2005年09月30日

Aphorism [犬養裕美子]

「『おいしい』という言葉を使わずに、おいしさを伝えなさい」。
私が食べ物や、お店の紹介記事を書き始めた頃、最初に先輩から言われたことである。


犬養裕美子『「タヌキの丸かじり」(東海林さだお著)解説』(フードライター)

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映画覚書

来ました、来ました、コレ。

原作:
フィリップ・K・ディック「暗闇のスキャナー」

脚本監督:
リチャード・リンクレーター from「ウェイキング・ライフ」

プロデューサー:
ジョージ・クルーニー、スティーブン・ソダーバーグ

キャスト:
キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダー、ロバート・ダウニーJr.、ウッディ・ハレルソン など

公式サイトはまだないけど、イカしてイカれているぜ。これはぜひぜひ。

http://movies.yahoo.com/feature/ascannerdarkly.html

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2005年09月29日

ネット覚書

ブログなどに表示&搭載が可能のFLASHの月齢カレンダー。

現在の日時から月の状態を見れたり、月齢表示・日時表示、位相、輝面比などの表示が可能(非表示もOK)。

月の影の部分の濃度も任意に設定可能。

何種類かスキンも用意されているので、あれこれ遊べる。

探していたのよね。こういうの。

The moon age calendar

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2005年09月28日

ファミリア社 ミューズリー

アルプスの羊飼いが山へ登る時、オートミールやドライフルーツやナッツを混ぜて食事代わりに持ち歩いていたのが始まりというミューズリー。

発祥はスイス。

気候が似ているせいか、北インドからネパールに掛けては、いたるところの街の食堂にミューズリーが置いてあった。

ヨーグルトを掛け、蜂蜜を掛けて、その上にシナモンパウダーをまぶして食べるスタイルがポピュラーで、ネパールを旅行しているたいていのヨーロッパ人はこれを朝食に食べている。

そして食後にチャイ(牛乳で煮た紅茶)を飲むのだ。

体調がちょっと思わしくないなという時は、ベジタブルスープを口にしていた。

まぁ、ミューズリーに関しては、東洋人の僕らとしては、どうしても不慣れで毎日っていうわけにはいかなかったけれど(僕は、〝朝は白米〟という習慣が身体に染み付いている)。

さて、このミューズリー、非常にバランス良く完成された食べ物で、コーンフレークがとうもろこしの原料だけであるのに対し、ミューズリーは、数種の穀物、ドライフルーツ、ナッツ類をふんだんに含んでいる。

バナナとかのフルーツを切って一緒に食べるのも一般的。現代人が不足しがちな栄養素であるビタミン、ミネラル、繊維質を取り入れることもできる。

最近の昼食はミューズリーを食べるようにしている。これ、ひとつの修行。

「ビオ ビルヒャーミューズリー」は味がないからすこぶる気合が必要だけど、「フルーツクランチ」はナッツ、ストロベリー、ラズベリーなどがバランスよくミックスされたシリアルでyummy!!。

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※写真は「ビオ ビルヒャーミューズリー」(無糖)

ファミリア社ミューズリー

ビオ ビルヒャーミューズリー(無糖) --\682
オート麦フレーク 小麦フレーク レーズン なつめやし りんご バナナ 小麦粉 ライ麦粉 大麦粉 きびフレーク 大麦フレーク ヘーゼルナッツ アーモンド

フルーツクランチ --\682
フレーク(オート麦、スペルト小麦) 粗糖 クリスプ(とうもろこし、米、小麦、ライ麦 大麦、ココアパウダー) ピーナッツオイル 小麦粉 ココナッツフレーク 小麦胚芽 ぶどう糖ストロベリー ラズベリー ヘーゼルナッツ 蜂蜜 食塩

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2005年09月27日

MACAO CAFE

MACAO CAFE(Solstice Music International)

サイケデリックトランスのユニットがそれぞれ手がけたアンビエントコンピレーション。

スペインのイビザ島にあるもはや伝説化した実在のカフェをイメージして製作したアルバムだけに、最高のチルアウトとして完成している。

海に囲まれて踊り明かした後にブースから流れるアンビエントを、木陰で気持ちよく風に当たりながら聴くっていうアレ。ヨーロッパ各地のパーティフリーク必聴のコンピレ-ション。ぜひ秋の夜長に。

「MACAO CAFE」はVol.4まである。今後も続くのかな。

vol.2では、Synthetic(F.Baltimiore)、The Antidote(S.Mendoza)、Shpongle(Raja Ram/1200Mic'S、Simonposford/Hallucinogen)の豪華アーティストが勢ぞろい。チル感たっぷり。

Vol.4はETNICAのDJ MAXがリミックス&コンパイルしていて、打楽器や民族系の音楽と融合している。

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2005年09月26日

Different seasons

秋の気配が強まると、肌で日が落ちる早さを見て、涼しい風を耳でキャッチして、目は茂みの虫の音を追おうとする。幾分と暮れが強まる空を見て、どうしてか落ち着かない気持ちにもなり、それと同時に、たぶん切なくてちょっとだけセンチメンタルな気分になるのだ。

そしてこれは大事なことなんだけれど、秋は人を大人にさせる。

僕もあなたも秋は大人になる。まるで背伸びをしたがる十代の頃のように。

久々に着た長袖のネルシャツを愉しむのは一人じゃ寂しいと思うほどに。

*
*

冬の季節が近づくと、僕らは少しだけ老衰する。死に掛けたキリギリスほど悲惨でないにせよ、僕らはひどく臆病になる。あるいはそれは灰色に染まった空模様のせいかもしれないし、窓に振りつける深夜三時の北風のせいかもしれない。ただ僕らの周りにはまた訪れる春があろうとしても終末思想がグルグルと渦を巻いて、何かを乞わずにはいられない。

そしてこれは大事なことなんだけれど、冬は人を生きらんと哉と教える。

僕もあなたも冬には人生を想う。きっと想う。まるで暖炉の前で安心する老犬のように。

久々に羽織るマフラーを愉しむのはもっと大人になってからだろうか。

*
*

春の季節が訪れると、僕らはやっぱし生き返る。太陽の淡い光線は僕らに勇気を与え、新緑の営みは僕らを蘇らせる。西の空がまだ沈まないのを見て、どうしてか僕らの鼓動は強くなり、明るく温かい気分になる。

そしてこれは大事なことなんだけれど、春は人を有頂天にする。

バンザイ、僕もあなたも春には生彩。まるで長い冬の季節を絶えた木こりのように。

久々に触れるあなたの唇にも欣喜があるのでしょう。

*
*

夏の季節が告げられると、僕らは突然と子供になる。純粋爛漫に100%子供になる。真っ青な空に貼りつく入道雲はファンタジックで、キラキラと輝く太陽がビーチパラソルで笑う。いつまでも続く夏の日に、僕らは一瞬の幸せをキャッチして、そこに永遠性を求める。果てしなく童心に戻るのだ。

そしてこれは大事なことなんだけれど、夏は人を愛で埋めようとする。

僕もあなたも夏は恋をする。まるで慈悲深いギリシアの女神を讃えるように。

夕涼みに連れ添う僕らには大事なことがたくさんある。

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2005年09月25日

テレビ覚書

ミスター・ビーンがなんかテレビで偉そうなことを言ってるなぁと思ってよく見たら、カルロス・ゴーンだった。


以上、テレビ覚書。

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2005年09月23日

Who lied?

