2007年07月31日

土用の日

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売れ残った鰻を何とかしたいという相談を持ちかけられた江戸時代の発明家・平賀源内が「丑の日に<う>が附く食べ物を食べたら夏バテしない」という江戸町民の伝承をヒントに、鰻を丑の日に売ったらどうかと言ったとか言わないとかというのが「土用の丑の日」。その慣習が現代でも残っていて夏の「土用の日」には鰻が飛ぶように売れる。


東日本、とりわけ東京の鰻は背開きにして蒸した後に炭火で焼き上げるのが主流である。これに対し西日本は股開きにして蒸さないで焼く。

どちらの味もそれぞれ試してみた感想は、慣れ親しんだ味だからだろうか、個人的には東日本式の背開きにして蒸した後に炭火で焼き上げる鰻のほうが滋味滋養の広がりがあって、鰻の独特の旨みが引き出されているように思う。これは好みの問題なので仕方ない。小さい頃からの味、というものだろうし。

昨今、中国からの輸入鰻から抗菌剤のマラカイトグリーンが検出されたとして輸入鰻の危惧が懸念されていた。産地偽装が無神経なまでに蔓延する世なので、たとえ国産と謳っていたとしても実際にはどんなシロモノが使われているかは分からなくなってきた。食べてからじゃ遅いというのも厄介だ。最終的には料理人やお店の人間の常識・良心・プライドに委ねるほかない。プライドのない人間が産地を偽装する。

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さて、鰻に話を戻すと、鰻というのは夏より冬のほうが旬で美味しいとか。それでも僕は夏の土用になると行列すらも覚悟して鰻を食べるよう心がけている。夏ばてしないよう祈願も含めて。願掛けみたいなものだ。

いま住んでいる街に、註文してから鰻を捌くというカウンター数席だけの職人技の鰻の店があって、値段も手ごろ、味は保証附き、つまみも旨い、まさに「鰻屋でせかすのは野暮」という言葉通りの穴場がある。鰻を註文してから45分は待つのだ。

老夫婦で賄っている当店は、土用の日は気の毒なくらい忙しいと耳にしていたので、ここで食べたかったけれど涙を飲んだ。四谷にある「うな浜」は潰れてしまったし、「宇な米」は予約で一杯なので、「宮川本廛」はどうかと思ったが、時計を見ると20時手前、やや厳しい状況である(ここは18時半に到着していないと食べられない)。

新宿に出向いていたので、新宿で鰻でもと頭の中で地図を巡らせると一軒あった。アルタ裏にある「小ばやし」だ。創業明治38年の老舗。江戸前の味を頑なに守り続けている店だ。

急ぎ足で店まで向かうと5組ほどが待っているだけで、何とか食べられそうである。20分ばかし列に並び、瓶ビールで喉を潤おした後、竹(2415円)を食べる。ふんわりした三河産の鰻が口中に広がり、目がほころぶ。今年もいい夏が迎えられそうだ。

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2007年07月30日

大阪+

・森山大道「大阪+」


二十歳少しまえのぼくの日常は大阪だった。その頃の大阪、その頃のぼくをいま思い返すと、それはほとんど絵空事として瞼に映るばかりだ。当時若いぼくにとって、心の針はひたすら東京へと指しつづけていた。そして現在、ぼくの心の針は再びぐるりと回転し、大阪の街々へと立ち戻りつつある。それは、大阪に生れたぼくの郷愁であろう。ただ、レンズの向うに映る大阪の街頭は、いまも相変らずしたたかで、いとも簡単にぼくの郷愁を裁ち切ってしまう。


1997年にヒステリックグラマーから刊行された写真集が全面再編集&増補されて月曜社から出版された。「新宿+」と同じ文庫サイズだ。

「新宿+」と同様に、分厚いボリュームなのに破格の写真集だから、かなりお手ごろに入手しやすいだろう。

この写真集を見たとき、僕が感じたのは「大阪は直球勝負の欲望の街なんだな」ということ。森山大道のコントランスが強い写真がそのように想起させるんだろうけれど、大阪の街はいまでもやんわりと嗤っていて、それでいて底知れないパワーを潜ませ人々を文字通りにケムに巻いているような気がする。

