紙を取り出し、藤村さんは次のように書いた。

〝できるわけ/ないじゃないか〟

「でもね、こうしたらどうですか?」

そしてこう書く。

〝できる/わけないじゃないか〟

オヤジギャグかと思いきや、さらにこう書き続けた。

〝impossible/I'm possible〟

「発明は0.1%でもダメだと思うと、やっぱりダメなんですよね」


藤村靖之『フリーペーパー「RICE PAPER88」のインタビューにて』(発明家)

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2006年09月07日

まぼろしゲーム

ファミコン。

言うまでも無く任天堂が発売した世界最強のゲームマシーンである。正式名称ファミリーコンピューター。

家庭用ゲーム機の金字塔と言っても決して過言じゃない。僕と同じ世代でファミコンで遊んだことがないって奴は皆無だろう。

家庭用ゲーム機といえばファミコン以外は考えられないというオンリーワンでナンバーワンな時代すらあった。もはや説明不要の玩具だ。

しかし、黎明期の家庭用ゲーム機時代、実はファミコンを選択するというのは過半数であったにせよ、ワンオブゼムだったこともあったというのは意外と知られていない。

ファミコンに立ちはだかる壁のライバルは、セガ社の「SG-1000」とエポック社の「スーパーカセットビジョン」だった。

ただ哀しい事に、どちらも歴史の渦に飲み込まれてしまった。だからあまり知られていないのだ。

そして僕は、この後者のエポック社の「スーパーカセットビジョン」を持っていた。

それは小学校3年生の時だ。おねだりの定番といえば、やはり家庭用ゲーム機が定番だった。

しかし社会の認知がまだまだ低いこの時代、ゲームをすれば脳味噌がアッパラパーになるとか視力がガタ落ちするとか、テレビを酷使するから画面の映りが悪くなるとか、さまざまな悪い噂がそこら中に蔓延し、ゲーム機入手に至る道を妨害しては小学生を悶絶させた。

僕の家もご多分に洩れずに〝子供は外で遊んでナンボじゃ〟という家庭方針のもと、なかなかどうして買ってもらえなかったけれど、『○○ちゃんも持ってるじゃーーん』と囲い込み作戦の如くおねだりをしまくったら、ようやく買ってもらえるところまでこぎつけた。

ところが、当時からヒネくれたガキンチョだっただけに、『みんなが持ってるファミコン買ってもつまらないしなぁ』という、今に至るまで継続されている非経済的な〝少数派好み〟が災いして、ファミコンを選ばずにスーパーカセットビジョンを選んでしまった。

スーパーカセットビジョンをクラス内で所持しているのは、僕と田中君の2人で、学年で見渡してみても5人ぐらいしかいなかった。

ファミコンがカセットを〝貸したり〟、〝また貸し〟したりするのに対して、スーパーカセットビジョンは、5人で誰がどのカセットを買うかを検討して、「なるべくダブらないようにする」といった、極寒で遭難している探検隊が毛布をみんなで大切に使いまわすかのような境地に至った。まるで現在の北朝鮮の小学校で読みまわされている教科書のようである。

僕も幾つかのカセットを持っていたんだけれど、これが今思い起こしてみるとなかなかシビれるタイトルだ。

題名だけで鳥肌が実るのがいかにも。すべては時効ということにしておきたい。他にもまだまだファミコンじゃ考えられないようなゲームがあった。


・トントンボール [気分はドキドキリズム]

たしか画面上に散らばっている子豚(トントン)を豚小屋に戻すゲーム。主人公の名前はブータン・・・。

気分はドキドキリズムってあたりが・・・。「今日の気分はドキドキリズムよ」って言われたら100年の恋も冷めそうだね。


・ポップ&チップス [ミラクルワールドは大さわぎ!]

ちょいと難しいパズルゲーム。

説明書の但し書き↓

ポップとチップスの住む小さな森とパンプキン大王のやさいの国との間にはミラクルワールドがありました。ある日のこと森の中で遊んでいた妖精の子どものピッピたちが大王にさらわれてミラクルワールドに閉じこめられてしまったのです。ポップとチップスのドタバタ救出劇の始まり始まり~。

うわ・・。

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2006年09月06日

焼き鳥屋と報道

重大な事件や出来事のニュースをテレビを通じてリアルタイムに知るという体験は、オウム事件やテロの報道、古い出来事ではホテルニュージャパンの火災など枚挙にいとまがない。

即時性に優れ且つインパクトな出来事をテレビを通じて知るというのは強烈に心に残って、ブラウン管越しより伝わる光景が、ニュース性を生み出す。

『番組の途中ですが・・・』と、突然に画面が報道センターに移り変わるあの瞬間。

何ともいえない目を見張る緊張である。

*
*

1997年6月28日。

その日はいかにも梅雨の終わりといった感じの、とっても蒸し暑い日で、僕は予備校時代の友人、深tetsu、Konさん、ビリー、ケンシン、ACOちゃんの合計6人で、その頃拠点にしていた新宿の思い出横丁にある焼き鳥屋に集まって、ワイワイとビールを片手に飲み明かしていた。