I approve and say "win without war".

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2005年09月22日

Aphorism [ユダヤ格言]

井戸に唾を吐く者は、いつかその水を飲まなければならない。


─ユダヤの古い諺─

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2005年09月21日

四谷「広島つけ麺 ぶちうま」

四谷駅から徒歩5分。三栄町の裏路地にある「広島つけ麺 ふちうま」、「仏蘭西亭」の手前の路地を入って20メートルほど歩いた左側にある。

四谷三丁目側から行く場合は、三栄通りのファミリーマート、牛タン「忍」、「仏蘭西亭」と目印に辿ると分かり易い。

空き地のすぐ横にある、往来の全くない立地だというのにクチコミ情報が評判を呼び、平日は常に行列を成している。

店で出されるのは店名の通り広島のつけ麺のみ。噂だと都内唯一の「広島 つけ麺」店だとか。

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写真は1玉。

麺は1玉が160gで、0.5玉から調整が可能。

水分のない「低加水麺」で中太。

ずばずばと音を立てて啜るよりはモフっと口に運ぶといった〝聞かん坊〟のような荒々しい腰の麺。噛むとプチって音が鳴るほど。

独特な味わいでかなりの異色麺だというのに、下のスープとマッチングする。

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スープ。辛さレベル3。

真っ赤なスープはトマトをベースにしている。

トマトだといっても決して洋風なぼんやりした味ではなく、唐辛子も効いていて、それでいてさっぱりしているんだけど、コクまろやかな味わい。

「和」に仕上がっていて美味しい。白ゴマのトッピングがアクセントとなる。

麺の登場前にこのスープが出されるので、箸でコリコリとかき混ぜて待つこととなる。

具材は茹でたキャベツ、細切りキュウリ、白髪ねぎ、チャーシュー3枚、半熟煮玉子半分。

キャベツは季節と産地によっていろいろな処からチョイスしているとか。

甘めの茹でキャベツが香ばしい。野菜の旨みが存分に出ている。

そして、このチューシュー。

分厚く柔らかいジューシーなチャーシューは、肉汁たっぷりで噛めば噛むほど味が広がる。

チャーシューに白髪ねぎを載せてキャベツも載せて麺を挟んでスープに浸けてたぐる。これが究極にバリ旨い。

締めにご飯を入れて雑炊にすることもできる。こちらも好評。

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広島つけ麺 ぶちうま
東京都新宿区三栄町7番地5号 松尾ビル1階
12:00~18:00
休日:木曜・日曜・祝日

0.5玉 --\900
1玉 --\950 
1.5玉 --\1000
2玉 --\1050
(1玉は160g 0.5玉毎に2玉まで増量可能)
辛さ1~40まで。

しめ(飯) --\100
しめ普 --\150
しめ大 --\200

チャーシュー2枚 --\100
半熟味玉1/2個 --\50
キャベツ --\50

チャーシュー丼 --\350

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2005年09月20日

奥多摩「もえぎの湯」

JR奥多摩駅から歩いて10分、登山客やキャンパーに人気の温泉施設。

立地条件も相まって、最近は異常な人気でもある。〝混雑〟しているといっても過言じゃない沸騰ぶり。

そのせいか休日に訪れる場合は入場制限も覚悟しなくてはならない。

それでも、山間にある施設だけに景観は抜群。露天風呂から眺める木漏れ日は最高だ。

肌寒くない9月ぐらいまでは、蜩が鳴いているのに耳を澄まし、マイナスイオンに包まれつつ檜のベンチに座って、裸でボンヤリするだけでスーッと疲れが癒される。

自然を思い切り堪能できる露天風呂だ。

内風呂の泉質は、PH9.85天然温泉。ヌメヌメ感がたっぷりと楽しめる。柔らかい絹みたいな源泉が体の芯から温めてくれる(※但し露天風呂は「月変わりの湯」で、源泉ではない。)。

夏場はとにかく混んでいるので、並ぶのとか芋洗いに〝ヤラれる〟人はなるべく避けたほうがいいのかも。
20050920a

奥多摩温泉「もえぎの湯」
東京都西多摩郡奥多摩町氷川119-1
(JR奥多摩駅から徒歩10分)
大人(中学生以上)--\750(2時間 超過料金:\200円/1時間)
小学生 --\400
3月~11月 9:30~21:30(入館受付は20:30まで)
12月~2月 9:30~19:00(入館受付は18:00まで)
HP

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2005年09月17日

北九州「あじさいの湯」

北九州市八幡東区の河内貯水池の奥、JR八幡駅から20分、大谷ランプから15分、八幡IC、小倉南ICから30分という山間に囲まれたロケーションにあるのが河内温泉(あじさいの湯)である。

国道沿いから一歩奥に踏み込むと、こんなに自然がたくさんあるんだとびっくりするのが北九州市の楽しみであり、魅力の一つで、この温泉もまた八幡駅から20分もバスで走っただけなのに、すっかり周りは緑の木々が鬱蒼としている山の中腹に早変わりしてしまう。

八幡駅からのアクセスは、無料バスが出ているのでそれに乗ると便利。

艶々とした板張りが贅沢な感じのする日帰り温泉施設は、広大な敷地をふんだんに活用していて、さながら旅館のよう。

食事処「さくら」で地元の食材を使った料理が楽しめて、甘味処も別に用意されている。

甘味処では、ぜんざい、あんみつ、抹茶セット、あべかわ餅などが食べられるので、甘いもの好きにはたまらない。

そして、毎週土日には、「平尾台で蕎麦を育てる会」の方が打つ手打ち蕎麦が食べられるそば処もある。こちらもぜひ。

温泉は週によって男女入れ替え制。

広々した檜風呂の大浴場と露天風呂がある。

寝転びながらお湯に浸かれる露天風呂なので、空を仰いで自然を堪能しよう。

アルカリ性単純温泉のお湯の温度はそれ程熱くないけれど、循環系なので塩素臭があるのがすこし残念。
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河内温泉 あじさいの湯
福岡県北九州市八幡東区河内2-3-36
10:30~22:00
大人 --\800
小人(3歳以上小学以下) --\400
作務衣・バスタオル --\500

