2005年04月28日

八丈島

今年のゴールデンウィークは大型連休となることが判明。会社のアレがコレで、しばらくしたら、どうやら5月2日イコール休日なのではという噂がちらつき、だんだんと日が経つに連れて具体性を帯びて、正式な社内連絡ということで、つい先日、確定した。勤め人の経験内では最長のGWでもある。

なので、出発の5/2以降からの更新頻度が愕然と減る可能性が、予測というよりは確信的な纏まりとして浮上しているので、あらかじめごめんなさい。

さて、これだけの大型連休を見過ごすわけにもいかないので、毎日パーティで踊り狂うのもいいだろうし、山に篭って自然を堪能するのも楽しいだろうし、ヒッチハイクで何処まで辿りつけるのか試してみるのも刺激的だろう、といった素晴らしいアイデアが次々と走馬灯のように過ぎったけれども、さすがにそれなりの〝大人〟なので、捨て難いのはやまやまとはいえ我慢してみることにした。

そんなことをしたら、なんとなく現実社会に戻れない気がしてしまう。俺ハ誰?此処ハ何処? 湯あたりみたいに、〝GWあたり〟とかしそうだ。

かといって連休といえば旅行はどこも移動費が天井知らずで手を染めるのも少し馬鹿らしい。

せっかくのチャンスなのだし、近くて遠い東京を訪れてみることにした。

伊豆諸島。八丈島。

これである。

東京から287km離れたの亜熱帯植物が生い茂る島。ハイビスカスがよく似合う、走っている車のナンバーは全部〝品川〟ナンバーという不思議な島。

浜松町の港から、東海汽船に乗り、一晩掛けて移動する。

東海汽船に乗るのは何年ぶりだろう。

この船は、大型連休だろうが、通常の運行(つまり通常の運賃)で運営しており、乗船する者が同意さえすれば、空きさえあれば乗船することができる。首尾よく、八丈島に住んでいる友達がいるので、到着したら、きっとどうにかなっちゃうという希望的観測。

宿営地は「底土野営場」つまりキャンプ場である。島には6つほどの温泉もあるので、それなりにエンジョイできる。釣り道具は必須。ご飯食べれなくなっちゃうからね。

◇スケジュール

5/2 22:30 東京発 2等(但し席なし*)\7,180

5/3 09:30 八丈島着

5/4


????

*但し席なしとは、雑魚寝スペースもないこと。おそらく呑んだ暮れて甲板コース。

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2005年04月27日

Aphorism [スティーブン・キング]

ある日、どこからともなく、こんなイメージがくっきりと頭に浮かんだ。

ひとりの若者が、郊外にある小さな自分の家の外で、下水管の格子蓋のすきまへ小銭をつぎつぎに押しこんでいる。

それだけのイメージだが、あまりにも鮮明なので ─しかも、おそろしく奇妙なので─ そのまわりに物語を書かずにはいられなくなった。

文章は一度のためらいもなくすらすらと出てきて、物語は人工遺物であるというわたしの持論を裏づけてくれた。

つまり物語とは、われわれが作りだす(そして、その作者だと主張できる)ものではなく、すでに存在している遺物であり、こちらはそれを掘りおこしているだけなのだ。


スティーブン・キング『なにもかもが究極的』(小説家)

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2005年04月26日

渚音楽祭05年春(2)

渚音楽祭 2005.04.10(SUN)09:00-21:00
@東京お台場オープンコート

snapped by: LOMO LC-A

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2005年04月25日

アースデイ

アースデイ@代々木公園

アースデイは1970年から続く地球の日(4月22日がそうらしい。代々木公園では22日と23日が該当)に地球に感謝する日。

平たく言えば、日常的な試みとして地面に向かってお辞儀するというイベント、、、ではなく、エコロジーや環境汚染、オーガニック、自然循環などに集約されて、いかにしてエコな感覚が定着するかとか、日々の生活から、どんなことが自分達なりにできちゃうのみたいな、気持ちというか、方向性を確かめたり考えたりするフェスティバル。

フェスティバルなので、テーマは重たいといってもスタイル自体は堅苦しくなく、どちらかというと、音楽あり、フリーマーケットあり、屋台ありのお祭りに限りなく近い。つまり祝祭的だ。


さて、今回の会場で注目を浴びたのが、屋台のDishReuseSystemというシステム。

全ての出展している屋台に導入されていて、どういうシステムかというと、たとえば普通なら屋台が準備する紙皿や紙コップなどのたぐいが準備されていない。

じゃ、どうやって食べるのってところだけれど、もちろん長髪のビーズをたくさんぶら下げた人たちが多くても、素手で食べるわけにもいかないので、専用のブースでレンタルのお皿─ほにゃらら合成プラスチックで石油から生成されていない─を100円で借りて、それを持って列に並ぶのだ。

もちろん、マイ皿を持ってきて並んだってかまわない。

要するに救世軍(サルベーションアーミー)みたいなもの。

で、食べた後は、その専用ブースにお皿を返す。100円もそのときバック。専用ブースでは古布が置いてあってそれで皿を拭く。

ゴミゼロ運動の一環だという。

僕らもタイ料理の匂いに誘われて、さっそく到着後に皿をレンタルし、汁そば(バーミナム)とぶっかけご飯(カオ・ムー・デーンだっけか)を食べる。

ピリッとした唐辛子と八角がアジアの味だ。とても気持ちのよい午後の晴れた日なので、自ずとビールも購入。ステージの音楽も、どうやらトランスのイベントとは一味違うサウンドシステムのようで低音と高音が綺麗に波長して素晴らしい。

幸せに包まれて、とりあえず乾杯っー。

初夏のような新緑の一日にはアジアンフードがぴったりくる。黄金色をしたビールと白い泡も眩しい。


さてお腹も満たされ、どれどれとあたりを見回してみると、どうやらアースデイ自体の参加層が厚いらしく、また、70年代のカウンターカルチャーに掛かるムーブメントに源を発している流れからなのか、トランスのパーティなどでは見ないようなリアルな ─あるいはもっとネイチャー色が強い─ ヒッピー達もいた。

