九州の玄関といえば福岡県。
芸能界・財界の人物の出身が飛びぬけて多い県として有名。
麻生太郎やリリー・フランキー、タモリに浜崎あゆみにホリエモン。
挙げだしたらきりがない。
どうしてこの県だけにやたらとユニークな日本のビジネスシーン・カルチャー・シーンを動かす人物が揃っているのか。
前々から不思議に感じていた。
そしてその謎というのは、実際に福岡県を訪れてみるとアッサリと分かったりした。
独特。
とにかくこの言葉に尽きる。
ユニークで個性がある人物率が異常に高い。
都道府県別でユニーク率を算出するとぶっちぎりだろう。
とにかく飽きない県である。
行けば分かる。常に何かが動いている雰囲気を兼ね備えている県。
発信し続ける若者達。
そんな福岡県の小倉で、デザインや音楽をプロデュースしたりしている友人ブギシングの手がけたオリジナルTシャツがこちら。
シンプルなデザインでありつつ、ターコイズやシルバーのアクセと合いそうな、左袖にネイティブ・アメリカンの羽飾りデザインが施してあるTシャツ。
ワンポイント的なアクセントがいい感じ。これから暑くなる夏に着てみたい1枚だ。
野外パーティ、キャンプに海。もちろん街に出かける時だって、どんなスタイルでも着こなせちゃう。
素材はスーパーヘビーウェイトの厚手7oz。洗いざらしの着心地はアメリカンコットン100%なので、抜群である。
在庫も限られつつあるので、今年の夏のNEW・Tシャツを探している方は、ぜひこの機会に!
Color : White/Black Size : XS/150/S/M
Price : 2500yen
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→ mail@boogiething.com
相模湾を一望できる温泉として名高い日帰り湯が、ここ「ゆとろ嵯峨沢の湯」。
海水浴や浜辺での遊びの帰り、釣りの帰りに、ちょっと立ち寄れるので非常に便利。
このエリアのビーチの幾つかは隠れスポットで、素潜りの好ポイントがわんさかとある。
海の家なんてない荒涼とした浜辺で海と戯れると時間を忘れてしまいそうな感じだ。
そんなサバイバルなビーチ遊びの帰りにもってこい。
ただ、「ゆとろ嵯峨沢の湯」は地理的に山間にあるので、車でないと厳しい。
そのぶん、見渡せる景色は壮大だ。
洞くつ風呂や打たせの湯、高さ4mの大滝の湯、気泡の湯などが勢ぞろい。
温泉は加水していない源泉仕様。
泉質は単純アルカリ性イオン泉。
無色透明の温泉だ。
効能は以下のとおり。
神経痛、筋肉痛、冷え症、疲労回復、関節のこわばり、慢性消化器病、美肌効果等、痔疾、五十肩、うちみ、くじき。
隣接している和食レストランで、相模湾の獲れたての魚が安価な値段で食べられるので、湯上りに。
ゆとろ嵯峨沢の湯
神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1191
9:30~23:00(受付最終22:00)
木曜定休(2月・3月・8月は無休)
大人 --\1050
小人 --\500
─HP─
今から10年以上前、北海道の札幌で発端のスープカレーの噂を北海道在住の友人から幾ら聞かされても、いまひとつピンとこなかった。
友人は「とにかく北海道に来たら、一度でいいからマジックスパイスのスープカレーを食べてみて」と、事あるごとに絶賛して僕を説き伏せようとしていた。
思えば、その友人は俗に言う〝マジスパ中毒〟だったのだろう。
それほどまでに熱心な情熱のこもった説明だった。
熱狂的なファン、という感じのお誘いだった。
でも、カレーがスープ??、そんなことを想像しただけで、僕はなんだかなぁという気持ちに実はなった。
イクラがアイスとおんなじぐらいに頷けない何かがそこにはあった。
北海道は意味不明。
そんな感じで僕は〝カレーがスープな店〟についての諸処を心の何処かで片付けた。
10年ぐらい前の話である。
しかし、いまだったら、僕も友人の気持ちがわかる。
なぜならマジスパのカレーは本当に中毒性があるからだ。
僕も〝マジスパ中毒〟の末期ぐらいの症状になった。立派な患者だ。
若かりし頃の僕は何処に行っちゃったんだろう?
札幌だけに留まることを知らないマジスパは03年8月に東京の下北沢にお店をオープンした。
オープンして10日目ぐらいに来訪して以来、虜になっている。
東京のマジスパは下北沢にある。すずなり劇場の向かい側の細い坂を登ったあたりだ。
周りと全然調和が取れていない真っ赤な異様な建物があるから、すぐにそれと分かるだろう。
アンビエントミュージックが流れて、照明が赤く、店員が理解不能な言葉で会話しているカレー屋。
異端といわれようが、それがマジックスパイスである。
カレーはまさにスープ状。野菜や複雑なエキスが溶け込んでいるので、辛いだけではなく奥深い仕上がりになっている。ガツンと来る辛さ。目がパチクリして耳が遠くなる仕様。そして止められないクセになるスープ。
写真のカレーは天空の辛さ。
辛さのレベルは7段階に分かれている。覚醒が一番緩くて虚空が一番危ない。
辛いのが苦手な人(僕)でも何回か通えば辛味への耐性ができて、虚空まで到達できる。
でも虚空はものすごく危険だ。いきなりこれを食べると、本当にブッ飛ぶことになるだろう。
覚醒/瞑想/悶絶
Super Hotの違いを体験するMS特辛版入門。
辛さの違い、コク、キレを堪能。
涅槃/極楽
辛さと非凡さと刺激にこだわる超激辛に軽い目眩とMSカリーの真髄。
天空/虚空
新たな「辛世界」へのナチュラルトリップ。どなた様も虚空宇宙へと飛んでいただきます。
とHPには説明が記されている。
こちらはおまけ画像。
僕の鍵のキーホルダー。札幌のマジスパのやつ。実は結構レア物らしい。
北海道の友人がくれた物。
お奨めはチキンカレー。まるごとチキンが煮込んである。
そしてトッピングに納豆を追加で。
まずは入門編。辛いのが苦手な人は極楽あたりから始めると丁度いいかも。
で、納豆とマジスパのカレーは抜群の組み合わせだ。嘘じゃない。一度試してごらん。
マジックスパイス
世田谷区北沢1-40-15
火曜 水曜、定休
月~土11:30~15:00/17:30~23:00
日祝11:30~23:00
─HP─
四谷三丁目から徒歩数分の荒木町にあるフレンチレストラン「PAS A PAS(パザパ)」。
日本で馴染みのなかったプリフィックスのフレンチを始めた店として有名。
店は古い木造の建物で2階にあり、白いペンキが塗ってある窓越しとテーブルには赤いチェックのテーブルクロス。
開店当初から100フランで気軽にフレンチが食べられるとして、クチコミで東京在住のフランス人に噂が広まったほどである。
それぐらいカジュアルな雰囲気の、まさにパリの大衆食堂といった感じ。
実際に、かなりの確率で店内にはフランス人がいて、彼らが食べている光景はまるでパリの下町のよう。
ランチが 1575円、ディナーが2500円(それぞれにオードブル、メイン、デザートをメニューから選ぶ)。
※夜は店内の照明が落とされているので、写真がやや暗いのはご愛嬌でお許しを。
前菜には、お肉屋さんのオードブル盛り合わせをチョイス。
生ハムの程よい塩味とフランスパンの組み合わせが抜群。
サラミが油っぽくないけれどもコクがあり、噛むとジューシーなので感服。
メインは、鶏もも肉のキノコバターライス詰めをチョイス。
香ばしく焼きあがって、岩塩とスパイスが刷り込んである鶏はため息。