-HP-

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2005年09月16日

レンタルサーバーの憂い(3)

ディスク障害は「電気通信設備の保守上又は工事上やむを得ない事由」という認識で宜しいですか の回答が以下のとおりです。バカな僕には意味が分かりません。

この度はお問い合わせ頂き、誠にありがとうございます。

ディスク障害が起こった場合、出来る限りデータのバックアップ作業などを行い対処しておりますが、データ領域により、著しく破損が起こる場合もあります。

その為、ディスク障害に関しては、弊社利用規約の

「甲の過失に基づかない電気通信設備の保守上又は工事上やむを得ない事由が生じた場合」
「甲の過失に基づかない電気通信設備の障害その他やむを得ない事由が生じた場合」

に適合されます。


また、利用規約にも掲載のようにデータの管理は、全てお客様の責任に於いて行って頂いております。

何卒、ご了承頂きます様、よろしくお願い申し上げます。

で、データ管理をしろということで約款でどうなっているの?
僕にはわかんなーーーい。

たぶんもうつづかない・・。

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レンタルサーバーの憂い(2)

するとこんな感じの返答。 ぐぅ。もうちょい奮闘します。


○○ 様

この度はお問い合わせ頂き、誠にありがとうございます。

本件の緊急メンテナンス、ディスク障害では大変ご迷惑をお掛けいたしました。
お問合せの件に関して、弊社利用規約、下記をご参照頂いておりますので、本件に際して、ご案内させて頂きます。

第22条:
「甲(弊社)は、乙(お客様)の本サービスの利用に際し、乙に対して発生した損害につき一切の責任を負わないものとします。」

上記と定めておりますが、今回の障害は、ディスク障害となり、弊社利用規約では、別途、下記の文書を定めております。

第25条:
「甲の過失に基づかない電気通信設備の保守上又は工事上やむを得ない事由が生じた場合」

本件は、上記、【第25条】へ該当致しますので、規約に記載されている重過失へ復されません。
何卒、ご了承頂きます様、よろしくお願いします。

この度は、お客様に多大なご迷惑をおかけ致しました事、改めて、深くお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。


ということは、ディスク障害は「保守上又は工事上やむを得ない事由」ということになるのか・・。


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レンタルサーバーの憂い(1)

TOPページにあるPHOTOLOGのディレクトリが突然と消失。

この事実に気が附いたのは09月16日11時だった。

目視で確認したのが同日09時。

これが突然とWEB上から消え去ってしまった・・・。

契約しているロリポップの障害情報を確認すると、自分のサーバーでたしかにメンテナンスをしている。

しかし、念のためFTPでファイルを探ると、見事何もない・・・。

がちょーーん。一大事。すぐさま問い合わせをする。

穏便に柔らかく(のつもり)。

で、それから数時間後、こんな回答が。

○○ 様

本日、該当のxxxにDisk障害の兆候が発見され、WEB領域、メールサーバー領域に際して、データの損傷があったために、緊急メンテナンスを実施しております。


インフォメーションにも記載しておりますが、メンテナンス時、Disk領域における不具合が発見され、一部データに破損が生じ、データの復旧が出来ない状況となっておりました。

その為、サーバー内をご確認頂き、FTPファイルのアップロードをお願いします。

ディレクトリの消滅がされていたとご連絡頂いておりますが、今回のメンテナンス完了際して、手を尽くしましたが、消滅したWeb及びメールデータの復元は出来ませんでした。

誠に申し訳ございません。

ロリポップサーバーは、利用規約に順じて、ファイルのバックアップデータの管理は、サーバーでは行っておらず、ユーザー様に一任しております。

本件に関しては、お力になれずに、申し訳ありませんでした。


確かに利用規約に明記しているんだよね、ここ。結構データが消失するので有名(オイ)。
だから、それに比例して規約も有名。


つーかさぁxxxということでクレームを出しました。約款上にある故意の過失はどこまで契約者が確認できるのか、重大な過失はどのように導き出されるのかについて。

つづく。

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2005年09月15日

小倉「万龍」

小倉駅南口から紺屋町を抜けて繁華街が落ち着いた古船場にあるのがこの「万龍」である。

「万龍」と書いて「ばんりゅう」と読む。

豚骨ラーメンが本場であるこの街のラーメンにしては豚骨度合いがそれほど濃くないラーメンではあるが、19時の営業からお客さんが途絶えることがなく絶えずカウンターの席を埋めている。

20050914a
写真はラーメン普通盛り。

あっさりとしたラーメンを目指しているだけあって親しみやすいスープだ。

スープを作る段階で、最初にとれるダシから不純物を除いて、それから仕上げるというのだから、臭みのない味に頷ける。

カウンターにあるニンニクチップは特製。オイルに浸けてあるカリカリとしたニンニクチップが豚骨スープによく合う。

柔らかいスープなのに不思議とコクがあるのが人気の秘密。麺は普通で柔らかくすぎることもない。


20050914b
こちらは唐揚。

「万龍」の唐揚は旨い。本当に美味しすぎて深夜にフラッとラーメンを食べに行くと売り切れていることなんてよくある。人気の品だ。

レモンを絞って食べる唐揚はとってもジューシーで、味付けがしっかりしているから何も附けなくてもイケる。

分厚い鳥肉に染み込むタレと一緒にじっくりと揚がる唐揚。

カリカリに揚がった皮から染み出る肉汁をホフホフ言いつつ食べよう。

ラーメンとセットで食べると一人じゃ食べられないから(なにせ大きい唐揚が8個ぐらい乗っているんだもの)、二人以上で頼むのがお勧め。

一人で食べきれなくても持ち帰ることもできるので安心。

ちなみに去年まで壁一覧に貼ってあった名物の名刺(来客がどんどん貼っていく。よく見ると全国さまざまなひとが訪れているのが分かって面白かった)が無くなって綺麗さっぱりになっていた。

20050914c

万龍
福岡県北九州市小倉北区古船場町7-8 丸源29ビル1F
19:00~28:00
ラーメン --\550
唐揚 --\750

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2005年09月14日

What is real?