もちろんレイブ組も。

ぶらぶら歩いていると、さっそく昨日からほとんど寝ていないそうなショウちゃんを発見。GW中にオーガナイズするイベントのフライヤーを貰う。

フリーマーケットに移動後、チビ助と合流。チビ助の彼氏、マサキも登場。さらにフリーマーケットを徘徊。あっこちんのトモダチが店を出していたので、そこでしばしお喋り。沖縄で絵の勉強を続けた後に、その独特の画法を織り交ぜた洋服を作っている。マングローブの素材であったりと、なかなか本格的。

続いて、ひさびさにギャリーが登場。日本語ペラペラのノースフェイス好きなイギリス人。

最近は嫁に内緒で仮装パーティによく行っているらしい。自分の引き出しにはドレッドのマイウィッグがあって、それを被って行っているんだと目を輝かしていた。大人な遊びなので君らもいつかねっだってさ。

なんのこっちゃ。しかし面白い外国人だな。また野外に行こうね。


で、居ると思ったらやっぱり居たのが、キョウちゃん。

さすがにまだ時間も早いからベロンベロンになってなかった。でもやっぱり缶ビール片手にしていた。毎週のようにどこかしらで最近は遭遇する。

で、その遭遇組といえば、のどか嬢。この子もやはり出没していた。チッタの エトニカと JORG のパーティに行こうかどうか迷っているらしい。

ウシオとあっこちんが「ウチら、行くよ~」と言うと、さらに深く悩んでた。「どうしたらいいの?」いや、聞かれてもさ。どうすればいいのかね。

愉しい時間も過ぎ、夕暮れが訪れるとともに、今日のイベントはお開き。最後はデッド系の曲が夕方を染めていた。夏はもうすぐ。

この日の購入品は、ダライラマの FreeTibet のTシャツ。そして、絞りたての秩父産の生醤油なり。


アースデイ2005

http://www.earthday-tokyo.org/

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2005年04月22日

呑み助

4月のアタマに開催された@代々木公園のパーティを。

Jikooha のライブは曲がり系で超気持ちよかった。
そのあとの記憶は例のごとくテキーラ飲みあかして欠落。

で、欠落寸前に撮った一枚。
このあとどうしたっけ。。。。?

20050423


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2005年04月21日

今日の出来事

諸先輩方(ケニさん、エリクソン)の厚きご好意より、あのノートPCのメモリを増加。
128MB →192MB にアップ。

初めての裏蓋オープンに軽く怖じ気づくxxx

でも、これで快適スペックに一歩前進だよん。256MB までならイケるんだけれど、それはガマンかね。

業務が忙しいのだ、ここのところ。

というわけで、今日はちょっとだけ、(最近)お気に入りの画家さんを紹介して、オヤスミっす。

Moira Hahn

アメリカ在住の女性アーティスト。

日本の浮世絵を基本とした絵にドラえもんや鉄腕アトムを重ねて描く方。
あくまでも浮世絵に近くオリエンタルな雰囲気を醸しつつ、西洋の色使いであるところが不思議かつ新鮮。

http://www.moirahahn.com/

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2005年04月19日

靖国問題

なげけるか いかれるか
はたもだせるか
きけ はてしなきわだつみのこえ
『きけ わだつみのこえ』


例え、いかなる戦没者が眠っていようとも、かつてまだ10代~20代の青年達が「また桜の舞い散るこの靖國の下で再会しよう」と互いに誓って戦地に赴いた事実がある以上、たとえ現首相の靖国参拝は批判されるべきではない。また首相は正式な参拝作法を以って参拝すべきであると考える。

僕は中国や韓国の靖国批判こそが危険因子であると考える一人だ。

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2005年04月18日

ジパング少年

・いわしげ孝 「ジパング少年」(ビッグコミックス全15巻)

「ジパング少年」

80年代後半から90年代初頭に掛けて管理教育の社会問題があった。

いまみたいな〝ゆとり〟教育と呼ばれる時代のずーっと昔の話。

学校という場所では、生徒は管理されて当たり前という状態で、日本全国厳しい校則の学校があり、ポケットを縫いつける校則(なぜならポケットに手を入れて歩くというのは、〝風紀を乱す〟行為だからだ)や、男女が5m以内に近づいてはいけない校則など、あまたにがんじがらめのルールが存在した。

生徒の個性というものは存在しない、そんなものは必要ないのだ。その社会問題は僕が記憶する限りで「女子高生校門圧死」事件でピークを迎えていたような気がする。

これを読まれている方の中にはご存知無い方もいらっしゃるかもしれないので、少しだけここで触れたいと思う。

この事件は、1990年(平成2年)7月6日午前、神戸市西区の兵庫県立神戸高塚高校で、遅刻の為に校門の門扉に挟まれて生徒が死亡した。その学校では始業の時間に間に合わない生徒が居ると、チャイムに合わせて豪気に門扉を閉めるのである。

その教師がゴロゴロと扉を閉めた音に驚き過ぎた生徒が鉄製の扉に挟まれて死亡したという事件。とにかく信じられないことに、たかだか10年前では、遅刻だけで生徒が死ぬという時代だったのだ。

ただ、そういった学校教育の歪みについて論説指摘をかますのが今回の趣旨ではないので、元に戻すと、このマンガ「ジパング少年」の主人公である 柴田ハル は、そんな管理教育に反抗し、その矛盾したシステムを、自分と自分の僅かな友人以外はおかしいとすら思っていない日本の風潮を何とか壊し、日本の外へ飛び出そうと頑張る高校生で、このマンガはそんな不器用でもある彼らをめぐる物語だ。

徹底して教師に対し〝イエスマン〟が求められている学校なのに、禁じられた生徒総会を開催しようとし、退学を賭けてまで、文部省の望む通りに仕立てられている学園祭のジャックを、同じく同級生が主催しているインディーズ系で人気を誇るパワースラムスの野外ギグを校庭でぶちまけることで企て、既存の体制を覆し、全校生徒を参加させることで風穴を開けようと奮闘する。

このあたりのシーンは、たとえ高校生じゃなくても今読んでも昂奮する。

結局、退学となった 柴田ハル は、同じく退学になったペルーからの帰国子女の 森ととら 、既に退学となった 祖父が臨教委員で巨大コンツェルンの御曹司である 城山ひとみ、そして 父親がプロディーサー、母親が有名女優である かんな と一緒に南米に旅立つ。