誰もが同じ大学に通っていない割には頻繁に呑む間柄で、予備校を卒業(っていうのかね)しても旅行に出掛けたり、呑み会を開いたりして仲良く遊んでいた。

ケンシンとACOちゃんは短大に進学したから、もう社会人だったけれど、この日のように土曜日だったら顔を出せるのが僕ら大学組としても嬉しいことだった。

酒をガバガバ進み、気兼ねなくガハガハ笑いながら、茅野にあるバンガローにみんなで泊まりに行った時、Konさんが泥酔して『俺に学歴は必要ねぇ』と泣いた夜のことや─ちなみにKonさんは社会人アメフトの日本一で全身筋肉の塊のような男である─、ビリーが頭を丸めたらオウム真理教の新見被告に間違えられてしまったこととか、僕が初対面にも関わらずみんなと旅行に出かけ、酔っ払い暴れまくったことを、毎度のように酒の肴にして、話し込んでは大爆笑していた。

その思い出横丁の焼き鳥屋は2階建てで、すぐ近くにJRの鉄道があるから、電車の音がガタゴトと聴こえてくる。ボロボロのテーブルがあって、店内に煙がもうもうと立ち込める時代錯誤な雰囲気が妙に居心地がいいところだ。何組かのグループが1階で呑んでいて、熱気ムンムンに酔っ払って嬌声を挙げていた。

『そんでさー、俺が腹が痛くなったと思ったら、コイツも超腹が痛いとか言い始めてさー』僕が深tetsuとタイに行って、2人とも脱腸しちゃったかもしれないレベルの下痢に見舞われた話を続けていたら、例の『番組の途中ですが・・・』が流れた。

『番組の途中ですが、警視庁は兵庫県神戸市で発生した連続殺人事件の犯人、近所に住む14歳の少年を逮捕しました』

その瞬間、店の外まで響き渡るほどのガヤガヤしていた連中が固まって、誰も動けずにテレビを見つめた。

テレビの報道センターの慌しい様子が伝わってきた。

店が一気にシーーーッンとして、誰かが小さく『14歳って言った、いま?』と隣の人に確認していた。

僕ら6人も焼き鳥の串を持ってピタリと固まった。

焼き鳥の焼ける音だけがジッジと音をだしている。

炭をおこしている焼き手のお兄さんは手を止めて画面に見入ってた。

当時誰もが関心を寄せて止まない凶悪事件の幕切れを垣間見た。

それも14歳の逮捕劇という前代未聞の結末で。酒鬼薔薇は中学生だった。

報道映像が映し出される間、素性も知らない連中が、新宿の片隅にあるバラックみたいな焼き鳥屋で、事件の結末を知る傍観者となったことの親密な空気が流れた。

突然結末を迎えた14歳逮捕の報道で、店全体が妙な臨場感と昂奮に包まれた。

神戸から遠く離れた東京の新宿の空のもと、たったひとつの報道で、僕らはその連続殺傷事件に無関係とはいい難い、それは自身の身に起こった自分の事件として奇妙なまでに深く関与したのだ。

それは本当に不思議な一体感で、何とも言いがたい体験であった。

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2006年09月05日

魅惑なハウツー

いまからおよそ20年くらい前、僕らの周りにはこんなハウツー本がたくさんあった。

男の子向けの雑学本みたいなもので、攻めの恋愛テクニックとか女子の攻略方法とか、そんな感じの内容の恋愛本である。

多感な時期もあったのか、馬鹿で単純でやることが無い上にウブな僕らはそれらの本に書いてあることを額面どおりに受け取った。

もちろん本の通りにしたって成功なんてなかった。

だいたいにして小学生~中学生がこんなの読んでどうにかなるほうがおかしい。

それでも僕らはまるで教科書のように、あるいはバイブルのように手に取り、みんなでむさぼり読んだのだ。

そんな面白恥ずかしいセピアな80年代雰囲気たっぷりの恋愛テクニックを、憶えている限り列挙してみる。押入れから何冊か出てきた本の内容をそのまま載せてみた。

こちらは、「デート編」に書かれていたもの。


初めてのデートでスカートを履いてきたらゴーサイン。


カノジョがもしデート当日にズボンを履いてきたら警戒心の表れだ。キミは慎重に行動しよう。

でもスカートだったら!? カノジョのココロの準備はOKモード。カノジョしだいでアプローチしちゃうのもアリかも。


カノジョのアクセサリーを褒めるポイントは、ネックレス→指輪の順で!!