最近、ふとしたことから「real」ということについて考える機会が増えた。

「リアル」であって「レアル」ではない。

レアルマドリッドについて考えるのも悪くはなさそうだけれど、それは別の機会に譲るとして今日は「リアル」について巡りたい。

なぜ「リアル」について考えるようになったか、正直自分でも謎だ。

一つの言葉が心を捉えるほどのパワーを持つには何か理由が有るのだと思う。

時代を象徴する言葉かもしれないし、語感が新鮮であるからという理由も考えられる。

いままでになく日常語として使用される場面が目立つからとか、そんな理由も成立しうるだろう。

*
*

ちなみに手元にある研究社から出ている新英和辞典によると「real」の意味はこんな感じである。

(想像、空想でなく)現実の、実際の、実在の
(名目上、表面的でない)真の、本当の、天然の
「real」は外見と内容が一致していてにせものや架空のものではない、「true」は現実のもの、実際と一致している、「actual」は実際に存在する。

「real」は、本物だとか現実といった意味合いを兼ね備え、反義語としてにせものや架空という状況なり状態がある。

*
*

では、ある一つの状況があるとする。その状況が状況足りうる条件と言うのは、圧倒的にその状況と不一致な存在が確認されて、初めてその任意の状況が独立的に成立され、認識を得ることだろう。

リアルを現実として置き換えてみると分かり易い。

そして、この場合の任意の状況とは「現実」。


上記の説明から進めると「現実」が「現実」足りうる条件は現実と不一致な存在があり、初めて独立的に成立する。

ここでいう不一致な存在を完全な相反する逆ベクトルの位相と解釈しても良いと思う。

「仮想」。

「現実」と「仮想」だ。

実存的な言葉ではないと焦点が曖昧になるのでそれぞれに社会をつけて考えてみたい。

「現実社会」がより「現実」らしくなる為には、現実を際立てる「仮想社会」を必要とする。

そこでその絶対差が境界線を生み、それぞれを独立的に成立させる。

僕が最近となり「リアル」という言葉を意識する理由は、相反する「バーチャル」が力を持ったからではないだろうか。そんな風に感じるようになった。

仮想と現実が区別ができなくてオンラインゲームの虜になるとか、ゲームの世界ではない現実社会で人を殺めてしまった事件に識者は「現実と仮想の区別ができなくなった」と解説しようとする。

でも僕にはそれだけでは終わらない問題であるように感じる。

「仮想」と「現実」の境界線はシャープにエレガントに2者を区別している。

ただどちらかの依存力が高まり均衡が損なわれる状況が危ういのだ。

もちろん、その均衡は個人個人のレベルで定義される。

脳に到達する信号が解明されて映画「マトリックス」のように森羅万象が信号情報で取り扱われると文化そのものが「バーチャル」化され、「現実」を飲み込む事だって有りうる。

「リアル」か「バーチャル」か。

「現実としか思えない夢を見たことは?その夢が覚めなかったら、君は夢と現実を区別できるか?」
"Have you ever had a dream, That you were so sure was real?
What if you were unable to wake from that dream?
How would you know the difference between the dream world and the real world?"

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2005年09月13日

選挙明け

与党連合の勝利に終わった今回の選挙。

野党である民主党を抑えたのは自民・公明の連合であった。

特に比例区に弱い自民党は公明党のそれなりのバックアップで自民・公明で議席を確保している。

2大政党となりつつであろうこの状況で野党の分裂(つまり民主党以外の議席数の減少)は避けられない状態であるし、民主党の岡田代表の辞意も今後の注目でもある。

そして与党連合の統一された政権公約にも。

僕の記憶では選挙前では自民・公明それぞれのマニュフェストはあったものの、与党連合としては掲げられていなかったと認識している。

小泉政権の信任となり、構造改革は継続。

さて・・・。

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門前仲町「魚三酒場」

東西線の門前仲町駅2番出口を出るとすぐに見えるビル丸ごとが酒場である「魚三酒場」。

固い丸椅子で囲まれた雑居な酒場は座れば座るほどお尻が痛くなるというのに連日賑わっている。

それというのも、廉価な値段で新鮮な魚をたっぷり毎日提供する下町の台所、呑み助のオアシスとして有名だからだ。

店のポリシーは「たくさん仕入れてたくさん売ること、お客さんにたくさん食べてもらうこと」だという。

ざっと見渡しただけじゃ、どれぐらいの料理があるのかわからない。

でもとにかくあるのは魚・さかな・サカナ。

平均して300円ぐらいの値段。安い方は「あら煮」の50円、高くて「生ウニ」で、1500円程度。季節や天候や仕入れによってメニューが変わるという。

20050913a
写真は鯵のたたき。

もともとは漁師料理で舟の上でしか食べられなかったというのは、たしか開高健のエッセイに綴ってある。鯵のちょっと血の混じった肉と生姜と葱を醤油に附けて口に運ぶ。土臭い葱と新鮮な鯵のコラボレーション。280円。

20050913b
平目の刺身。380円。

プリプリの白身が最高。

ちょっとしか出てこないものとばかり思っていたところ、お皿にてんこ盛りで現れたので驚かされた。

ワサビを乗せて醤油で。淡白だけれどコクがある。平目って不思議。

20050913c
秋といえば秋刀魚。380円

焼き魚は時間をかけて丁寧に焼くというから、それだけ焼きがしっかりとして文句ない。
焦げた皮からプシューと脂が滲み出て、香ばしい薫りがする。

かぼすが添えてあるので絞って大根おろしで。

まろやか。芳醇。

脂の乗った秋刀魚は旨い。

20050913d
お酒。180円。

なみなみと注がれたお酒は下の小皿まで溢れている。小皿のお酒を先に飲むのが正しいとか。
升の香りのするお酒。喉越しがすっきりとしている。だいたいみんなこれを呑んでいた。

20050913e
あら煮。50円。

50円・・・。去年、おでん屋で見た「こんぶ30円」にもたまげたけれど、こちらも驚きが隠せない。
だって50円以上の美味しさがあるし、あら煮は実は神経を配らないと美味しくないとされる料理であるわけだから。シンプルなんだけれど手が込んでいるだよね。煮込んである身は締まっていて味が染みている。生酒に合う。

20050913h
締めは〆鯖。580円。

身を悶えるほど酢が効いている〆鯖。脂の乗った〆鯖であればあるほど美味しい。銀色に輝く鯖が眩しくて、赤身ののこった身が中から覗いている。たっぷりとわさびと醤油をつけて戴く。