キノコとライスが詰め合わさっているので、ボリューム感がある。
バターライスに肉汁が染みて贅沢な感じだ。
付け合せのマッシュポテトが柔らかく、ちょっとした箸休め(箸使わないけどね)に丁度いい。
濃い目のソースが掛かっているので、ワインをぐいぐい呑んでしまう。
デザートは梨のタルト。
さっぱりした甘みのタルト。
洋ナシの香りがぷんぷん漂う。よく冷えているので、夏に食べたってベトベトしない。
食後の珈琲と一緒に。
肩を張らずにフレンチが食べられて、値段が手ごろで美味しい。
そしてまるで下町のパリの食堂のような雰囲気。
ぜひ、気軽な感じで。
パザパ(PAS A PAS)
新宿区舟町5番
12:00~15:00/18:00~23:00
日曜定休
ランチ --\1575
ディナー --\2500
=== === === ===
Lesson1 google
=== === === ===
もう周知の事実になって久しいようで、「googleで検索する」という意味の〝google〟が英辞書に登録されている。
過去形は〝googled〟、進行形は〝googling〟だから、規則変化動詞と同じ変化をする。
Googleの検索結果みたいに、〝gooogled〟とか〝gooooogling〟と〝o〟が増えつづける不規則変化動詞だったら憶えるのが面倒だけれども、検索結果っぽいので面白かっただろうと思う。
たとえば、仮定法過去完了「もし(あの時)・・・・してたら、・・・・だったのに」を使うと、こんな風になるように。
<例文>If Nightking had gooooooglen "Tongari-kun",
He could got Milk-chan.「もし夜王が〝とんがりくん〟をググっていたら、ミルクちゃんとウハウハできただろうに。」
*Nightking=夜王
例文でも登場したように、〝ググる〟というのは、日本語の動詞にもなっている。こちらは三省堂「デイリー 新語辞典」に登録されている。
ググるという活用を見ると、日本語では、ラ行五段活用のようである。
つまりは、未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形と並べるとこんな風になる。
ググラない、ググリます、ググル、ググルとき、ググレば、ググレ
ラ行五段活用なので、文語では四段活用になるので、こうやって憶えよう。
ググラず、ググリたり、ググル、ググルとき、ググレども、ググレ
では、ここで問題。
〝あたかも〟と〝ググる〟を用いて適切な日本語の例文を作成しなさい。
××
「たしか、そのアルバムはググるとあたかも」
○○
「彼はあたかもググるかの如く、座っているキャバ嬢を激しくチェックした」
では、今週も元気よく、とんがりましょう!
ガタカ【1997年 アメリカ】
監督:
アンドリュー・ニコル(Andrew Niccol)
音楽:
マイケル・ナイマン(Michael Nyman)
キャスト:
ヴィンセント --イーサン・ホーク(Ethan Hawke)
アイリーン --ユマ・サーマン(Uma Thurman)
ジェローム --ジュード・ロウ(Jude Law)
現在からさほど遠くないだろう近未来。
人類は出生の段階で、優れたDNAであるのか、そうでないのか差別されている。遺伝子的劣勢を持った者は生まれた時点で〝不適合者〟とされ、大した仕事に就けずに、トレイ掃除などをして一生を終える。
兄という立場にありながら〝不適合者〟に生まれ、遺伝子操作で生まれた〝適合者〟の弟に全ての能力で追い越されるヴィンセント。
宇宙飛行士に憧れるも、心臓疾患で寿命30年と決められた人生。
そのヴィンセントの前に最高の遺伝子を持ち合わせつつも、運命には恵まれなかった〝適合者〟のジェロームが登場し、ヴィンセントと契約を結び協力することによって、ヴィンセントは〝適合者〟に成りすますことができる。そして、優れた遺伝子を持つ者しか勤務が許されないガタカに潜入するが・・・。
*
*
イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウと、豪華な俳優陣が登場するSFヒューマンドラマ。
イーサン&ユマは、この作品がきっかけで結婚する(04年に離婚)。
また、当時はまだ無名だったジュード・ロウが、ハリウッドで一気に注目を浴びるきっかけになった作品としても有名。
SF映画というよりはヒューマンドラマに近い「ガタカ」は、派手なアクションやCGがあるわけではなく(むしろ皆無)、淡々と物語が進む静かな作品だ。
この映画を鑑賞した人の多くが恐らくは「美しい」と評価するように、静謐な雰囲気を兼ね備えた映画である。
不適合者として生まれつつも、決して諦めないヴィンセントのひたむきさと熱意と情熱。それはあまりにも巨大な壁に立ち向かう非力な動物のようであり、時には悲しい。
適合者ではあるが、宇宙飛行士にはなれないアイリーンを演じるユマ・サーマンが、まるでアンドロイドのような完璧な姿で登場し、ヴィンセントが何者なのか戸惑いつつも、彼に惹かれていく様子が描かれる。このあたりのラブストーリーも決して陳腐じゃないので必見。
また、最高の遺伝子を持ち合わせながらも不遇な運命を送る孤高の天才を演じるジュード・ロウの演技が素晴らしい。映画「A.I」でもそうだけど、ジュード・ロウは〝どこか人間離れした〟体温が低そうな役柄を演じるのに長けている。
〝不適合者〟であるヴィンセントを侮蔑せずに、むしろ彼の夢を託すように協力し合い、友情さえ芽生えているあたりが泣き所。
単なる努力すれば報われるというテーマではなく、何事も諦めてはいけないと、決して汗臭くなく爽やかに観客に伝えようとしている。
ラストの検査官が登場するあたりは名場面。彼が登場することで厚みが帯びる。
そして最後のジュード・ロウの演技は、きっと静かな感動を呼び起こすであろう。
スタイリッシュにテーマが深く、幾度となく鑑賞しても新しい発見がある映画だ。
SFヒューマン度★★★★★
FIFA2006のイタリア対フランスの決勝戦は、サッカー史上に残る衝撃的な退場劇があまりにも強烈過ぎたために、その部分だけクローズアップされてしまっては勿体無いシーンがわりとある。
僕にとってそのシーンは、アンリがゴール間際でDFを見事に捌いてゴール前にパスを出す場面と、後半でジダンが肩を負傷してピッチに声を掛ける場面だ。
後半5分を過ぎたところで、世界最高峰のFWと謳われるアンリがペナルティエリア手前からドリブルでDFを3人抜いてゴール前にパスを出したシーンは、日本時間では夜明けだっただけに目を覚ますのに十分な場面だった。ボールが足にくっついているみたいに次々とDFを切りかわす。あの瞬間、ゴール前にボールを出したアンリはまさに神がかった選手であった。
もうひとつは、後半の途中でジダンが肩を負傷して、フィールドに座りピッチに声を掛けるシーン。
この試合が引退試合である神の愛した選手の動向を、全世界のサッカーファンが注目していたと思う。
肩をどう痛めてしまったのか、世界がまさに固唾を飲んだ。
ピッチに何かフランス語で話すジダンの目はとっても透き通っていて、純粋そのものだった。
サッカー選手ってこんなに切ない目をするんだろうか、そんな風に思った。
この偉大な選手の試合が観られるのは、残りあと僅かなんだなんて考えると、どうしても感傷的にならざるをえなかった。
ましては、延長戦に起こってしまったヘディング事件なんて微塵たりとも予想できないのであった。