女性は意外と無防備な首の周りが弱点だったりする。そんな弱点を本能的にカバーしているのがネックレスだ。上手なアクセサリーの褒め方はまずはネックレスから。きっとカノジョのガードが緩むゾ。



珈琲をブラックで飲むコは大人の証拠!!


珈琲をブラックで飲むコは、大人の付き合いが出来る証拠だ。もしキミとのデート中にカノジョがブラックで珈琲を飲んでいたら、きっとカノジョは大人の世界を知っている。キミもそれに合わせよう。オトナっぽい自分をすかさず見せるチャンスだ!!



満月の夜は少しだけ大胆に!! カノジョもそれを待っている!?


満月の夜は生体的にバイオリズムが活発になる。告白するのだったらこの日がチャンス。カノジョはすでに大胆モードだ!!



帰りたくないかも!? そんなカノジョのサインを見逃すな。


デートに門限はつきもの。それでもカノジョはまだキミと時間を過ごしたいと思っているかもしれない。さりげないカノジョからの〝帰りたくないサイン〟を見逃すな。終電時間を訊くのは禁物だゾ。



学校の話題が豊富なコは友達つきあいが上手。まずは友達から攻めよう。


学校の話が多いコはそれだけ友達が多い証拠。手ごわいカノジョも周りの友達から仲良くなれば、そのうちキミに興味を持って、意識しちゃうかも!?。



ピンクのマニキュアはOKサイン!?


もしキミとカノジョが初めてのデートだったら、すかさずマニキュアの色をチェックしよう。
ピンク色のマニキュアはアバンチュールのOKサインだ。カノジョはきっかけを待ってるゾ。


こちらは「リゾート編」に載っていた。


開放的!? 浜辺でアンクレットをしている子は積極的。チャンス到来だ!


キミと同じように夏の思い出を求めたコが待っている浜辺。アンクレットをしている女のコに優先的にアタックしよう。遊びたいというカノジョ達からの合図だ。



花火で二人っきりになるのは〝線香花火〟が決め手!?


案外、女の子はロケット花火とかをわいわいするよりは、しんみりと線香花火をしたがる傾向がある。「線香花火しようよ」と普段のキミじゃない素顔を見せれば、きっとカノジョはイチコロ!! 抜けがけなんて気にしないキミの勝ちだゾ。


ちなみに初デートのスカートというのは20年近く経ったいまでも、まだ妄信しているのはナイショ。

しかし、こうして挙げてみると相当のアホだったな、僕らって。

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2006年09月04日

Ancient Herbs & Mordern Medicines : September 2006

PSYBABA.NET reccomends 5 potions in this month are

1.Dejan VS Shens - Extract it (TEMPLE TWISTER)
2.Fungus Funk - Mushroom Lunch (ACIDANCE)
3.Painkiller - Mind (FRACTAL)
4.Paranoize - Deadline (KAGDILIA)
5.Freaking - Nochnoy Dozor (VERTIGO)

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2006年09月01日

なんだかんだな物欲

今年もきっと買わないだろうけれど、どうしてか毎年その季節になると胸をときめかす商品というのがある。

値段の高い低いが問題ではないようだから、どうも〝決心〟という踏ん切りがなかなか附かないで躊躇しているようである。

さて、夏の時期が近づくにつれて、買おうかな~どうしようかな~と悩んでしまうのが、ビーチやキャンプ場で見かけるサンシェードのテントである。

通気性に優れたメッシュ加工の日差し除け。軽いので持ち運びは楽だし、値段も3000円程度なので悩まなくてもいいのに、どうしてか迷ってしまう。

そのくせ海に遊びに行くと、「いいなぁ、あれ」と物欲しそうに見てしまうのだ。来年こそは買うと小さい声で宣言したい。

とにかくこんなのが欲しくなるのだ↓


コールマン サンシェードMX
ブルー×イエロー 170T7500J

で、秋冬はなんといっても、この2品。

一つ目は、NorthFaceのウェアであるN-3Bだ。

ボアの附いた冬用のアウターで、N-SBというミリタリー系アイテムをしつこくないように仕上げているのがポイント。

厚手なので、どれだけ極寒だろうとへっちゃらな仕様だ。N-3Bの色といったらもちろんモスグリーンで決まり。値段はだいたい4万ぐらい。こちらも毎年どうしようか悩むのである。

これは画像が見当たらなかった。


そして二つめは、小川キャンパルのストーブ。

10月になると十分冷え込む山のキャンプにきっと重宝するだろう一品だ。

デザインも秀逸で、コンパクトに折りたためる。

これはURLが現存していた。

このストーブで火を炊きながら飲む珈琲は格別なんだろうなぁ。アウトドアショップに行く度に頭を抱える。

詳細

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