20050913f
威勢のよい売り子のお姉さん(といってもお婆ちゃんなのだが)とのやり取りもひとつの名物。

無愛想で文句を言われることがあるかもしれないけれど、それはそれとして下町の酒場の風景ぐらいに受け止めたほうがいい。

そういうのが苦手な人にはあまり向いていない。少々、心臓に毛が生えているお客さんであるのが望ましい。

特に女性だけで行くとアタリが強いとか。カップルで女性を連れているひとも槍玉にされるらしい。そういうのが好きっていうマゾっ毛があるのなら別だけど。

20050913g


魚三酒場
東京都江東区富岡1-5-4
16:00~22:00
日祝定休

あら煮 --\50
さんま焼き --\380
ぶり焼き --\380
めごちの天ぷら --\350
お酒 --\180
(メニューは何十種類とある。それだけでも壮観な景色)

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2005年09月12日

ベイスボウル

人目をはばからずにこういうことを書くとシンパから非難を浴びるかもしれない。

でもさ、野球の低迷って巨人が強いから復活するのかな?

それより巨人ブランドが有効であると信じている人達がダメにしている気がする。

巨人軍に正統的なスポーツマンシップを見出す人よりも、巨人軍以外にそれを見出す人が上回る。

だっていまの巨人軍ってキナ臭いもん。
腐敗した政治のような臭いがする。

昔はもっとシンプルにカッコよかったじゃないか。今は正直カッコ悪いぜ。

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2005年09月09日

Aphorism [ジーコ監督]

(コンフェデレーションズカップでの日本代表の戦いぶりを見て、「世界に存在感を示した」と評価する一方、課題の得点力不足については、緊張しすぎてシュートが決まらないことについて言及した一言。)


「失敗を恐れる日本の文化が関係している。」


アルトゥール・アントゥネス・コインブラ=ジーコ(サッカー日本代表監督)

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2005年09月08日

八丈島メランコリ(3)

1時間か2時間程度のドライブで周遊する。

島の観光センターでは島の名物である〝光るキノコ〟を鑑賞することができる。

元気が幾分減少しているエノキみたいなそのキノコは、真っ黒なフェルト布に覆われたプラスチックボックスに入っている。

人目を避けるように闇の世界に住んでいるそのキノコを僕ら鑑賞人は布に顔を突っ込むように近づいて、見るのだ。

「うっわぁ、すっげぇ。マジでピカピカに光っているよ」

ジメっとした焦げ茶色の腐敗土に聳え立つキノコはなんだか不思議だ。

どうして植物が蛍光色で輝くのだろうという疑問。

植物と言うよりは蛍光ゴムのようにも思える。僕らは思わず唾を呑む。

小さい頃に布団に入ったあと、ポケットに忍び込ませていつまでも覗き込んだ蛍光塗料が塗られたおもちゃを思い出した。まるで宝物をみつけたみたいな気分だった。

でもこのキノコは塗料が塗られているってわけじゃない。あるがままに光るのだ。

種の本能なのだろうか。だとしたら夜にもなお輝かんとするその菌類はいったい何から護ろうとしているのだろうか。

パーティ会場のデコレーションのようなので思わず20分間ぐらい見とれてしまった。「そろそろ行くよ~」という声でハッと目が覚める。

*
*

次に訪れたのは島の頂上でもある八丈富士だ。よく晴れた日だったら、山の頂きから島が一望できる。で、そのよく晴れた日が今日ってこと。

ちなみに八丈富士の頂上には「八丈富士ふれあい牧場」があって、八丈島で愛飲されている新鮮な牛乳を生産している。

そしてここで有名なのがその牛乳で酪した「八丈バター」である。

豊かなコクがいっぱいの「八丈バター」は島民以外からの人気も高い。パスタに絡めても最高だし、鉄板焼きで包み焼きも素晴らしい。香り高いバターのコクが広がる。

でも残念なことに乳牛やバターの生産工程のコスト高の煽りを受けて、品質保持が難しく、もう生産を打ち切ったという話だ。

島独特の牧草を食べる乳牛から取れる独立したバターであるだけに、誠に惜しい話である。
実際に島内のスーパーでもチラホラ見掛ける程度でもあった。


*
*

辿り着いた牧場では、ピューゴヒュゥゥと右へ左へ容赦なく強風が叩き付けて、まるで怒りを抑えられない竜神のようだ。

遠くのほうで風車が倒れていた。

足腰に力を込めないと吹き飛ばされそうだ。息をするのも苦しい。

飛行場と大自然が共存している風景。濃いブルーの海面がどこまでも続いている。

なんとかして駐車場から山小屋まで到着すると、数人の外国人バックパッカーが所在なさそうに牧場に散らばる乳牛の群れをぼんやり眺めていた。

珍しいのか、暇なのか、まるで表情からは読み取れない。

疲れているようでもあるし、充電しているようでもあった。

旅人というのは時々そんな顔をすることがある。

ふと思ったのが、どうやってこの人たちはここまでやってきたのだろう疑問だった。

車で来たような雰囲気じゃなかった。

「あいつらさ、もしかして徒歩でここまで来たのかな」僕がウシオに耳打ちする。

「いや、まさか。いくらなんでも、それはできないよ。だって、相当の坂だよ。」
その通りだった。車で登っても結構な急勾配だったのだ。

「でも、車がないよ。顔に生気がないぜ。あれきっと歩いてみたんだよ」

「そうなのかなぁ・・。」

不思議だった。それから僕は外国人バックパッカーは信じられないぐらい徒歩で何処までも歩くという話題に花を咲かせた。

事実、帰りがけに僕らがノンキに車を転がしていたら、彼らがとぼとぼ歩いているのが見えた。

やっぱしコイツら歩いてきたんだ。すげぇ。

ここから野営場まで行くのは夕方近くになるだろう。

大きなワゴンじゃないから乗せられないのが残念で仕方ない。

でも、僕らもそうやって旅先で歩いたものだ。ガンバレ。異国の人たちよ。

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2005年09月07日

アニマトリックス

アニマトリックス【2003年 アメリカ】

1 ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス(Final Flight of the Osiris)
監督:
アンディー・ジョーンズ(Andy Jones)

2 セカンド・ルネッサンス パート1(The Second Renaissance Part1)
監督:
前田真宏

3 セカンド・ルネッサンス パート2(The Second Renaissance Part2)
監督:
前田真宏

4 キッズ・ストーリー(Kid's Story)
監督:
前田真宏

5 プログラム(Program)
監督:
川尻善昭

6 ワールド・レコード(World Record)
監督:
川尻善昭

7 ビヨンド(Beyond)
監督:
森本晃司

8 ディテクティブ・ストーリー(A Detective Story)
監督:
前田真宏

9 マトリキュレーテッド(Matriculated)
監督:
ピーター・チョン(Peter Chung)