そのようなバッググランドに大きく苛立ち、ひとみ も かんな も両親と本当に求める自分とのギャップに反抗をしてきたタイプなのだ。

やがてオーロレ(ガリンペイロ=ポルトガル語で、一獲千金を夢見、南米アマゾン川流域で金掘りをしている労働者の総称)を目指し、イタリア人カップルの ロッキー と ソフィア と出遭い、失われたインカ帝国の黄金伝説 ビトコスを見つける。

しかしビトコスは結局のところ部外者が触れるべくモノでは無いことを理解する。それはインカ民族のためにあるものだったのだ。南米まで旅たち、多くの人々の死にまで遭遇した17歳の少年たちは振りだしに戻ってしまう。イタリアに帰国するというロッキーたちと別れ、ハル 達が最後に気づく。

南米の最南端で感じるモンゴロイドである自分のルーツ。

自分の日本人たるルーツとは何か、日本の自分に合うことのないシステムを嫌い、それでもなぜそこまでして日本にこだわり、日本人であることを考えてきたのか。ハル 達が出会ったのは遥か一万年前にアジア大陸を越えてやって来た純粋モンゴロイド(ファーストアメリカン)。そこで自分の求めていたゼロの感覚に身を震わす。


旅、南米、ガリンペイロ(黄金掘り)モンゴロイドロード、ビトコス。

名作である。放浪癖がふつふつと沸く。旅に何かを求めるすべての人に。


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2005年04月15日

LAST POSSIBLE SOLUTION

Systems Of Compliance(LAST POSSIBLE SOLUTION)

DEVIANT SPECIES の PAUL WRIGHT が設立したレーベルからの第3弾。 PAUL WRIGHT はNRS(Neural Rectifier Syndrome)という名義でこのアルバムに参加している。

ICEBREAKER、REGISTERED USER、DAMAGE などドロドロした〝困ったちゃん〟な重いトランスはさながら。
ちょっとプログレ寄りのサウンドもフロアを賑わすには充分すぎるクオリティだ。

キックの強いダークなトランスで巻き込まれたい人に。

※ LAST POSSIBLE SOLUTION は今年大注目のレーベル。

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2005年04月14日

Aphorism [森山大道]

当時('66)、毎日数多くの写真を撮り、それなりの手ごたえを感覚しながらも、僕はいつも得体の知れないイライラやモヤモヤを沢山抱え込んでいた。

そうした、写真を撮ることから生じるストレスや、僕の日常生活そのもののなかにひそむ不安感の一切を、この本をつくるにさいして全てぶちこみたいという思いだったはずだ。

写真にテーマなんていらない、写真なんて美しくなくてもいい、僕の眼に写り、身体が感応し、心に突き刺さってくるものはことごとく対象であり等質なのだ、という過剰な気負いの中で一気に編集した覚えがある。

むろんそれは、半ば以上無意識の作業であったと思う。


森山大道『にっぽん劇場写真帖』(写真家)

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2005年04月13日

週刊SPA!の興亡

巷で語られて久しい話題に〝SPAが詰まらなくなった〟という例がある。SPAとは週刊誌のことで、よく吊革広告で見かけるであろう赤と黄色で配色されている20代~30代後半の独身男性を(おそらく)ターゲットにした雑誌だ。

毎週そのトピックスが変わるのだが、これがもう本当に寒い。氷山の上で裸踊りするような陳腐なレベルがいつまでも続いている。

ちょっと例を挙げてみよう。

「年収別20~30代[投資ライフ]の平均像」
「女が語る[男を結婚候補からハズした瞬間]」(2005年4月12日)

「株投資ビギナーズラック[ボロ儲け]のツボ」
「上級者向き[脈アリのメカニズム]大研究」
「超保存版 ビジネスマン[印象アップ戦略]講座」(2005年3月29日)

「20~30代[税金ボッタクられ]明細書」
「口説きの[ツメ技]ベスト55」
「スキミング横行時代の[カード(裏)格付け調査]」(2005年2月15日)

と、なんとも場末のスナックでおっさんたちが酒を片手にホステス相手に溜飲を下げているような内容である。いかにもトピックで釣らせてもらいまっせみたいな精神が丸出し。雑誌版東スポ。

それでも結構買う人も多いというから、やっぱりジャケ買いさせるような魅力はあるのかね。

で、トピックに負けず劣らずなのがそれら記事内容。
これがまた実際に読むとなんだか広告臭がプンプン漂う特集だったり、もっともらしい記事なんだけどスポンサーの影が見え隠れするようなシロモノばかり。

唯一、この雑誌読んで良かったなぁと思う個人的心象は「バカはサイレンで泣く」ぐらいであるのが最近の傾向だ。


なんでも創刊以来から携わっていた編集長がある時期を境に変わったのが理由らしい。
それに伴い、だいぶ濃い充実した企画のラインナップであった雑誌も意向にそぐわないとして、当世の編集長より変更を命じられ、どんどんと方向性が歪んできたと聞く。

なんでそんな楽屋オチみたいな話を僕が知っているかというと、大学時代の友人が扶桑社で 週刊SPA の編集をしていて、その一部始終を見ていたと語ってくれたからだ。僕もある時期に、ん?この雑誌突然と面白くなくなったぞと感じた頃があった。そしてその時期というのが奇しくもこの友人の話した─つまり働いていた─事実と一致した。

というわけで、どうにかならないものかなぁ。週刊SPA。
読んで良かったぜ感が足りないよ。もう長らく買う気も失せたので買ってないからいいけれどさ。

(と、これだけ長く愚痴っているのは、こないだ酔ったついでに記憶を失くし、勢い余って(恐らく)コンビニで 週刊SPA を買ってしまったからである。二日酔いの頭で読んだら案の定、ゼロポイントな雑誌だったというオチ。)

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2005年04月11日

渚音楽祭05年春(1)