・ 馳 星周「不夜城」
騙す奴より騙される奴が悪い。
日本屈指の歓楽街・歌舞伎町、そこに潜むように存在している劉健一。台湾人と日本人のハーフ。
いまや歌舞伎町は中国マフィアが牛耳り、アジアンコネクションがものを言う世界。
半々(ばんばん=混血)となじられるも、その狭間で利権を求め、器用に蠢いていた健一のもとに友人の呉富春が現われる。それによって、健一自身の何かが狂い始めてきた。
*
*
最初に断っておくけれど、この作品は、どうしようもない連中しか出てこない。
近親相姦の関係にある呉富春とその妹。
生き残るためには血族や友人、そして恋人ですら裏切り、時には自らの手で殺めてゆく健一。
アンダーグラウンドにしか生きてゆけない、堕ち続け騙しあい嘘をつく登場人物たち。
誰かを信用することは命取り。
こんな小説に、いったい誰が共鳴できるんだろうか。
正直出てくる人物がどいつもこいつも吐き気を催す奴らばかりだ。
でも決して目が離せない。
まるで劉健一に、小説を読んでいる自分自身が裏切られたような既視感。
作者の馳星周の闇を覗くような小説だ。
読了後に歌舞伎町を歩くと、きっと今までと違う感情になるだろう。
恐らくは緊張することになる。
歌舞伎町にだけ漂う独特の空気の匂いを感じ取ることが出来るかもしれない。
暴力的で切なくて時にはエロティックな匂い。
金城武が主人公の映画「不夜城」、こちらも原作に劣らず良い出来である。ぜひ。
ファンの音が少々目立つという意見もありつつも、1万円前後でホームシアターを楽しめるということで、ネットでの評価も高いコチラを勢いに任せて買っちゃいました。
CP(コストパフォーマンス)は最高。
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が付いるんだもの、お買い得だよね。
Amazonでもすぐに売り切れちゃうので、「おっ、いいな」と思ったらポチっとなしたほうがよいかも。
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ニューデリーを基点とする多くのバックパッカーが、この街(というよりはメインバザール)に滞在するので、これから西に向かう者、東に向かう者の交差点や旅の情報の交換のエリアになっている。
そして、5月から7月にかけて、ニューデリーでは日中の気温が摂氏50度近くにまで上昇して、夜の最低気温でも35度ぐらいになるという、地獄の釜でも覗いたような猛暑に見舞われる。
僕は運悪くタフな時期のニューデリーに滞在していたことがあって─ちなみにニューデリーという街は、旅人にとって、2日も滞在すれば十分な場所だ─、そのときは文字通り蜃気楼が見えかけた。
しかもネパールからの帰路。存在するもの全てが鬱陶しいニューデリーに僕は帰ってきた。
後にも先にも当時のニューデリーを超える暑い日というのは、僕の中では見当たらない。
*
*
その日の気温は53度だった。
猛暑という表現を用いたが、果たして猛暑という言葉が適切なのか訝しいほどの暑さである。
いや、暑いのではない。正直、熱いのだ。炎熱地獄という感じ。
実際に、地獄だか天国に誘われちゃう輩もいて、まずこの時間に歩くのは自殺行為に等しい。
インド人ですら熱中症でパタパタと死んでいったりしている。
僕はクソ重たいバックパックを背負って歩いたわけだけれども、やはり瞬時に眩暈が訪れて、軽く死に掛けた。
歩く際、最初にしたことは、時計とピアスと指輪を外すことであった。
そうしないと必ず金属の部分で火傷をするからだ。
そして足元に気をつけること。
足元の地面がアスファルトである場合は、太陽光線で溶け始めている。
*
*
目当ての安宿に辿り着くまでに、ニューデリー駅の目の前がメインバザールであるのも関わらず、2回ほどチャイ屋で休憩をした。
太陽が一番真上にある昼ごろは、さすがのインド人も道を歩かないようにしている。
牛も木陰を見つけてしゃがんでしまっている。
駅を降りた瞬間に吹きつける熱風。
あまりのも熱風に包まれると人間という生き物は鳥肌が立つんだと知った。
チャイを飲んで日陰で休んでも頭がガンガンする。熱射で痛いのである。
*
*
さて、目当ての宿に着き、荷物を置くと、隣接している水シャワーの蛇口を捻ってお湯を出し切った。
温泉のようなお湯が出てきた。
もちろん給湯器ではない。本来なら水が出るはずである。
そしてそのあとにバケツに水を汲んでベットに掛けた。
水が気化するので、その冷却効果を狙って行動をするのだ。
夜に寝る時も同じだ。
寝る前に水浴びし、必ず拭かないで寝る。
そうしないと一生睡眠にはありつけない。
水でびしょ濡れになったベッドからはシュウシュウと不気味な音が鳴っている。
部屋は薄い霧に包まれて、快適に程遠いとはいえ、少しは落ち着ける。
気温にして40度くらいだ。
翌日にはベッドがカラカラに乾いている。ベランダに干したタオルも半夜で乾く。
*
*
50度を超えるニューデリーで旅をするには、昼間はなるべくじっとしてゲストハウスに居ることを心掛けることだ。
存在しているだけで体力を消耗する。
だからどれだけ暑かろうが、気を失うように夜は眠ることになる。
たまに無謀にも外に出ようとしたら「無茶するな」と宿の親父に制止された。
宿の親父も困ったように笑うだけだ。
日没になり、真っ赤な太陽が沈みかけた時に、ようやく動ける。
インド人も牛も、夜になってから、モソモソと何処かに向かうのだ。
こんな風にして僕はバンコクに向かう飛行機を待つ数日間、幾度目とも分からない(でも今回が一番タフな)ニューデリーの日々を過ごした。
マルコヴィッチの穴【1999年 アメリカ】
監督:
スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)
脚本:
チャーリー・カウフマン(Charlie Kaufman)
キャスト:
クレイグ --ジョン・キューザック(John Cusack)
ロッティ --キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)
マキシン --キャサリン・キーナー(Catherine Keener)
レスター博士 --オーソン・ビーン(Orson Bean)
ジョン・マルコヴィッチ --ジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich)
カメオ出演:
ショーン・ペーン(SeanPenn)
ブラッド・ピット(Brad Pitt)
ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)
人形遣いのクレイグは、腕は確かなのだが、お客の心を掴めない劇ばかりを上演して、不遇な日々を過ごしている。そんなこんなで、妻のロッティの困惑もあり、就職活動を始める。
そこで彼は、手先が細やかな人を募集しているというファイル整理係の求人を発見し、7階と8階の間にある、7と1/2階の奇妙なフロアで仕事を始める。
そして、妻がいながらも同じフロアの別会社に勤めるマキシンに次第に心を奪われるクレイグ。
そんなある日、1枚のファイルを落としたクレイグは書庫を移動させる。
そこにはなぜか木製の扉があった。木製の古めかしい謎の扉。
恐る恐るその扉の向こうにある穴に進むと、なんとそれは俳優ジョン・マルコヴィッチに繋がっている穴だった。マルコヴィッチの中に侵入できる穴なのだ。