その後の映画に多大な影響を与えたワイヤーアクションが画期的な「マトリックス三部作」の短編オムニバスアニメ。

少年兵キッドの物語も描かれて、何故彼がマトリック(仮想現実)の世界から現実まで戻ることができたのかよく分かる。

本編マトリックスに完全にリンクして語られているから、まだ観てない方は是非こちらを楽しんでから本編を観るのがお奨め。

どの時代の救世主の物語かわからないけれど、やはりまだ〝人間vs機械〟の時代であることは間違いない一話目。

バーチャル世界で訓練を続ける勇者達。しかしそこで起きた事件は…。

何よりもこのアニマトリックスで注目すべきはこの一話目の「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」である。

ゴアトランス好きにはもうたまらない作品で、しかも95年頃の黎明期から踊っている連中には、正直、涙モノの作品なのだ。

なんつったってイギリス発のトランスユニットJuno Reactorのトラックが使われているのである。

マトリックス本編でもJuno ReactorはDon Davisと組んで音楽を手がけているけれども、もともとはサイケデリックトランスで有名。衝撃的なアルバムを何作もリリースしている。

そのなかでも、あの「Conga Fury」が…。そうなんだよ、あの「Conga Fury」が流れているんだぜ。「Conga Fury」がエピソード中に流れているんだよ。

ゴアでもパンガンでもイクイノでも何度となく踊ったよね。エキゾチックに情熱的に朝も夜も関係なく力尽きるまで。

リアリティバイツ度★★★★★

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2005年09月06日

高田馬場「龍高飯店 担々麺房」

JR高田馬場駅早稲田口を早稲田通りに歩いて数分にあるのが、この「龍高飯店 担々麺房」。

テレビの「どっちの料理ショー」や雑誌でも紹介されている坦々麺の有名な店。

暑い盛りに食べるピリっと辛いゴマだれの効いた夏季限定メニューの「冷やし坦々麺」が人気高い。

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ピリ辛の挽肉がたっぷり乗って冷やしトマトや冷菜がふんだんに盛りこまれている。

白葱がシャックリとした歯ごたえ。麺はモチモチした麺。

もう少し冷やしてあれば文句のないところであるのが残念。

少々ぬるかった。いろんなクチコミ情報を見ると「麺を固めで」なんて注文している人もいるので、少し柔らかい麺に嫌いのある人は頼んだ際に言ったほうがいいかも。

スープはゴマダレペーストで飲みやすい。

ラー油がスープに溶け込んでいるのが中華料理屋らしいところだ。

そんなに激辛でもないので辛いのを期待すると少々拍子抜け、辛いのが苦手なら「コレなら食べられるよ、ボク!」となることだろう。

冷やし坦々麺以外はメニューがたくさんあって坦々麺だけでも6種類ある。辛さも3パターンあるので合計で18種類もある。こちらが正統であるので是非こちらも。

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写真は鉄鍋棒餃子。

春巻きのような形をした餃子は揚げ餃子にちかいけれど胃にもたれなくて、しつこくない。

ボリュームと本場ならではの味を謳った〝小さな中華街〟と呼ばれているほどだから、餃子1本のボリュームがたっぷりとしている。

自家製(たぶん)のラー油をたっぷりとつけて頬張るとおもわず白いご飯が食べたくなる。

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龍高飯店 担々麺房
新宿区高田馬場4-13-10
11:30~24:00 (L.O.23:30)

担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
角煮担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
玉子担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
もやし担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
黒胡麻担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
揚豆腐担々麺 --\750(大盛り2玉 --\800)
(各坦々麺は小辛、普通辛、大辛からチョイス)
冷やし担々麺 --\750
鉄鍋棒餃子(3本)--\300(5本 --\500)

HP

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2005年09月05日

テレビ覚書

05年9月5日午前0時20分~午前1時40分(4日深夜)にNHK第一の「NHKアーカイブ」の「越中おわら風の盆~高橋治原作「風の盆恋歌」より~(60分)」を完全録画された方いらっしゃいますでしょうか。

9月3日の深夜から翌日の明け方まで「風の盆」を生中継し、現場の映像と男女二人が演じる「風の盆恋歌」の音声によるドラマ表現で、その艶っぽい魅力を伝えたというこの番組。

スゴイぞ、NHKって感じです。

ぜひ、誰か・・・。

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2005年09月04日

死体を喰らふ犬

※TOPページの写真について少なくとも説明しなくてはいけない気がした。何故その写真を撮ったかということではない。僕がその写真を撮ったことに付随するインドで何が起きたか、ということについてだ。


朝6時半に目がさめるものの、いまだに頭痛が激しくて、まるでこめかみにネジを打ち込まれているような気分だった。

前の晩にゴアで買ったズボンを燃やしてしまって火事になりかけたからかもしれない。

20時ぐらいから酩酊して、火の附いている蚊取り線香に脱いだままのズボンを被せてしまったのだ。

トータルリコールのような真っ赤な惑星に辿りついて、はしゃいているところを揺さぶられ、夢から目が覚めたのは12時を回るところだった。

パチパチと景気良く燃えているパンツは僕を一気に現実まで呼び戻した。

「ま、まずいぞ。火事だ。火事!」

「ねぇ、水よ、水!!凄い煙じゃないの、なんなの一体!?」

なんなのかだって?こちらが聞きたいぐらいだ。夢の中の真っ赤な大地はこの燃え盛る炎だったのだ。

こういう時、意外と効を成すのがマンガの情報だったりするわけで、なんかの作品のシーンにあった〝水を直接掛けるより、ビショビショに濡れた布で火を覆うと火事は消える〟という情報が僕の頭を過ぎった。

そして、まさにここインドはバラナシで役にたったわけだ。

人間、マンガと言えどもなにかしら役に立つものである。

僕は急いでバケツに汲んである水(これはシャワーで使う水だ。もちろんまともなシャワーがないからこそバケツが置いてある)に兎みたいに跳ねて近寄ると、つい先日買ったばかりのバティックに何の躊躇いもなしに水をドップリと浸けて燃え盛る炎をめがけて一気に被せた。