「新宿+」の写真は、ギザギザしていて街が苛立たしい顔をしている感じがした。「大阪+」で映る写真には少しばかりの愛がある。それは作者が投影させる郷愁心なのかもしれない。

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2007年07月27日

時を越える16連射の情熱

持つ部分のプラスチックをペリペリめくるとガムになっている斬新的なアイスを齧って、ゼウスとかサタンとか天使のシールの収集に明け暮れていた昭和キッズな僕らのヒーローは、野球選手でもなくロックスターでもなくゲームの上手な名人だった。

一世を風靡したゲーマー達は時代の寵児となり日本中からの注目を浴びた。いまでは到底信じられないけれども、名人ブームはさらに拍車がかかり、ゲーム名人対決が映画化され名人同士がひたすらゲームを闘いあう映画が上映された特殊な時代である。

そう、高橋名人は指を痙攣させると一秒間に16連射ができるという必殺技をひっさげて僕らを虜にした。スターソルジャーという連射を必要とするゲームを難なくクリアする姿にチビッコ達は痺れまくった。

そしてそのスターソルジャーはキャラバンと呼ばれるゲーム大会の種目になった。ハドソンというゲームメーカーが企画して大々的に<コロコロ>という漫画雑誌で最新情報が発表された全国大会である。全国のキャラバン会場ではチビッコ達の熾烈な争いが繰り広げられた。勝ち残った子供が全国大会に進むのだ。高橋名人がキャラバンに登場するというのも大きな目玉イベントである。

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渋谷区表参道に聳え立つ岡本太郎の巨大モニュメントが目印の<こどもの森>で開催されたキャラバンに僕は同級生と参加したことがある。スターソルジャー大会であっさり敗退した僕らだったけれど、最後のメインイベント<高橋名人と遊ぶタイム>があったので、胸の鼓動は高まりっぱなしだった。ワクワクしてテカテカしていたのだ。

「さーて、高橋名人と遊ぶ時間だよー」

座布団の山田君より2オクターブぐらい高い声が会場に響くや否や、飴玉に群がる蟻ん子のように名人に飛びつくガキンチョ。いま思えば仕事とはいえ、なかなかハードである。

訳もわからず「ウンコー」と叫ぶ奴がいたり、他の子供に蹴飛ばされて泣きだす子供が出てきたり。まさにカオス状態だ。僕らも指をくわえてみている間抜けじゃないので負けじと周りのガキンチョをどんどん押しのけて高橋名人にチェックメイトした。

名人の右腕に触るだけでご加護があると信じているのだ。

だから触れた時点で満足のはずだった。でもなんか一言発したいというのが当時からの男の野望。

「ウンコー」に対して「チンコー」はあまりにも芸がなさすぎるので一言こう叫んでみた。

「俺の友達126連射できるよー」

まるでウソである。そんな奴いるわけがない。なんでそんな事を言ったのかもよく分からない。居たとしたらソイツこそ腕にバネを忍び込ませているに違いないのだ。

しかしそれを耳にした高橋名人、子供の純真な野望にこそ真正面からぶつかってくれたのか、それとも俺を越える奴は何人たりとも許さねぇというベジータな精神なのか、「うおぉぉ」と雄たけびを上げたと思いきや、僕を軽々と持ち上げるとフゴーッと会場のはじまで飛ばした。

さすがにビビってチビりそうになった。安く見積もっても5メートルぐらい飛んでただろう。友達はゲラゲラ笑っていたので僕も笑っていたけど、正直おっかなかった。

しかし子供というのはアホというかネジが一本少ないというか僕が飛ばされたのをきっかけに他の子供達も「僕も僕もー」とおねだりして次々と吹っ飛ばされはじめた。フゴー、フゴー。

「高橋名人って、100万パワーあるかもしんないね」

キン肉マンが3度の飯より大好きな友人のその言葉に僕はただ頷くばかりだった。

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とにかく当時は連射が出来るというのが算数ができるというのより圧倒的に魅力を放っていたのだ。

ハイパーオリンピックが出始めた頃から鉄定規を机に固定してビヨンビヨンさせて揺れを連射に活用する技が開発されたとはいえ、何といっても一番カッコよかったは、ピアノ打ち(人差し指と中指をピアノを叩くように連打する手法)やこすり打ち(人差し指・中指・薬指の爪を滑らして連射する手法)でもなく、親指と中指の先をくっつけて真ん中に人差し指を添えて連射する痙攣打ち手法だった。