15分間だけマルコヴィッチになれるその穴を早速と商売にしてしまうクレイグとマキシン。やがてその穴がマルコヴィッチ本人に見つかり、マルコヴィッチ自身に繋がっている穴に本人が入ることに・・・。
*
*
ビースティ・ボーイズの“サボタージュ”のミュージック・クリップを手がけ、MTVやCMの映像業界で常に話題を振りまいていた スパイク・ジョーンズ初監督作品。
まるでカフカの「変身」のごときの世界。ある朝、蟲になっているわけじゃない。ある穴を通じると15分間だけジョン・マルコヴィッチになっているのだ。
まず最初に思ったのは「よくこんな話を思いついて、そして映画にしたな」という点。
中途半端に科学を振りかざしたり、コンピューターやハイテクを映画に散りばめると、現実との齟齬が起きて、「あそこのシーンは矛盾している」とか「科学的見地からしておかしい」と、多くのSF映画は非難を浴びるわけだけれども、この「マルコヴィッチの穴」は、そんな非難なんかを受け付けない強力な圧倒感を持っている。
どれだけ科学が発展しようとも、この映画の世界観に近づくことはきっとないはず。
なぜならオフィス街にあるビルのフロアの壁についている穴が、俳優の脳みそに繋がっていてる「マルコヴィッチの穴」は絶対に〝超ありえねぇー〟映画だから。
ギャグ映画で終わると思いきや、人間臭くエゴイスト丸出しの人形遣いクレイグが絡むことで、ブラックなドロドロした映画に仕立て上げられているのが秀逸。
終わりまで目を離すことができない展開。
そして、クレイグの妻ロッティ演じるキャメロン・ディアスは、不細工すぎて本人かどうかなかなか気が付かないぐらいの演技を披露。男から見てダメで洗脳されやすいナチュラル厄介女っぷりだ。
でもやっぱり、最もウケるのはジョン・マルコヴィッチのハリウッド仲間役として出演しているチャーリー・シーンの場面と、マルコヴィッチ自身がマルコヴィッチの穴に入った場面だ。
チャーリーは中盤とラストに出演しているのだが、そのラストの滑稽な姿は見もの。
よくぞこの映画の出演を引き受けたなという体当たりのギャグぶり。
それは、まあ、ジョン・マルコヴィッチ自身にも言えるのだけれども。
マルコヴィッチ度★★★★★
宇宙。
宇宙ってなんだろう。
時々そんなことを考えることがある。
宇宙で、最初の、感情を持ち笑うことが出来る生命体が僕らだとしたら、宇宙の拡がりはとっても孤独だ。地球人だけが宇宙に存在するという考え。
それとも、僕らとまだ見ぬ宇宙に散らばる生命体は、ただ離れたところにお互いが漂っていて、たまたま出会っていないだけ。
*
*
かつて、映画「2001年宇宙の旅」において、コンピューターHALは人間への企てを立てた。
キューブリックが誤りを犯したとするならば、それは彼が未来に幾ばくか期待を寄せすぎたという点。
映画上でデビッドがスター・チャイルドになった西暦を過ぎたし(今はもう2006年だ)、科学がまだ追いついていないとしても、我々は宇宙に近づいている。
きっとそこには何かがある。
そして、僕は宇宙を考える時に、どうしてか谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」を想い出す。
人類は小さな球の上で眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする火星人は小さな球の上で
何をしているか 僕は知らない
(或いはネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ万有引力とはひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなもとめ合う宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした(「二十億光年の孤独」より)
二十億光年へのちょっとした始まり。
http://jvsc.jst.go.jp/universe/planet/
知人が勤務している会社の製作したWeb。
できたらPCの音量をONで。
僕の周りにはチラホラとキャバ嬢とかホステスが居て、わりと賑やかだったりするのに、自分ではそんなには夜のお店には遊びに行ったことがない。
友達が〝どうしても奢りたいから一緒に行こう〟と誘ってくれたから行くのであって、決してお金が惜しいわけじゃないけれど、自腹を投じてまで遊んだことはない。
なんていうか、気兼ねしちゃうのだ。
西日本でラウンジ、東日本でキャバクラと呼ばれる店は、入店すると女の子が一人附くシステム、タイミングによっては希望の女の子を選べたり選べなかったりする。
僕の知り合いの夜王は、キャバクラに行くと、自分が気に入らない女の子が座るや否やチェンジをする強硬派で(本人は、こぶ平と安田大サーカスを足して2で割ったような容姿)、必ず自分の附けたい子に接客をさせる。
僕はというと、彼のようにチェンジというのが一生懸命働いている子に対してどうしても申し訳ない気持ちになって(というかそこまで鬼になれない)、最初に附いた子とお話をする。
でも別に嫌々ということでもなく、附く子に執着がないだけだ。
それにキャバクラといっても、大したお遊びじゃないわけだから、カラオケしたり適当な身の上話をする程度だ。
僕は煙草は吸わないカラオケはしないと、いささかキャバ嬢が仕事がしにくい客なので、彼みたいにガサツになれずにどうしてもキャバ嬢に気を使ってしまう。
たぶん、こういう遊びには性格的に向き不向きがあるのだろう。
接客しているキャバ嬢が大変そうだなぁなんて考えちゃうので、ネクタイを鉢巻がわりにして結んで、頬っぺたに口紅で渦巻きを描き、キャバ嬢の胸元にお札をねじりこんで笑う友人を見ていると、いつも羨ましいなあと思う。
*
*
北九州で仕事をしていた時期、会社の夜王たちにお誘いを戴いて、仕方なしに〝場の流れ〟で夜の街に遊びに行ったことがある。
夜王たちは、会社の部署を立ち上げに腕を見込まれて、東京から九州まで働きに来た勇者だったので、夜のほうの立ち上げも決して怠ることのないプロフェッショナルな人たちだった。
僕はもう少し観光地とかご当地グルメとかを堪能したいという、彼らからしてみれば完全にアマチュアで、夜の羽を伸ばしたい性格じゃなかったから興味も薄かったけれど、これもひとつの経験かなと思い、一緒に参加した。
まるで地元のように既に街の俯瞰図を熟知して、「夜の歩き方~北九州編~」を完全に自分のモノにした夜王が選ぶ店はさすがにすごかった。
〝とんがりくん〟というお店は小倉の古船場にあって、40分7千円で女の子を膝に乗っけて遊ぶ店だった。
僕は毎朝その店の前を通って通勤していたのに初めて存在に気がついた。
女の子は4人登場する。つまり一人10分間、膝に乗っかるのだ。
乗っかっている間はあんなことこんなことが出来る。
どうしてか店内にはテンポの速いパラパラ系テクノが爆音で流れていて、パチンコ屋のように店員がマイクであれこれと鼓舞していた。
店にいるのはその名に恥じない〝とんがっちゃった〟お客さんばかりだった。
*
*
離れて座ればいいものの、何故か威嚇しあうように狭いテーブルを挟んで座る夜王達だった。
何の躊躇もなくオプションの〝制服コース〟に入会し、みるくちゃんと自称する女の子にパンクラスの選手のごとく耳を攻められる夜王。
夜王の口元がだらしなく笑っている。
今日、会社で見た死んだ魚のような顔はいったいいずこ?