良い小春日和の日曜日。渚のパーティに行く。詳細とラインナップは以下の通り。

渚音楽祭 2005.04.10(SUN)09:00-21:00

@東京お台場オープンコート
ADV\1500-


太陽/Techno House
CARL CRAIG(Planet-E)
KEN ISHII (70Drums)
Q`HEY(Moon Age Recordings)
LOUD-ONE(bnm)
DJ Aki
UKAWA NAOHIRO(VJ)
ENWAMADE(Decorator)
3-31(Decorator)
BAGS GROOVE(Lighting)

月/Trance Techno
DOMINO(Music of Sphere/UK)
YANIV(Hadshot/Cosmophillia)
TSUYOSHI(Joujouka/TokioDrome)
KINOCOSMO(Space Gathering)
RICE aka 近田春夫(Anoyo)
uvAntam.com
UNI(Throb)
NOGERA(Echo&Nymph)
MAYURI(Metamorphose)
SEINO(Balearic Sunrise)
TRI-FORCE
MIWA(Decorator)
ZAKURO(VJ)
SAVKA(VJ)
M.M.DELIGHT(VJ)
KLOMA(VJ)
SHINKI-LOW(Lighting)

空/TranceBar
FULL MOON MONDO(New World)
KOTARO(Techno.to/Equinox)
MAIRO-SUCH(Fineplay)
MASA(Space Gathering)
RYO(Solstice Music)
SAL(Stargate)
SO(Labyrinth)
TA-KA(Mother)
TAKAYA(Wakyo)
DJ YU-KI(T.P)
YOSHIDANCE(TPE)
YOSHIIE(Side-3)
KC(Decorator)
R領域(Decorator)
聖紅(Decorator)

星/FreeStyle AnotherStar Stage
EYE(boredoms/v∞redoms)
NORI(Nitelist Music/Gallery)
HIKARU(Blast Head)
SANDNORM(OVA)
VENUS FLY TRAPP
TIGER(Dai/dol-lop/Neemura, Rev)
山頂瞑想茶屋(Lighthouse)
SOUVENIR(Dancer)

風/FreeStyle Hardcore
RIP'N'EIJI(Psy-Harmonics/Panorama Records)
のなか悟空・人間国宝(のなか悟空/drums, 近藤直司/sax, ヒゴヒロシ/bass)
DACHAMBO(PLEASURE-CRUX)
HI-GO(Dip Aura/Ijar Connect/meki-higon.com)
ERA(Dip Aura/meki-higon.com)
Gaijin Complex(www.metaray.info)
izzy a.k.a. utsumi
ULU vivo TATEYAMA(nulo/AOA/Ijar Connect)
ZOMBO(FRANK ZAKKA/ZA CAFE)
OVERHEADS + FLOWERHEADS
(Liquid Lighting)


これだけのメンツが勢揃い。しかも1500円。

今回ばかりはトランスもさながら、テクノのステージが熱い。CARL CRAIG(Planet-E)とKEN ISHII (70Drums) 。

とくにケンイシイ は、個人的に96年のレインボー以来の野外ということもあり、超楽しみ、もう浮き足状態。

時間も15:30からと夕暮れと程好いスケジュール。

さて、お台場テレポート駅で降りると、居るわ居るわ。わさわさとパーティピープルが。
サイケデリックな色彩の連中が駅を占拠しているのは異様な光景。どうやら風はちょっと強いけれど4月だというのに半袖でも暑いぐらいなので、それに比例して来場者も多いようだ。

ゲートまでの列がとんでもないことになっていた。500人ぐらいの行列。迂回する感じに並ばなくてはいけないので、最後尾まで辿り着くのに10分ぐらいかかる。トホホ。買ってきたビールを飲みつつ、ウシオのお土産のタコの薫製を齧りながら、列に並ぶ。缶ビール2缶投入し、入り口に到着。

ところで今回の前売りチケットはQRコード化されている。QRコードとは次世代バーコードのこと。2次元バーコードの一種で、1994年デンソーが開発し、数字だけなら7089文字、漢字を含めると1800字の情報の情報を盛り込むことができる。従来のバーコードが一方向にしか情報が存在しないのに対し、QRコードは縦と横の方向に情報がある。

ノートPCが鎮座している受付で、携帯に送信されたQRコードをスタッフに見せ、早速リーダーで読み取る。

「オオイシ様、一名様ですね!」銀縁眼鏡を輝かせてフル笑顔で返してくれたのはいいが、読み間違いだ。ズッコッケである。一名じゃないよ。しかも名前も知らない人だし、それ。誰のデーターを読み込んじゃっているんだろうか。もう一度リーダーにかざすが、どうやら的の得ないデータしか出て来ていないようだ。スタッフも首を傾げている。

結局トホホな感じで「スミマセン、お名前を」と手入力で参照。持参したIDカードも見せ無事に入場。未来はまだ先か?

何にしても、入場ということで、Enter the Matrix! 我、搬送ニ成功セリ。

カバンの奥底に忍ばせたバカルディ(ラム酒)一瓶の持ち込み完了!。厳しい関門を突破だ。早速、ラム酒を〝闇酒(やみざけ)〟と命名することとする。スタッフに出くわしてもいいように、万が一を備えて、スーパーの ビニール袋の中に詰めたバティックに丸めて呑み回す。うふふ、サトウキビのまろやかな味わいがたまらないね。

コウタと合流後、ステージに向かう途中で、マサヨシ君カップルを発見。またトモちゃんが飯食ってるよ。トモちゃんは出くわすと必ずムシャムシャ食べているので、そのことに関して指摘をすると恥ずかしがるのだ。ちなみにマサヨシ君は肩に猫が乗っかっている妄想を度々繰り返し、トモちゃんはUFOを見たことがあると主張するコだ。なかなかステキなカップルである。

まもなくすると、のどか姉妹、キョウちゃんが登場。呑んだくれ達が集まってきた。のどかはワインを持ち込んだそうで、〝闇ワイン〟を片手に持っている。つまり自然の流れで、呑みまわす。

ケンイシイが始りそうなので、さらにステージの奥へと進む。結構な人が集まっている。やっぱ今日のメインというか花形って感じかね。コウタの奥さんであるエレナと合流。エレナと同じ大学のコ達も何人か会う。それぞれ相当ヘベレケ状態。