この連射スタイルがピカイチだった。

何連射できたか?というのは常々自己申告で誰も正確に計測できなかったけれど、そんなご時世ということもありハドソンが連射だけを計測するシューティングウォッチを販売したのだ。自分が何連射できるのか?ついにそれが計れるようになったのである。

当時クラスメイトの数名はこれを持っていたけれど、僕はファミコンと同じぐらいに流行していたエアーガンにお小遣いとお年玉をすべてつぎ込んでしまったので、買えなかった。

ものすごく欲しかったので残念でいたしかたない。いまでもふとした瞬間に心惜しい気持ちにすらなる。

そして時折ウォッチングするヤフオクで売られているボッタクリ価格の<シュウォッチ>を横目に日々を過ごしていたら、なんとこれがハドソンから1万個限定で復刻販売したのである。

買わずにはいられない。代引き手数料送料が無料で1600円。

9月に配送ということで今年は連射の熱い夏こそ迎えられないが、それはしょうがない。

秋が移ろう物悲しい季節にスターバックスでホットカプチーノなんぞを飲みながら、気色悪い顔して連射しまくってOLに奇異の目で見られてやろうと思う。

詳細→ハドソン シュウォッチ 一万個限定販売

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2007年07月26日

Supernatural

・Supernatural(Saafi Brothers : ZYX Music 2007)

90年代GOAトランスを担った今は亡き「Blue Room」といえば、X-DreamやJuno Reactorが在籍していた伝説的レーベルだ。その「Blue Room」からアンビエントアルバムをリリースしていたSaafi Brothersの4thアルバムがZYX Musicから遂に登場。

Michael KohlbeckerとGabriel Le Marの2人が織り出す音楽はダブが盛り込まれたチルアウト。4年ぶりのアルバムは前作までのアルバムにさらに磨きがかって気持ちいい。1~3作目が廃盤になって入手しづらいこともあるので、この4枚目も気になる人は早めに手元に置いたほうがいいだろう。

ちなみにsaafiというのはヒンディ語で布という意味。サドゥーと呼ばれるインドの聖人を始めとし、旅人が特殊な事情で使うことがある。

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2007年07月25日

the day out of time

僕の周りにいる友達連中には<マヤ暦>や<13の月の暦>を時間軸に取り込んで生活している人がいるので(要は太陽ではなく月の周期で生活を営む)、今日は「時間をはずした日 the day out of time」、明日7月26日は新年の始まりということでワイワイガヤガヤと盛り上がっている。

<13の月の暦>は1年を365日周期で計算しているけれど、28日換算なので、28日×13月=364日と1日が残る。

この1日が「時間をはずした日 the day out of time」なのだ。

「暦に属さない日」「時空を超えた日」と考えられている。<13の月の暦>だと全ての日や月が意味を持ち合わせていて、それが重要なメッセージとして過去・現在・未来を形成している。しかし、7月25日は、特定の月や曜日を持たず、全ての時間の流れから解放される。

つまりは、(the day out of time)。

僕はマヤ暦や13moonな人じゃないので、明日が新年だと強く意識をしていない。というより、グレゴリオ暦がメインストリームである社会の構成員として<13の月の暦>を自身に取り組むのは、少々難儀だと感じている。実は以前に何度か試してみたのだ。ほとんど興味本位で。

たかだかカレンダーされどカレンダー、それを太陽から月に交換することが自分にどんな影響を及ぼすのか。そんな飽くなき追求心(言い方を変えれば、知りたがりの好奇心)が自分を動かした。でも、結局は達成できなかった。

月の満潮に合わせる28日の周期は、日頃から満月や新月を意識しているので自分に馴染むと思うけれど、それとこれとは別問題というのが僕自身が導いた回答だった。

ところで、カレンダーといえば現在主流になっている太陽暦のグレゴリオ・カレンダーが一般的だと思いがちだが、世界にはマヤ暦や13の月の暦に限らず独自の暦を使用している人が実際には数多くいる。例えばバリ島にはバリカレンダーというのがあって、彼らバリニーズはサカ暦ウク暦に基づいて生活している。サカ暦は農耕儀礼に、ウク暦はガルンガンなどのお祭りの暦として使われる。