みるくちゃんの目はすっかり獲物を狙うハンターの目。いつ殺ったってかまわない人の目だ。
しかも制服!
絶対そんな高校ねぇよという奇抜なデザイン。
制服着せるとプラス2000円。どうせ脱がすのに2000円!
夜王に不景気という文字は見当たらない。
夜王にとって2000円はどうでもいいこと!
なんだか妙に東京が遠くに感じた夜だった。
PSYBABA.NET reccomends 5 potions in this month are
1.Billy BanBan - 今は、このまま (ユニバーサル)
2.Galaxy Madness - Parvati Cream (Parvati)
3.Kindzadza & Kaliflower - Viva Tempo (Parvati)
4.Entheogenic - Golden Cap (ChillCode)
5.Adham Shaikh - Guru Sambhu Dada (Interchill)
恐らくは、女子の85%は知らないだろうけれど、男子のライフスタイルにおいて、どのくらい人生をスイートに過ごせるのか、それともスパイシーに溢れた苦難の道を歩むのかというのは、実は〝大事な瞬間にどれくらい収まりのいいチンポジでやり過ごせたか〟で決定される。
入学試験、会社の面接、一目ぼれした女子との初デート。
このように、人生には時として大事な場面が用意されており、男子ならずとも、その場面ごとに上手にクリアすることを求められていて、人もまたそのクリアを求める。
そして、そういった大事な瞬間に〝非常に収まりの悪いチンポジ〟だと、男子という種類の人間は、恐ろしいくらい実力を発揮できずに、モヤっとしたまま大した仕事もなしに、尻すぼみに終わってしまう哀しい種族なのである。
有史以来のほとんどの歴史は、男子のチンポジの後始末で戦争にもなったし、平和にもなったというのは決して過言ではない。
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ところで、「チンポジってなあに?」とカマトトちゃんな女子に念のために説明すると、チンポジというのは、そのままずばり、チン○ポジションのこと。
猫が寝心地のいい住処を探すように、我々のロトの剣もツンパーの中で安息の地を求めて、いろいろとさ迷うのである。
さて、そのロトの剣、ひとたび、さ迷い間違えると、もう大変である。
仙豆を食べていない腹ペコの悟空だって、あれほど弱っていないだろうと思うぐらい、ピヨピヨでグロッキー。
何にも上手いことも言えず考えられずに、アタマの中はポジションのことだらけ。
どのタイミングでどうやって軌道修正しようか、それだけが脳裏をめぐる。
大事な場面でチン○のことに悩殺されている男子が、果たして試験に合格できるだろうか。
言わずもがなである。
それだけチンポジというのは、男子にとって最重要であり、物事が進む前に解決しておきたい問題である。
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そんな話をとある女子に話したら、「私達だって、パイポジがあるわよ」と一刀両断された。
女子もパイのポジション加減で、生活レベルにおいてモヤっとしたり、バシっとしたりしているそうである。
そうだったのか。僕は知らなかった。
女子もポジション問題を抱えていたんだ。
ひとつ利口になった気がした。
浅草の浅草寺の裏手には、もつ焼き通りや花やしき、かつては六区と呼ばれた下町が賑わいをみせている。
その花やしき近くにあるのが、この「浅草観音温泉」。
創業は昭和32年というだけあって、建物自体が昭和の風情をたっぷりと残していて、まるで寅さんが現れても不思議じゃないような松竹映画の雰囲気である。
板張りの脱衣所に続く廊下は板一枚の敷居があり、そこで初めて男女が区別されるというシンプルな内容。
ちなみに男子の脱衣所は裏通りから丸見え。抜け道にと通る地元の諸氏から見られる確率は大きい。
「地下3000尺からの天然温泉、湧出量1日8000石」というのがここのキャッチコピー。露天風呂はなく、内風呂だけの温泉だ。
泉質は重曹泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉)で、無色透明。
神経痛、冷え性に効果があるというだけあって、その保温性は抜群。
地元に密着した古き良き銭湯といった風情。
ゆったりと足を伸ばして浸かっていれば、誰かの下駄の音が聞こえてくるだろう。
浅草観音温泉
台東区浅草2-7-26
06:30~18:00
大人 --\700
小人 --\300
貸しタオル --\50(預け賃100円。返却時に返金)
石鹸(小) --\40
当初は10日ぐらいの期間だけ滞在し、その後は北上するつもりだったのが、結局ずるずると40日以上の滞在となり、僕の学生時代のうちの5番目ぐらいに酷い退廃的な日々を過ごすこととなった。
40日のあいだに、僕の体重は47キロに落ちて、意識不明で病院に数回運ばれて、家宅捜査を2回受けて、年上の知り合いが3人自殺して、1人は精神病院に運ばれた。
滞在した場所はサウスアンンジュナと呼ばれるビーチから少し離れた森の中で、道路も舗装されていないエリアに位置する家に住んだ。
井戸水と蝋燭で生活し、椰子の木と椰子の木の間をバイクで潜り抜けないと辿り着けない場所だ。
日本で囀っているのを聞いた覚えのない音色をハミングする野鳥の声で囲まれた家は、2階建てで、夜になると闇に包まれて、オーナーはルーシーというインド人だった。
ルーシーは熱心なクリスチャンだったから、行動ひとつとっても自愛に満ち溢れていて、いま思い起こしても、まさに聖女に相応しい女性だった。
摂氏35度以上のあるのに「寒い」と錯乱して訴える僕を数え切れないくらい介抱してくれた。
で、僕が住んでいたのはルーシー宅の2階なのだが、これが腰の高さぐらいまでしか塀がないので、半分ベランダみたいな家だった。
「時々、猿が遊びに来ちゃうから大事なものは鍵を掛けてちょうだいね」とルーシーは事あることに僕に言った。
それに、ルーシー宅では、時々出没する猿だけではなく、犬と猫と豚がいた。
犬は何匹かいて、全部ジョビと呼ばれていて、隙を見て家に入ろうとする犬を「ジョビアウト!」と怒ってルーシーは追い出していた。
猫はプッシーという雑種の猫だった。
豚は何て呼ばれていたのか知らない。
このあたりでは、豚はトイレの裏にいるもので、つまりはトイレといっても穴があるだけで、そこで用を足すと、外にボチャンとなって、そのボチャンとなったアレを豚が食べる仕組みになっている。