ケンイシイがスタート。出だしから丁寧な感じに痺れる。徐々にキックのある音が会場を包む。一体感を創り出すのが上手い。みんなノリノリだ。うん、太陽もサンサンと照らしている。

しばらくすると、ダイちゃん、イズミさん軍団、シンちゃん、ガチョウカップル、タカちゃん、クミカルも発見。

大学の同級生、キャップ、登場。

テクノやハウスのオーガナイズを大学時代から手掛けているので、今日は居るかな?と思ったら、やっぱし居た。しかも酔っ払い。オギョーとか嬌声を揚げて注目を浴びていた。

当然の事ながら〝闇酒〟を渡す。グビグビ呑みやがる。大量のビールを買って来てくれて、奢ってくれた。サンクス、キャップ。

しばらく雄たけびを発した後に「チャーハン喰ってくる」と屋台のほうに消えていった。あんなに酔っ払ってるのに、よくもまあ食べれるね。

あっという間の夕暮れ。ひさびさの晴れた野外はやっぱ気持ちいいな。トリのカールグレイグは重たい音だ。うーんテクノの真髄ってあたり。トランスのステージでTsuyoshi、DOMINOが回すので、後ろ髪を引かれつつ移動。足元フラフラ。

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2005年04月08日

想起映写機

現像から戻ってきたLomoLC-A で撮ったモノクロ写真、一枚も焼き上がりが成功していなかった。
ひさびさにショック。何を失敗したのだろう。何も残さずに420円の出費・・・。大した金額じゃないって言えばそれまでだけどさ、わりと色々なところに出掛けたりした写真だったので精神的に痛い。

もう何も撮らないやと半ば不貞腐れてカメラを放り投げるものの、しばらくしてフォトグラファーの鬼気迫る写真や溜息のでるような写真を見ると、イソイソとして、うん俺も・・・なんて思ってしまう。


自分なんてテクニックも構図も知らないし、ヒラエルキーの図式からしてみれば、
プロ

セミプロ

ハイアマチュア

アマチュア

なんとなしにカメラを持っている人。わーい。

の一番下にいるわけだけれど、〝好きこそものの上手なれ〟という言葉が僕はけっこう昔から大好きで、この言葉は、本来は「好きである事柄だからこそ上達が早い」って意味だろうが、個人的には「好きだったら、それでいいんじゃん」みたいなライトな感じに解釈している。

つまり、好きなことをすればいいんだよ、と。僕はこういう思想というか考えを尊重するほう。
だってさ、やりたくないことやったってしょうがないじゃん。

就職活動の本(俗に就活本)には「あなたのすること(=仕事)を好きになりなさい」的な僕からしてみればトンチンカンな事を平気で書いているのしばし目にする。ポジティブシンキングの代表的な例。

でも僕は、おいおい、ちょっと待てよ、そんなに上手く事が進むわけがないじゃんと少しばかり否定的になる。

もちろん、最初の印象と始めてからの印象が違いました、みたいな例はある筈だし、それについて問題提起しょうとは思わない。でもね、やっぱり、キライなものはもうしょうがないんだよ、きっと。逆をいえば、好きなものもしょうがないんだよ。

やれって言ってもやらないだろうし、やるなって言われてもやるだろうしね。

ちょっと逸れてしまった。兎にも角にも心の奥底を揺さぶるような琴線に触れる作品とかって素晴らしい。

そういうモノにいつまでも触れていたい。美しいからとか、綺麗だから人を惹きつけるとも限らないんだよね。日常に埋もれる一瞬だったり、とりとめもない事象に輝く何かがある。


足の長い雨が降る平日の午後、僕らはひっそりと窓ガラスに反射するタクシーの灯りを見て、そんな話題を思い起こすかもしれない。

コッツコッツと壁掛け時計が静かに時を刻む。

あるいはタクシーの灯りは僕らに暖炉の薪を想起させ、仄かな橙色の炎が湯気の篭れる紅茶を呼び起こし、白い食器棚からティーカップを運ばせるだろう。

でも食器棚は空想上の産物だから、僕らはその想像上のカップに映るガーネットのような紅茶に砂糖を幾つ煎れるか考えるだけにして、やはりただタクシーの過ぎゆく姿を見詰めるだけで、そのテールランプの滲んだ光線を視線で追う。

悠久の窓ガラスはいつしかそこにある。

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2005年04月07日

黄金週間

1998年のGW(ゴールデンウィーク)は、ネパールのカトマンドゥに居た。

4月に陸路でインドから入国し、ポカラにしばらく滞在した後、首都であるカトマンドゥに買い物を兼ねて遊びに行ったのだ。

70年代バックパッカー達の三大聖地は今も衰えることなく、数百年も昔から現存しているといっても不思議ではない建物ばかりで、眼前には世界の屋根であるヒマラヤが聳え立ち、コナン・ドイルの「失われた世界」さながらであった。

ただ、ダルバール広場から奥に進んだジョッチェン(チョークフリークストリート)は、かつてのヒッピーの溜まり場だったというが、いまではその栄光の影もなくトップの座をタメル地区に譲っていた。

刺繍を取り扱うショップも多く、チベタンレストラン、日本料理屋「味のシルクロード」、格安のゲストハウスもあるので、我々はそんな流行に右へ習えでタメル地区に拠点を構えた。

それにも加え、その頃の僕は自分のバックパックを背負うとしばしば眩暈を感じて、それほど多くの距離を移動できなかったのだ。

インドでいささか遊びすぎたせいか、僕の体重は40キロ台まで落ち込んでいて、食事をたくさん摂ることのできない身体になりつつあった。

ガンジス川でこじらせた風邪が下痢を併発してから、通常の食事が喉を通らなくなり、胃がどんどん小さくなっていくのが自分でも分かった。そろそろヤバいなとは思ったけれど、帰るつもりもないので、そのうち行くであろうタイで体力回復を狙った。

時々鏡を見ると自分の顔が土色になり、頬がどんどん細くなっていくので、幾分の恐怖は感じた。また体力が落ちて抵抗力がなくなっている旅行者が肝炎に掛かる例をいくつも見てきたので、水と衛生に気を配るようにした。

そして、その5月のある日、相変わらずぼんやりと街を散歩していると、その日だけやたらと日本人旅行者が多いことに僕は気が付いた。しかも団体旅行のようで、何人も纏まって道を占領していた。