ジュゥ。

断末魔の最後の叫びみたいに視界から赤い色彩が消え去ると、布が燃えた独特の匂いと煙が勢いよく飛び散り、なんとか火は消し止めることができた。

「ハハハ…」
なぜだか笑い声が出てきてヘニャヘニャと腰が抜けた。

「危なかったよ、マジで」
それだけ言うとゲッソリと疲れが出た。

危うくインドのガンジス河のほとりで、消し炭みたいに黒焦げになって発見された挙句、ゲストハウスを全焼させてしまうところだったのだ。

完全に火が消えたのを確認すると、玄関の扉をこっそりと開けて、お香を焚いて近隣のバックパッカーやゲストハウスのインド人を実際にケムに巻く為に準備をした。

ボヤを起こした事実に対するカモフラージュである。

それから僕らはとりあえず片付けを明日に回すことだけを決めて、原因も結果もそれにまつわる煩わしい言い争いを全部避けて眠りに就いた。


*
*

ベナレスの朝は早い。

現地での読みはVaranashi(バラナシ)。

悠々としたガンジス河のあるインドのヒンズー教の聖地だ。

現世の行いで来世が決定されるとするこの宗教では、ガンジス河で沐浴することにより現世の罪が洗い流されて、来世に繋がる・・・と信じられている。

聖地と聞くと厳粛で緊張のある風景を想像しがちだが、そんな考えは沐浴場(ガート)に到着して1秒で粉々に吹き飛ばされることになるだろう。

物売り、何を言っているんだかサッパリ分からない拡声器で怒鳴り散らされるヒンズー語(全世界の憤りを背負った不運な斑模様の鳥がギャオスギャオスと叫んでいるようなシロモノ)、ボートに乗らないかと耳打ちするインド人、輪になって野糞をしているインド人(平均して4人、多いときになると8人ぐらいの大所帯)、糞尿を撒き散らす牛の集団、迷子になった羊や山羊、河で洗濯する人、飯を焚く人、歯磨きする人、石鹸で身体を洗う人…。

それがガンジス河だ。

なるほど、人間の渾然とした生から死の総てのドラマがここで繰り広げられるわけだ、と多かれ少なかれ旅人は気付くことになる。

それでも朝6時から7時くらいの時間のガンジス河は ─こういう表現は変だけれども─ 営業時間前のパブのような雰囲気で静かで気持ちがいいものである。

人の数もそんなに多くはないし、いくらなんでもインド人だって、寝てる人だっているのだから。

何人かの早起きの連中が歯を磨いたりシャンプーをしたりしているだけである。

ヴィシュヌゲストハウスのテラスからはこの悠久のガンジスを眺めることができた。

レストランもあるので食事をすることだって出来る。

僕はケロシンコンロで湯を沸かして自分でチャイを作ってボンヤリと何も考えずに朝からガンジス河を見詰めるのが大好きなのである。

まだ霧に包まれているガンガーは僕の心を落ち着かせた。

手元にある文庫本(開高健のエッセイ。開高健のエッセイは海外で読むのに適した本の一つだ。僕が大好きなのは「地球はグラスのふちを回る」である。)をぺらぺらと捲って、眠たい眼をこすり、河と向き合う。

かけがいのない時間だ。

しばらくして7時も過ぎる頃になると、僕らは食事に出かける。

ゲストハウスの食堂で済ましてしまうこともあるけれど、たいていの場合は外まで出かけて食べるようにする。

ホンダのバイクにキィを差し込むと…っと、それはここじゃなかったゴアの話だ。

ゲストハウスの部屋に南京錠を掛けると、牛が道をふさいでいる石畳の裏路地を抜けてアリババレストランまで行く。

ベジフライドライスとコーラ。

決して美味しいとは言い難い味だ。

でも不味くても食べないと体調をおかしくするから仕方なしにポソポソの細長い米をコーラで流し込んで腹に詰める。

コーラなんて・・、と言う人はバラナシの衛生状態を知らない人だけが無責任に放てる言葉だ。

しっかりとビン詰めされたコーラが一番安全というのは常識にも近い。

いたるところで牛がぼたぼたと糞を垂らして、蝿が飛び交うこの街を訪れる機会があるようだったら覚えておいて損はない。

*
*

さて、その日は、ゲストハウスに戻らずにフレンズゲストハウスに泊まっているドイツ人カップルの部屋まで行った。

同じくそこのゲストハウスに泊まっているスペイン人のカップルとボートを借りてガンガーの向こう岸まで渡る約束をしていたのだ。

さすが世界に名高い几帳面なドイツ人、準備もすっかりと終えて何時でも出かけられる風に用意が整っている。

一方、スペイン人カップルはまだ眠たそうに布団に絡まって半分夢の中のようだった。

「やれやれ、この人たちまだ寝てるよ」

なんとなく日本人とドイツ人だけが分かり合えるような時間厳守の宿命を背負う人種同士、顔を互いに見合わせ、ガートで先に待っていると彼らに言い残して、ゲストハウスを背に向かった。

ガートに腰掛けてボート屋と交渉を終え、しばらく待っていると、絵葉書を買わないか、ドルをチェンジしないかと囁くインド人の後ろからスペイン人カップルが現れたので僕らは舟に乗り込んだ。