この豚については面白い話が幾つもあるのだけれど、話すたびに寒い空気が漂うので、最近は控えている。
でも、ちょこっとだけ。
どんな様子か想像してほしい。。
用を足そうという時に、ズボンを脱いでケツをだす。穴からブツを急かしている豚の鼻息は、最新式トイレの温風装置の比なんてもんではない。小汚い穴倉から覗く大きな黒い豚の鼻。ブヒョウ、ブヒョウと鼻息が当たる。周りでは蝿がたくさん飛んでいる。ビチャビチャと下のほうで豚が啜る音。なんともいえない感触。
さて、こんな風に動物と人間がごっちゃになっているゴアの住まいには、やはり恐ろしいぐらい害虫がいた。
ルーシーに追い出されるジョビは、いつも2階に隠れて我が家でゴロゴロしていたし、プッシーもニャアニャア鳴いて2階で涼んでいた。
そういうわけだから2階の部屋は、この動物達が運ぶ蚤だらけで、潰しても潰してもわらわらと沸いてくる始末だった。
手も足も蚤に刺されて毎日を過ごした。あまりにも痒くて気が狂いそうになったので、バイクで街にある薬局を訊ねた。
「家に蚤がたくさん発生してしまって、退治ができないので、薬をもらえませんか。あとそれと、痒み止めの薬も」
インドの薬局は薬事基準が日本と異なるから、日本で売られていないような薬品がたくさん置いてある。
薬局のおじさんは、いかにも薬品を取り扱うという風情の顎鬚を生やしていて、フムと言うと、ピンク色の液体入っている瓶と、粗雑な紙で仕上がっている箱に入った粉末を出した。
ピンク色の液体は痒み止めだという。
タイにも似たような薬品があったので、なんとなく使い方がわかった。
蓋を開けて匂いを嗅ぐとツンと酸味の帯びた匂いがした。
「朝晩にこれを塗りなさい」とおじさんは言った。
「で、これで蚤を退治しなさい。これはDDTだ」と言った。
DDT?いまDDTって言ったよね。
僕は一緒に薬局を訪れた連中に言った。
DDTは、たしか社会の教科書で読んだことがある。
戦後間もない頃に、頭に虱がたかった学童にマスクをして白衣を着た医者が粉を吹き付けているモノクロ写真だ。たしか僕の記憶によれば日本では禁止されていたはずだ。
「DDTって使ってもいいんですか?」
僕がそう尋ねるとおじさんは質問の意味が分からないという仕草でYesとインド風に頭を揺すって答えた。
*
*
最近、僕はDDTについてWebで調べた。
DDTは安価に合成できて少量で殺虫作用を持つ薬品で、蚊や虱といった黄熱病、チフス、マラリア等の病原体を感染させる昆虫を殺虫するのに効果を発揮すると書いてあった。
発癌性が疑われたのだが、最近の研究では発癌性そのものに否定があるらしい。それがDDTだ。
当時、インドに居た時はインターネットもあるわけではないので、DDTをまるで呼び戻された悪夢を見るような目つきで見てしまった。
小麦粉と片栗粉の中間みたいな白い無臭の粉で、床にバラバラとばら撒くだけで、
このDDTは想像を凌駕する効果を発揮した。
床に撒いて放置すること1時間。
たったの1時間で、大量の蚤と見た事のない昆虫の死骸が地面に山盛りになった。
そしてしばらく僕らは、咳が止まらない独特の薄気味悪い症状に見舞われ続けた。
フランスとイタリアがFIFA2006の決勝戦に駒を進めた。
フランス代表のジダンは、大会前に「残り7試合で私はキャリアを終える」と宣言していて、実際にその通りとなった。
準決勝ポルトガル戦でジダンが放ったPKが勝利へと導き、後半、若き天才、C・ロナルドが幾度となく叫んだ。
チャンスはたしかにあった。
それでも勝利の女神が微笑んだのはフランスだ。
試合終了後、フィーゴとジダンがユニフォームを交換した。アナウンサーが伝えたように、とても良いシーン。
涙が出そうになった。
さて、いよいよ今大会は決勝戦を迎える(3位決定戦も残っている)。
以前にも書いたわけだが、僕の手元にはモンテカルロで購入したフランスの〝勝蹴投票券〟が20ドル分ある。
掛率は7倍。
元金が戻るのでフランスが勝てば160ドルになる。
そして嘘みたいな話だけれども、友人の手元にはイタリアの〝勝蹴投票券〟が50ドル分ある。
掛率はこちらも同じく7倍。
50ドル×7倍+50ドルで、イタリアが優勝すれば400ドルになる。
つまりはどちらが勝っても我々はどんちゃん騒ぎなのだ。
それにしても僕の友人のギャンブルの嗅覚というのは素晴らしい。
万馬券を涼しい顔で当てたりと独特の吸引力を持っている。
僕だったら、ブラジルとアルゼンチンに賭けて散財していただろうと思う。
こういうのを才能と呼ぶのかもしれない。
噂の高額アルバイトとまでいかないアルバイトを、中学2年生の2学期頃~中学3年の初春まで続けたことがある。
地元にある雀荘でのアルバイトで、雀荘で使うお絞りをコインランドリーに持っていて洗濯して畳んだり、雀荘で出されるおつまみ(胡瓜と缶詰のツナを混ぜてマヨネーズで和えたもの)を作りつつ、灰皿を片付けたりするアルバイトだ。
雀荘のマスターは、北斗の拳の第1巻に登場する「息をするのもめんどくせぇ」と台詞を吐いた血を見ると逆上する巨漢のハート様そっくりの容貌で、金銭がらみの問題を起こして関西から夜逃げしてきたホモだった。
在りし日のマスターにそっくりと謳われていたハート様。
巨体に馴染まないソプラノ歌手みたいなカン高い声で「ね、いいでしょ、いいでしょ」と囁くのが口癖だった。
自転車を漕いだりして雀荘の前を通った時にスカウトされて、いま思えば、完全に僕の身体を狙っていたとしかいいようがない素振りだったわけだけれど、まあ、いざとなればどうにかなるでしょと楽観した気持ちで引き受けた。
給料は当時としても結構の破格で、夕方の4時くらいから9時くらいまで仕事をして1万円。
恐らくは1万円の内訳として、マスター希望の〝僕の大事な春〟が含まれていたに違いないと今も思っている。
結局のところ、彼の思惑は残念ながら果てせず、とうとう、僕の身体は安全だったわけだけど。
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仕事は週に2回だった。つまり月間で換算すると8万ぐらいの収入。
中学生のアルバイトにしてみれば悪くない。
バブル全盛期ならではのお話だ。
夕方4時に雀荘の扉を叩くと、夏でもないのに大量の汗をかいているマスターが僕を出迎えてくれる。
僕はアルバイトにも関わらずチヤホヤされた待遇で「ね、ね、とりあえずコーラでも飲む?」と、大地賛頌を歌うとしたら、たぶん2つぐらい離れたパートなんだろうなという声域で毎回訊かれた。