あまりにもその数が多いので、僕はなんだろうと不思議に思って、毎日チャイを呑みに通っているカフェの店員に訊ねた。
「オハヨウ。ねえ、なんか今日はやけに日本人が多いね。なんかあったのかな」と。

彼女は僕に衛星版の昨日付けの新聞を渡すと、ニッコリと「あら、日本のゴールデンウィークでしょ」と別段取り立てる様子もなく答えた。

僕らは時々彼らのその学習能力の高さに驚くことがある。海の向こうの行くことも無い日本という国にゴールデンウィークという大型連休があって、多くの日本人が外国に旅行に出かけることを知っているのだ。
そういえば、ミレニアムに滞在していたバリではバリニーズが〝だんご3兄弟〟を口ずさんでいたもの。

ああ、そうか、ゴールデンウィークかと僕はまるで夢の世界のスケジュールを聞かされているかのように納得をした。日本に居ない以上、少なくともその慣習的な日本のシステムの影響を受けることはないので、気が付かなくても無理はない。なにしろ大学を卒業したとしても、就職活動もせずに、ブラブラと放浪しているのだから慢性大型連休なのである。

「もしヒマだったら、リックマンの店に行ってみたら?きっと面白いものが見れるわよ」彼女は続けて言った。

リックマンは23歳のネパリで、刺繍を扱う店で働いている。僕は買い物もしないのになんだか彼に気に入られて、よくコーラとかチャイを店先で奢ってもらった。

あんまり商売っけもないようで、いつも欠伸をしたり犬を撫でたりしている男だ。

彼女のその口調ぶりがなんか意味深でもあったので、そのまま散歩ついでに僕はリックマンの店まで足を伸ばした。

「よう。コウ。今日はやけに早いな。コーラでも飲むかい。」リックマンは相変わらずの笑顔で僕にコーラを勧めた。

「いや、いいよ。いましがたお茶してきたしね。ありがと」僕はそう言うと、チラッと店内を眺めてみた。

そこは、、、そこはネパールであってネパールでは無かった。神々の宿る国なんかじゃなかった。
開店したばかりのイトーヨーカ堂でしかなかった。

何人もの夥しい数の中年女性がガヤガヤとけたましい声を張り上げて、洋服を選ぶ修羅場だった。

リックマンはゲラゲラ笑いながら言った。
「どうだ。面白いだろ?」
「ああ、すげぇな。これ。」僕はその熱気に圧倒されて、ちょっと言葉にならなかった。

水を飲み干すたくさんのラクダの映像ををどこかで見たことがあるけど、それにそっくりの光景だった。

「でも、なんで?」彼だけの店が流行る理由が見当たらなかった。僕はリックマンに訊ねた。
「コレだよ。コレ」リックマンはツンツンと人差し指を上に向けるとその店の看板を指した。

日本のお客さま、大歓迎。いまだけ20パーセントオフ!

たったそれだけなのだ。たったそれだけの日本語の広告(しかもきっとそれだって何処かのバックパッカーが書いたのだろう)でお客様が集まっているのだ。

いまだけって文句がなんとも言えない。そこには不思議な引力があって、ゴールデンウィークという名の祝祭的な限定された連休と重なって魔力を帯びている。

鼻歌まじりで商品の説明をしているリックマンを見て僕はただただ賛嘆するのみで、やっぱり彼らの学習能力は驚異的だなと改めて敬服した。


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2005年04月05日

Aphorism [荒木経惟]

私は『決定的瞬間』という言葉は意訳だと思っているが、
実際は『絶妙のタイミング』という言葉だと思う。


荒木経惟『Coyote No.2 ブレッソンに捧げる日』(写真家)

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2005年04月04日

イチゴ狩りツアー

日曜は〝クラブツーリスト〟主催の「イチゴ狩りツアー」に参加した。am07:00 に新宿都庁下を出発して伊豆まで行くというもの。以下がそのスケジュールである。

am07:50 新宿発。

am08:45 海老名サービスエリア休憩。

am09:30 アサヒビール工場見学&出来立てビール試飲。

am11:15 ワサビ工場見学。買い物。

pm12:50 御殿場アウトレット買い物(3時間)。

pm16:20 イチゴ狩り。

pm18:00 魚河岸。買い物。

pm19:30 海老名サービスエリア休憩。

pm21:30 新宿駅西口着。


これが、なんと参加費:3,980円。安すぎ。プラス温泉でも附いていればもう完璧だ。

バスツアーといえばオバサン連中の聖地(サンクチュアリ)かなと思っていたが、意外にも若い連中が多い。ツアーのスケジュールのせいだろうか、御殿場のアウトレットが一番楽しみ♪というグループが目立っていた。

我々といえば、前日の代々木公園のパーティでだいぶ呑んだくれて、はしゃぎにはしゃぎまくり、早く寝なくてはいけなかったのに時計を見てみたら、既に1時を回っているという毎度の始末だったので、超寝不足。僕はかろうじて記憶はあるのだけど、テキーラを爆飲して完璧に記憶が欠落してしまったあっこちんは「なんで、こんなに傷だらけなんだろう~」と顔や手にある擦り傷を見つめながら不思議がっていた。どうやら派手に転んだことや霰も無い姿をお披露目したのは忘却の彼方のようである。

なので、買ったおにぎりを食べて、シンリ君には会えるかねとか囁きながらまどろみの中へと旅をする。

シンリ君は3年前の岐阜のVQ(ビジョンクエスト)で出遭った名古屋から来た女のコと引き合うように付き合うこととなり、少し遠距離恋愛を続けていて、たまたま募集をしていたアウトレットに履歴書を送ったら、受かってしまい、今は東京を離れて御殿場に住んでいるのだ。

それから時は過ぎ、めでたく結婚もされ、さらには第一子も産まれ、あれやこれやとすっかりお父さん。結局東京から離れてメールやBBS上でしか連絡をしていないので、期待している。前回ゴアギルのパーティの時に帰りに寄ったけれど結局お休みということで会えなかったのだ。

