東京は働くしかないんだよ。
自分の時間をお金に変える場所なんだ。
東京でなまけていれば、それだけ自分のために使う時間を
浪費することになるのさ。ぼくみたいに技術もなにもなくてけっこう
稼げる場所は、地球で東京とニューヨークぐらいだからね。
もっと時間を大切にしなきゃって、いつも思うのさ。
谷恒生(小説家) 『カルカッタ大真珠ホテル』
PSYBABA.NET reccomends 5 potions in this month are
1.フィッシュマンズ - いかれたBaby (POLYDOR)
2.フィッシュマンズ - ウェザー・リポート (POLYDOR)
3.しゅんすけSwingin’with Trip Food - What's Up (FAMILYRECORDS)
4.ハナレグミ - 家族の風景 (EMI)
5.かせきさいだぁ - さいだぁぶるーす (TOYS)
半径ワンクリックの某SNSの皆様がpostされているように、我々も今年は例年通りの予定で島を巡った。
しかも、猫の額のような9800円のテントで野郎二人が寝ているテント生活は、毎年ホモ疑惑が生じていたので今回はスノピのテントを引っさげた(※)。
もう誰にもホモだなんて言わせやしないぜ。快適さだって抜群である。
※本当の理由は、去年テントの中で酔っ払いすぎて焦げ付いたフライパンをじかに置いてしまい、赤ちゃんの頭ぐらいの穴を空けてしまったのが買い替えの理由。テントが焦げると極悪な化学工場みたいな匂いが漂い、軽めの浮遊感を味わうハメになることを身を持って確認。
*
*
それでも今年の島巡りは急遽の中止を最後まで悩んでいた。
実はまだ心の整理ができていないんだけど、4月26日に叔母がガンで亡くなった。こうやってあらためて叔母と書くと、なんだか二親等とか三親等とか社会の授業みたいになっちまってイヤなもんで、実際は叔母とかそういう立ち位置的な関係性を意識したことがなく、純粋に家族そのものだった。
物心ついたときからそばにいるのだから、当然の気持ちだ。
葬式は4月30日に執り行われて、僕は5月1日のチケットを持っていた。
親戚が集まり、思い出話で笑い、そしてやっぱり涙がこぼれて泣いて、みんな目を真っ赤にした。
喪主の叔父が「いままで本当に一緒にいてくれてありがとう」と最後声を震わせて泣いた時、僕も親戚みんなも人目をはばからずに泣いた。
叔父が泣いたのを見たのははじめてだ。
そして26日から30日の間、皮肉なことに悲しみを紛らわせてくれたのは仕事の忙しさだった。だとしたら、その悲しみを全部埋めてしまおう、よし、145BPMで島を駆け巡ろうと思った。
とことん疾走してみよう。どこまでも突っ走ろうと。
きっと僕なりのやり方で追悼し、偲ぶことが大事なんだ。
*
*
さて、今年の島は毎日30度を越える真夏日で快晴だった。
到着した途端に身体中の細胞がざわめく感覚。久しぶりだ。旅モードである。
お馴染みのキャンプ場にテントを張り、ハンモックをぶら下げて、珈琲を淹れる。
新しい出会いと懐かしい再会。
日本語だったり英語だったりポルトガル語だったり。国際色豊かな顔ぶれが勢ぞろい。
鳥のさえずりが目覚まし時計。夜は宝石を散りばめたみたいな満天の星空のしたで火を炊いて、酒を注ぎ、寝ころび笑い、語り合う。
ヨウちゃんのアンプからこんな唄が流れてきて、それがグッと来てナイスで、島に感謝して。
やっぱり最高の場所だよ、ここは。
「いかれたbaby」 byフィッシュマンズ
悲しい時に 浮かぶのは いつでも君の 顔だったよ
悲しい時に笑うのは いつでも君の ことだったよ
人はいつでも 見えない力が 必要だったり してるから
悲しい夜を 見かけたら 君のことを 思い出すのさ
窓の 外には 光る 星空
君は見えない魔法を投げた
僕の見えない所で投げた
そんな 気がしたよ
来年もまた会えるよね。
With Big Hug & Love.ko