コーラに睡眠薬でも混入していたらどうしようと、ビールジョッキに注がれた黒い液体を見れば見るほど、毎度ながらに疑心暗鬼になって、いつも飲むのを迷った。
でもさすがにそこまではしないようだった。
それよりも中学生とはいえ、ビールジョッキに丸々注がれたコーラを飲むほうが大変だった。
だいたいにして、この人は全ての事柄がアメリカンというか、大雑把な趣があった人で、生活全般から人生に至るまで、おおよそどんぶり勘定だった。
ハンバーガーが食べたいと告げると、駅前にあるファーストフード(サンテ・オレ)でコロッケバーガーを13個買ってくるのを普通と思うタイプの性格だった。
だから僕の仕事はまずジョッキコーラを飲むところからスタートした。
さて、それが飲み終わると、ゴミ袋2つに収まった山盛りのお絞りを自転車で3分のところにあるコインランドリーに持っていて、洗濯する。
そして洗濯が終わったら、そのまま乾燥機にブチ込んで乾かす。
待っている間はコインランドリーにおいてある漫画を読んで時間を潰す。
それを雀荘に持ち帰って畳むのだ。
量こそは多いとはいえ、テレビを観ながら片付ければいいので楽チンだった。
で、18時くらいになるとマスターが出前を頼む。もちろん僕の分も頼んでくれる。
道の向かい側にある蕎麦屋さんの出前で、ラーメンとかカツ丼とか、ざるそばとかを注文して食べた。
この時も「ね、ね、ビール飲む?」って毎回聞かれたけれど、いつも「いや、いらない」と答えて、ジョッキに注がれたコーラを飲んだ。
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*
19時くらいになるとお客さんがチラホラ集まるので、おつまみを作った。
しかもものすごい適当に。
「あの子たちは、ホラ、味なんて分かりはしないのよ」とマスターは薄笑いを浮かべて僕に説明した。
このような仕事を僕はどうしてか中学3年の4月まで続けていたのだ。
マスターも愛嬌があって面白くて、一般社会においては早々出会わないような人物だった。
僕はこのマスターから10年ぐらいは枯渇しないぐらいの彼の人生の武勇伝的な面白ネタを教えてもらったし、ホモであっても別に嫌悪感は抱かなかった。
ただ、唯一仕事中で辛いのは、雀荘に立ち込める煙草の煙だった。
もう煙たいなんていうレベルじゃない。
異臭騒ぎと疑われても仕方ないくらいモウモウとしていた。
駄菓子屋で売っていた10円の煙玉を部屋で燃やすと、きっとあの雀荘みたいになるのだろう。
僕は煙草の煙で毎度涙腺を刺激されて、涙を流していた。
それ以外は本当に至れり尽くせりだった。
ご飯もご馳走になってコーラも飲み放題、洗濯畳んで、胡瓜をスライスして一丁上がり。
結局、中学3年に辞めたのも高校受験を控えていたからだ。
それに嫌悪感がないとはいえ、同性愛の世界は十分だった。
そしてヘテロセクシュアルの日常生活に戻った。
だがしかし、僕が十分とは思うのと裏腹に、僕はそのあと中学3年生で同級生(♂:オス)から告白を受ける。これは僕にトラウマを与えた。
どうしてなのだろうか、当時の僕は男からモテたのだ。まったくもって嬉しくとも何ともない能力である。
それにしても、中学生の多感な時期にあれだけアプローチされて、今に至るまでに道を誤らないでよかったと心の底から思う。一歩間違えていたら僕はふんどし一丁で角刈りだったのかもしれない(←だいぶ偏見)
学生時代お決まりの〝噂の高額アルバイト〟といえば、「病院での死体洗い」と「バキュームーカーの掃除」と「新薬の人体実験」が、いまも昔も御三家。
病院での死体洗いは○○部のなんとか先輩がしたことあるらしいとか、ホニャララの友達経由で紹介しているらしいとか、噂が立つのに、実際のところ、その友達とかなんとか先輩には誰も会ったことがなくて、真偽の程は確かめようがなかった。
まるで都市伝説みたいな現象だ。
一説によると戦後間もない頃には実際に存在していたアルバイトらしいけれど、現在では過去の栄光だけが生き残って、実態については誰も知らない仕事らしい。
村上龍の短編小説でも、病院での死体洗いのアルバイトはモチーフとして描かれていて、70年代初頭の頃にすでに眉に唾をつける仕事であったようだからなおさらだ。
2つ目のバキュームカーについては、23区内では需要すらなさそうな始末だった。
なにせ下水道の水洗率が100%なわけだから、当然といえば当然な結果だった。
排泄物のきわどい加減から発生したアルバイトなのだろうか。
このアルバイトもいまだに経験したという諸氏に出会ったことがない。
3つ目の新薬の人体実験も、高額アルバイトの噂としては定番になるアルバイトで、僕自身もないと信じていたけれど、実はこのアルバイトは存在する。
もちろんアルバイトニュースなどで大々的に広告媒体を通じて募集しているわけではなく、口コミで募集しているバイトだ。
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僕の場合はこうである。
ある日の午後、大学1年の夏休み前の経済学概論の授業中、先日の合コンで飲みすぎたせいで、僕がうつぶせになって居眠りをしていたら、後ろの席の同じ学科の生徒が肩を叩いてきた。
「ねぇ、ねぇ、ちょっと起きてる?ko君ってバイトしてたっけ?シンヤクのバイトがあるんだけどさ、やんない?」
当時、長髪だった僕は就業できるアルバイトの業種が非常に限られていて、ほとんど日雇いのアルバイトしかしていなかった。
僕は同級生の声で夢の中から呼び戻された。
眠い瞼をこすって、いましがた同級生から言われたことを反芻した。
「信也君のバイト?誰それ」
信也というハウスDJをしている同級生がいたので、そいつ絡みのアルバイトなのかと思ったのだ。
ただ、大学1年当時では、まだ仲良くなかったので、訝しく思った。
「ち、違うよ。新薬だって。新薬。クスリの人体実験のバイトだよ。なーんもしないで寝ているだけで10万ぐらい貰えるよ。漫画読み放題。ゲームし放題。ねぇ、一緒にやろうよ」
同級生が満面の笑みで僕を誘った。彼の笑顔が天使に見えた。
「ちょっと、それ詳しく教えてよ」
こうして僕の新薬実験のアルバイトは始まった。
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実際には新薬の実験には幾つかの条件があった。
まずは身内に薬剤会社とか医者とか〝医〟に関する職業の者がいないこと、そして新薬のアルバイトについては誰にも口外しないこと。