向かい側に行くには必ず昼間ではないと危険だ。

それと一人で行くのも危ない。

少なくともこうやって複数の人数でパーティを組んで行くのが最善である。

ゲストハウスの壁には何枚もの行方不明者のリストが貼られている。

夜中にガートを歩く旅人や河の向こう岸まで行こうと試みた者はみんな行方不明になっているのだ。

舟がガートから離れる。

しばらくすると ─舟が河の中央に達する頃になると─ 、この河の巨大さに気付くこととなる。

まるで海原のようである。事実、海豚や鰐だっているぐらいだし。

*
*

あと数十メートルで岸に辿り着くという距離だった。

それは明らかに異質な臭いだった。

誰彼もなくボートが岸に近づくにつれ、その「臭い」に気がついたことだと思う。

圧倒的な激臭が鼻についた。

それでも数分は誰もそのことについて指摘をしなかった。

最初に話したのはステファンだった。

「クソっ、なんだこの臭いは?鼻どころか目に染みるじゃねぇか。」

僕もたまらなく彼に続けた「ゴミじゃないぜ、これは」
みんなが一斉に布や袖で鼻を塞ぐ。

ボートを漕いでいるインド人だけが何事もなかったように詰まらない顔をして仕事に従事している。

到着したその岸は、不思議な場所だった。荒涼とした何も無い土地。

地平線の果てのような場所。たしかにここでは何が起きようとも不思議じゃないようだ。人を一人消すぐらいなんて簡単なことのように思えた。

地面を見たことのないカマドウマにそっくりな蟲がワサワサと跳ねている。白骨化した骨があたりに散らばっている。

「凄・・・。」僕らは完璧に絶句した。

臭いが充満する理由も無い荒涼地帯にも関わらず一層に強くなってくる。

どうやって渡ってきたのか、野良犬がたくさん居る。酷く虚ろな眼で涎を垂らして人間を伺っている。

その先に溶けた犬の死体。犬の死体を生きている犬がガツガツと食べている。

そして…、さらに先にあるのは人間の死体だった。

包帯でぐるぐる巻きにされた足のない人間の死体。その死体を犬が食べていた。

ゴリゴリと不吉な音を立てて、内臓を食べている。可笑しなことだけれど動物が屍骸の内臓から食べるというのは本当だった。

蝿が何千匹と飛び回っている。死臭で息が詰まりそうになる。

まさに言葉を失うとはこのことだ。

僕はその光景を表現する手段をもってない。

これからももてない予感がその時感じた。

埋め尽くされない底の深い溝が死体と僕の間に横たわっていた。

不慮の死を遂げた者や子供はガンジス河に流されると耳にしていたし、浮いている死体はよく見かけた。

でもあまりにもリアルティに欠けたその映像は何かマネキンのような余裕すらもあったのだ。

けど今回は違う。

腐敗してるし犬が死体を喰らっているのだ。

犬が人間を食べる!? ジョークなんかじゃない。

いままさにゴリゴリと音を立てて目の前の2匹は食事を愉しんでいる最中なのである。

邪魔でもしたらお前らも食べるからなと、まるで敵対するように我々を見詰める野犬は、僕らの知っている〝犬〟じゃなかった。

それは何かの拍子で間違えて生まれてしまった悪魔の申し子みたいな表情をした動物だった。

結局僕は躊躇しつつも何枚かシャッターを切った。

写真に残したらバチが当たるとか怨念が残るとかは不思議と考えなかった。

ただこれは撮らなくてはいけない出来事だと僕は感じた。

これから先僕はこの写真について説明することがあるかもしれない。

その時はそう感じた。

ドイツ人は「もの凄いグレイトなエナジーを感じる」といって死体の前でディープキスをしている。

スペイン人は死体のある水に浸かって何か叫んでる。

僕らはクラクラして秋の空に近い透き通った青空をただ眺めていた。

これが、98年4月10日の出来事である。

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2005年09月02日

Aphorism [ロバート・フルガム]

何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものはかならずもとのところに戻すこと。
ちらかしたら自分で後片付けをすること。
人のものに手を出さないこと。
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。
食事の前には手を洗うこと。
トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。
焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい。
釣り合いの取れた生活をすること
―――毎日、少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと。
毎日かならず昼寝をすること。
おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること。
不思議だな、と思う気持ちを大切にすること。
発泡スチロールのカップにまいた小さな種のことを忘れないように。
種から芽が出て、根が伸びて、草花が育つ。どうしてそんなことが起きるのか、
本当のところは誰も知らない。
でも、人間だっておんなじだ。
金魚も、ハムスターも、二十日鼠も、発泡スチロールのカップにまいた小さな種さえも、
いつかは死ぬ。
人間も死から逃れることはできない。
ディックとジェーンを主人公にした子供の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。
何よりも大切な意味をもつ言葉。「見てごらん」


ロバート・フルガム『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』

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2005年09月01日

ゼイリブ

ゼイリブ【1989年 アメリカ】

監督:
ジョン・カーペンター(John Carpenter)

キャスト:
ネイダ --ロディ・パイパー(Roddy Piper)
フランク --キース・デヴィッド(Keith David)


映画史上、主人公が10分間乱闘シーンを続けてしかもバックドロップをする映画はこの映画以外には、絶対ない。そのうえ主人公ネイダ役のロディ・パイパーは〝本当に〟元プロレスラーなのだ。

それだけでもこの映画を観る価値が(たぶん)ある。

B級映画としてよく知られるこの映画の監督は、ジョン・カーペンター。

「ハロウィン」、「光る眼」など、映画世界でも端っこのほうを漂っている何とも言い難い怪しい作品をリリースしてカルトファンを抱えている一人だ(もちろん誉め言葉。アンアンなどで絶対紹介されない映画を作る素晴らしい監督。もちろんこれも誉め言葉)。

主人公のネイダは、いわゆる低所得者。肉体労働の仕事を求めある街にやってくる。

幾つかの現場で断られて意気消沈しているところ、なんとかこぎつけたのは日払いの工事現場。

そこで知り合ったフランクの紹介で、救世軍(?)が援助しているような無料の食事が食べられるバラック区域で住居を構える。周りは総てインテリジェンスとか資産とかと5万光年くらい離れている下層階級の人たち。

このあたりの設定から「ゼイリブ」という映画全体に蔓延している鬱蒼とした寒々しい都会の寂しさにも似た焦燥感が漂ってくる。

ある日、フランクは自分が住むバラック区域に並んだ場所に、教会があることに気付く。

どうもその教会がおかしい。こっそりと覗くと中にあるのは大量のサングラス。なんと、そのサングラスは特殊なサングラスで掛けると、地球に潜伏している宇宙人を識別できるというシロモノだったのだ…。

サングラスを掛けると宇宙人が識別できてしまうという何ともシュールな発想(しかもそのサングラスが実にチープさを醸し出している)もカーペンターらしい。

サングラスから映し出される白黒の世界は〝広告はすべてマヤカシだ〟みたいな感じで、車の広告をサングラス越しに眺めると【BUY】と書いてあったりする。宇宙人が我々を騙しているのだ、的な世界。

地球人が全員、下層階級に統一されているのに対し、文化人やセレブや高所得者は地球人のフリをした宇宙人という設定も主人公の環境との対比もあり、分かりやすく、いい効果がある。

しかしなんといってもこの映画の一番のメインは、なんの躊躇もなしに宇宙人(サングラスを掛けているネイダ以外には地球人にしか見えない)を殺戮してパトカーに追われるシーンと、そのあとそのサングラスを掛ける掛けないでフランクと殴りあう10分間の乱闘シーンだ。

「サングラス掛けろ」「嫌だ」薄汚い裏路地でポコポコ殴りあう主人公達。

きっと誰もが「こんなに長い乱闘シーン要らないだろ」と呟くにちがいない。

でも忘れちゃいけない、それがジョン・カーペンターの映画なのだ。だって監督自身がこの映画の音楽さえも手がけているんだぜ。

ナンセンス度★★★★★

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