そんなことを話しつつ、瞼が重たくなる。

遠くのほうでツアーコンダクターさんの説明らしきものが聞こえる。

おやすみなさい。

zzz。

朝の東名高速はガラ空きで、出発したと思ったらもう海老名である。海老名サービスエリアといえば〝メロンパン〟があまりにも有名で、その美味しさのゆえにわざわざここに立ち寄って、買っていくファンもいるほど。店内で焼いているので、外はカリカリ、その中身はふんわりとしたメロンパンはたしかに旨い。僕らも東名に乗ってパーティに行ってた時とか(ソルスとかね)、よくここで降りて食べたものである。でも、今日はパスする。腹ペコにしておかないと、、、だから。なので、ちょっとトイレとリフレッシュを兼ねて深呼吸。幾分寒いけれど、気持ちの良い晴天で、空気が透き通っている。良い一日になりそうだ。

さぁ、バスはどんどん進んで、アサヒビール工場に到着。東京から一番近いという神奈川工場。この日は休日ということで、残念ながら工場はお休み。そのかわり運転していない機械の説明をモニターで映している。フムフムと話半分で聞きつつ、最新の施設を眺める。1分間に30本とかビール缶を仕上げる工程には目を見張るものがあった。オートマチックどころの騒ぎじゃない。だって、5人ぐらいしか生身の人間は働いていないと言うのだもの。

簡単に説明すると、ビールの最初の段階である麦汁(ばくじゅう)生成から梱包してトラックに積む直前まですべて機械が賄っている。それくらいヒューマンレスなんだ。工場見学に参加しながら、SF映画で観るような フィリップ・k・ディック の世界を考えてしまった。人間vs機械。人工知能が開発されたら絶対やられちゃうって、俺ら。

話をビールに戻すと、平日の稼働日であったら前述した麦汁(ばくじゅう)の試飲もできるとか。機械もガッシガッシ動いて働いているので、そっちのほうがお勧めである。

アサヒビール神奈川工場 
HP

ビールの歴史とアサヒビールの素晴らしさに感銘を受けた我々を待っていたのは、ギンギンに冷えた生ビールである。待ってました、これを。ビール工場で生ビール。どれだけ拡大解釈したて胸を張って〝産地直送〟と言っていいのだ。いや、直送どころじゃないね。〝もぎたてビール〟。
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驚いたことに2杯めからは黒ビール、ハーフ&ハーフも呑めて、おつまみもアリ。ビールの呑めないお子様にはジュースも用意されている。もちろんすべて無料。
そして外はピーカン日和。ウフフ。

ビールサーバーのお姉さんはさすがに注ぐのが上手だ、緊密な泡をきっちりとグラスの縁ギリギリまでに盛る。芸術的な仕上がりに思わず拍手。ビールという飲み物は不思議で、注ぎ方ひとつで美味しかったり不味かったりなのだ。一気に一杯目を飲み干し、黒ビールを飲む。濃厚な味わいと苦みがいい。
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続いては、わさび工場。ここは大して見どころが無かった。これといってわさびの生産過程が見学できるわけでもなく、ちょっとしたお土産や、おにぎりとか蕎麦といった軽食が食べれる施設のようである。

スケジュール的に意外とここで時間を取るので、ぱっとしないわさびを試食をして、丸テーブルでぼんやりと過ごす。ここで昼食を食べて、次のアウトレットの3時間をフルに使おうというグループも居るようだ。僕らも〝混み〟を予想してさんざん迷ったけれど、結局ここじゃ食べたくないな的ムードが漂っているので、アウトレット内で食べることにした。だって美味しくなさそうなんだもん。

それはそれとして天気は無償の幸せを与えてくれるので、日当たりが良くて気持ちいいなぁとか、この焼き鳥塩足りないねぇ、なんて呟いていると、後ろから聞き覚えのある声で「コウちゃん?」って聞こえる。

ぐるっと振り向くとなんとそこには赤ちゃんを抱えたシンリ君が立っている。超ビックリ。何という偶然、何という巡り合わせなのだろうか。僕らは一斉に嬌声をあげる。

「おぉぉー、何やってんだよー、こんなところで??」。

お互い様だ。僕らはすっかりシンリ君は日曜日なのだから店に出ていると思っていたし、シンリ君はシンリ君なりに、まさか僕らが御殿場にいるなんて思っていなかった筈なのだ。驚いて当たり前である。

僕らは事の経緯を説明し、実はスケジュールでもアウトレットとわさび工場は入れ替えだった点も言った。そう、本当はアウトレットが先でその後にわさび工場に行く予定だったのだ。しかも、イチゴ狩りツアーは先々週分に申し込みを考えていた。その時はもう満杯だったから時期をずらしたわけだけど・・・。。まさに偶然としか思えない。シンリ君もなんとなく寄ってみたとかだもの。言葉じゃ説明できない不思議なことが在るんだね。
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時間も中途半端なので、もう一度、御殿場のアウトレットでシンリ一家に遭うこととする。生後7ヶ月のリクちゃんはとってもキュート。


御殿場のアウトレットではGAPでTシャツを購入。2枚で2,400円。

ガイドさん曰く、アウトレットは大概が木曜日に品入れするので、金曜日か土曜日の朝までが狙い目だそうだ。日曜なるとさすがに品薄状態らしい。そうかもね。ぱっと流して見る感じだったもの。僕らもシンリ君と遭えたので、どうも買い物よりはそっちに意識が集中している。

トラックコレクターとして名高い彼は、御殿場に移っても、厳選のアルバムをオンラインで購入しているらしい。試しに最近のお勧めを聞いてみると、鋭い回答が返ってきた。現場での注目アーティストやレーベルとほぼ一致している。さすがだ。まだまだ現役じゃん。握手をしてお別れをする。今年はパーティに復活予定とか。楽しみにしてまっせ。


いよいよ本日のメインイベント〝イチゴ狩り〟。
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持ち時間は20分。げっ、そんだけしかないの、時間?って思ったら、ガイドさんが「きっと、皆さまの中には、たった20分しかないって思われる方がいらっしゃられるでしょうが、きっと食べ終わった後は20分もあれば、充分って感じる筈ですよー」とのこと。そんなもんかな。とりあえずハウスの入り口の農園のおばちゃんにコンデンスミルクの入った容器を渡される。よしっ、レッツ・イチゴ狩りー。