投薬の影響で身体に異常があっても責任は被験者にあることを了承すること、最後に被験者の身体能力が健康であること。
要するに暗黙のうちに問題を起こさないように実験を行いたいというのが当局の狙いのようである。
厚生省だか何処かの認可を通すための最終的な実験であるために、サンプルとしての被験者の健康状態にもうるさかった。
僕は親族に医者が居るのと、身長の割には体重が少なすぎる(当時52キロ程度)というのが、不都合な条件だった。
同じ学科の斉藤君は、同じくらい体重が低すぎて、投薬が認められなかったくらいだ。
彼は登録するだけで貰える3千円を手にしてこの仕事から去った。
僕はしょぼしょぼの3千円組になるのは避けたかった。
泣く泣く体事にありつけないことも考えられたので、身体測定の日には鉄アレイをポケットに忍ばせることを考えた。
斉藤君から体重測定はズボンを穿いたままであると事前に情報を入手していたのだ。
そうすれば57キロくらいには変貌できる。準備はOKだ。
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翌日、学校の公衆電話から、山手線XXX駅にある登録センターに電話をした。
プルルルゥ・・・。
なぜだかしらないけれど異常に緊張した。
カチャリッ。
「あ、あの~。新薬のアルバイトをお願いしたいですが・・」僕がそう言うと、予想していたよりも明るいノリの声で─そう、それはまるで八百屋さんみたいだった─応対してきた。
出たのは若い男性の声だった。お堅いおっさんが出るもんだと思っていたので面食らった。
「はいはい、アルバイトですね。どうぞどうぞ。たくさんありますよ。いまならねぇ、そうそう、ジョウチュウがあるねぇ、ジョウチュウしちゃう?ジョウチュウはお金がいいよー、僕ちゃんもするかい」
ものすごく早い展開で久しぶりに僕ちゃんと言われた。
そして、この人の言うジョウチュウってのがさっぱり意味が分からなかったけれど、その高額そうなお金の香りにまんまと釣られた。
きっと、ジョウチュウというのは特権階級だけに許される所業なのだろう。
それとも僕の声を見込んでの勧誘か。恐らくは両方だ。僕は運がいい。
きっぱりくっきり僕は答えた。
「はい、僕ちゃんジョウチュウします」
「あら、ほんと?嬉しいねぇ。ジョウチュウは募集してもなかなか集まらないから有り難いよ。それじゃあ、場所は分かるかな」
人が集まらないという彼のセリフに激しく反応し、いささか不安になった。
「す、すみません、あの、その、ちょっとよく分からないんですけど、ジョウチュウってなんですか」
「あれ?知らなかったの?紹介してくれた友達から聞いてないかな。ジョウチュウって静脈注射のことだよ」
僕は丁寧にお断りをして、もっと軽めの仕事を紹介してもらい、登録センターの予約をした。
*
*
登録センターは山手線のXXX駅から徒歩10分程度の閑静な住宅街のはずれにあった。
目立たない建物で、一見、何をしているビルなのかさっぱり掴めなかった。
仕込み作業が万全だった鉄アレイは効果を発揮し、僕は体重制限をクリアした。
静脈注射は勘弁だったので、軽い新薬ということで、痒み止めのパッチテストを紹介してもらった。
5日間くらいの軟禁で、腕に薬を塗ったパッチを貼って様子をみるというのが内容だ。
かぶれたりしないかを確かめるらしい。
所謂ジェネリック製品だったので、安心というのがその触れ込みだ。
内服液とかも辛そうだし、パッチテスト程度で助かった。
*
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実験は場所を移動し、丸の内線のXXX駅近くの病院で行なった。
病院の裏手にはプレハブ小屋があって、はい、ここで皆さんは寝泊りしますと、無愛想な看護婦が説明をし、当局は責任を持ちませんということが延々と書かれている承諾書にサインをさせられて、変なガウンを着せられた。
荷物は別の場所に預けられた。
プレハブ小屋には、同じような大学生が数人、それにプロデビューを目指しているという時代錯誤ないでたちのバンドマンが数人いた。
仕事内容は、ほんとうにまるでなかった。だらだらと喋ってゲームしたり全巻そろっている〝こち亀〟を片っ端から読んだりしてだらしなく笑っているだけだった。
他の連中も同じくらい脳が足りなそうな連中だったので、べつに友達になろうとも思わなかった。
そのほうが気が楽だし、一緒に参加した友達と寝転んでいるだけで十分だ。
ただ、日に2回ほどある血液を抜く注射が厄介なのと、出されるご飯の量が少なくて腹が減りすぎたのが難点だった。それでも後半になると、パッチを貼っているのすら忘れた。
結局、僕は5日間ボケーとしていただけで、10万近く手に入れることが出来た。
人間がダメになりそうな仕事のひとつを19歳で僕は経験したことになる。
なお、斉藤君は僕と同じ手段を使って、後日、再登録し、ジョウチュウの仕事をした。
血糖値を無理やり上げる実験だ。
彼は20万以上のお金を手にしたけれど、血糖値が正常に戻るのには実験終了してから1ヶ月以上もかかった。
「もう、ジョウチュウはやばいね」彼は目を細めて、そう述懐した。
これが噂の新薬実験である。
昭和34年に北九州八幡西区で開業した「唐そば」は、98年の雑誌ランキングで北九州エリアで1位になった歴史を持つ老舗の有名店だ。
親父さんから息子さんに代替わりをしたのを契機に黒崎にあった本店は店じまいをして、99年に東京に進出。
そして、ついに、東京でも本店に続き支店が出来た。
東急ハンズの裏手を登り、バックドロップのちょっと先だ。
写真はラーメン(600円)。
もやし、ネギ、きくらげ、焼き豚という北九州ラーメンばっちりのトッピング。
焼き豚は味付けを濃くしてある様子はなく、ほどほどの脂身で、シンプルに煮込んだ味。
麺はそれほど細くない。少しムチっとした感があり、自家製麺を使用。
スープは醤油だれ系のとんこつ。
とんこつ自体は濃くないので、九州ラーメンにしては、やや太い麺との相性がよい。
そして、濃くないからといって味が薄いとは限らないのだ。それを教えてくれるのが「唐そば」である。
きっと北九州だったら、ぶらっと立ち寄って食べる感じで丁度よいのだろう。
でも、ここは東京だ。ぶらっと立ち寄ろうにも立ち寄ることができる北九州ラーメンの店がない。
だから渋谷まで出向いて食べるのだ。そういった意味で貴重な店である。
唐そば(公園通り店)
渋谷区宇田川町14-14
11:00~23:00
ラーメン --\600
大盛りラーメン --\750
おにぎり --\100
ゆで卵 --\50