結構な量のイチゴがたわわに実を結んでいる。真っ赤なイチゴがいっぱいだ。ミルクをつけなくても甘い。ヘタをむしってどんどんと頬張る。うーん、幸せ。前にたくさん人がいるのに、獲れきれないくらい豊作であるのが嬉しい。

そんなことで、むしゃむしゃ食べ続ける。イチゴでお腹がいっぱいになったのなんて初めて。結局甘いのばかり食べたようでミルクは全然必要なかった。ある人曰く、イチゴ狩りのイチゴなんて酸っぱくて食べれたもんじゃないよぉ、だったけれど、そんな事ない。もちろん時期や場所にも寄るだろうけど、今回の伊豆長岡イチゴ狩りツアーに関していえば、これはもう大満足のレベルである。小ぶり、大ぶり、両方のイチゴがジューシィーで潤沢な甘さたっぷりなのだ。2パック1300円でさっき売ってたので、ヘタだけで計算したところ、2000円くらい食ったかな。
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もう幸せたっぷりであとは帰るのみ。バスの中ではまたまた爆睡だ。

最後の見どころである魚河岸で〝さんまの丸干し〟を購入。3月ぐらいまでしか出回らない、さんまの丸干しは独特の海の香りとミネラルたっぷりの、焼酎にぴったしの肴。もちろん食事で食べても最高だ。お茶漬けにも合う。サンマの苦みと天日干しの旨みがたっぷりで、日本に生まれて良かったぁーって思える一品である。9尾ほどで700円なので迷わず購入。オホホ、家で食べよう。


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2005年04月01日

en-taxi 9号

今号(9号)の en-taxi の特集のひとつに 開高健 をめぐる対談が掲載されていた。対談者は 黒井千次 。

en-taxi は扶桑社刊の季刊誌で文学系の雑誌である。携わっている方々の面子が色濃く、 リリーフランキー、福田和也、坪内裕三、石丸元章 といった文学界のgonzo(ゴンゾ-)達がラインナップだ。


連載モノ、単発モノとそれぞれ珠玉の内容で、特に創刊号から続いていて、今号でついに最終話を迎えた リリーフランキー の「東京タワー」は間違いなく泣ける小説である。

北九州小倉で育った同氏の回想録に近い物語で、非常にリアルスティックに当地の情景が描かれている。丸源、魚町とか、門司港などなど。

セリフが北九州弁なので、九州から東京に上京している人だったら、きっと強いシンパシーを感じるんじゃないかな。思わず故郷を懐かしむことだと思う。僕は北九州で育ったわけじゃないけれど、仕事の関係で半年近く住んでいたので、そんな北九州弁の物語を、北九州が舞台となった物語を読むと、グッと胸に迫るものがある。

ネタばれになるので詳細は割愛するが、今回のメインにあるセリフを少し。「オカン・・・。オトンがこんなこと言いよるよ。」どうしてこのセリフが登場するのか読まないと掴めないんだけど、僕はもうこのあたりでじわっと目に潤むものが。書籍化を強く期待したいところである。

*

開高健 の対談は氏の17回忌を期に企画されたもので、闇3部作のひとつ「夏の闇」を中心に語られたもの。

同世代の小説家である黒井氏、そして坂本氏。坂本氏は、神奈川にある開高健記念館(NPO)の代表者ということで、彼にまつわる懐かしいエピソードもいくつかお話しされている。

話題となった闇三部作については僕も同じ印象を持っいていて、つまり「輝ける闇」はルポタージュと小説を組み合わせた手法で描かれ、作中の主人公(=開高)が内面というよりは、舞台としてのベトナムに代表される外部との強い結びつきが描かれている作品だ。

それと正反対に「夏の闇」は、彼の躁鬱質を特徴付けるように、前半では厭世的で鬱質の〝留まることしかできない〟内面的方向が強い人物像を押し出し、唯一の外部である〝久しぶりに遭った女性〟が彼の救済というか、外の世界と結びつける掛け橋のような役割を果たしていて、その破滅にも似た情景を描いている作品。僕はいままで「輝ける闇」が至高の作品かなと評価していた。この作品が一番滑らかに文章が瑞々しく進んでいるからであって、いつだって読むほどにうなされる。もう疑いの余地もなかった。

でも、久々に読んだ「夏の闇」(実は2月あたりから 開高健 の小説、エッセイを読み直している)の印象が、がらりと─まるで勢いよく襖を開けるように─変わっていたのに驚いた。僕の読み方が変わったのかもしれない。それとも文学が取り巻く僕の環境に何かが訪れたのかもしれない。いずれにせよ、こういう作家も珍しい。読み直すとまた新たな発見がある作家は数多くいるけれど、最初に読んだときの印象と再読したときの印象はあまり差がないのが個人的な意見というか経験である。

10年前に読みづらかった部分─選ばれすぎた言葉と文章─が、読み手の僕では消化できなかったし、その物語を覆う薄い膜のような鬱質が馴染めなかった。ところが再読したら、主人公の内面的焦燥、自分を滅ぼしかけないくらいの行く先を失った姿に共感を感じて、主人公自身がなにもかもを喪失しそうだけれど、それでも何とか細い紐にぶらがるように懸命に〝生〟に向かってもがいている情景描写に喉を鳴らした。

氏の作品では本文にエッセンスのようにちりばめられている小話がよく出てきて、それは他の作品でも見かける小話なので、2回目以降はどの作品で見つけても新鮮味が少ない印象だったが、これも以前ほど目にとまらなくなった。

en-taxi にはこういった企画や特集があるので、定期購読している。
ちょっと大きな書店ではないと置いていないかも知れないが、お勧めである。

en-taxi(扶桑社)
詳細

開高健
1957年『裸の王様』で芥川賞受賞。
1968年『輝ける闇』を新潮社より刊行。
1972年『夏の闇』を新潮社より刊行。
1989年12月9日、食道癌に肺炎を併発して逝去。享年58歳。

1990年雑誌『新潮』87巻第2号にて未完作品『花終る闇』が発表。

その多数のノンフィクション、フィクションを発表。

開高健記念会

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