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2007年07月24日

若松「鉄なべ」

北九州市の海沿いの都市である若松の古い商店街に佇む一軒の鉄鍋餃子の店は、いつも店内から笑い声や活気が溢れている。看板には大きく「鉄なべ」と書いてある。

夜は威勢のいいおばちゃん達が仕切るカウンターだけの餃子のお店だ。

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焼き餃子(350円)。

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スープ餃子(350円)。

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焼き飯(450円)。

火力の強いコンロで鉄鍋ごとにどんどんと餃子が焼かれていく。皮は自家製ということもあって、市販品では味わえないパリパリ感。中から登場するのはふんわりとした具材。オリジナルのピリ辛ラー油と餃子のたれを混ぜて食べれば、思わず目がほころぶ。サックリとした食感なので、三皿ぐらいは軽くいけちゃう。

スープ餃子は、コクのあるまろやかなスープに餃子が入っている。熱々なスープ餃子をぐいっと飲み干したら、もちろんビールが欲しくなるというもの。

焼き飯も定番。無骨な皿に乗っても味はホンモノ。火力が強いからベチャッとしていないのだ。胡椒を振りかけて餃子と一緒に頬張る。食べる。笑う。そしてまた飲む。おばちゃんとの会話も楽しい。

東京人の僕には時折何を言っているのか聞き取れなかったけど、それこそ旅というもの。しかし、焼き餃子350円はかなり安い。そしてメッチャ美味しいのだから毎日行列が出来るのも納得。どうしても交通手段は車に頼ることになるけれども、行く価値あり。

鉄なべ
福岡県北九州市若松区中川町1-23
12:00~22:00(21時前にお店に行ったほうが無難。21時半過ぎると暖簾が下げてある)
水曜、定休

焼き餃子 --\350
スープ餃子 --\350
焼きめし --\450
チャンポン --\450

※そのほかにもメニュー多数。

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2007年07月23日

小倉「一平 本店」

鹿児島本線小倉駅は本島から南下した場合の九州の玄関口である。それだけに駅前は再開発と旧市街地が渾然として街を形成している。

「一平 本店」は小倉駅すぐ目の前のアーケード街で営業している昔ながらのラーメン屋だ。近隣には角打ちと呼ばれる立ち呑み屋が並び、昼間から酔っているオジチャン達もいる。まるでリリー・フランキーの「東京タワー」に登場するオトンが居そうな雰囲気を醸し出している。

ワンカップを空けた容器のようなコップでお冷を出す「一平」は、小倉のそんなローカルな無骨さが感じられる。

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写真はラーメン(500円)。

底の深い器に盛られたラーメンは、きざみ葱ときくらげと焼き豚という具が並ぶ。スープは白濁の豚骨だ。豚骨の臭みはないけれど、決して豚骨が薄いわけではない。

店内の看板に「健康のために塩分を抑えてあります」とあったけれど、そんな様子もない。じつにクセがなく、サッパリしているのだ。黒崎の「ホームラン」に通ずる<アッサリしているけれどコクがある>スープである。

毎日食べても飽きない旨さ。スープは全部飲み干せる。麺はやはり細麺。硬い仕上がりが嬉しい。老舗ながらのこだわりの一杯だ。カウンターでサッと注文して食べるというこのざっけなスタイルが気さくでいいのだ。

一平 本店
北九州市小倉北区京町2-6-2
10:00~23:30
木曜、定休

ラーメン --\500
大盛ラーメン --\600

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2007年07月20日

黒崎「ららららーめん」

黒崎駅前のアーケード街で2006年に新規オープンした「ららららーめん」。

黒崎で最強と謳われていた「唐そば」が東京の渋谷に移転してから久しく経っていたこともあり、この街のラーメン事情を担う主力な店として踊り出たとか。

カウンター10席ほどの店内は常に満席だ。佐賀県に本店があり、北九州に上陸した。

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写真は潤黒ラーメン (650円)。

黒ゴマとマー油がブレンドされた秘伝の「黒だれ」がベースとなっている「潤黒ラーメン」。スープがかなり濃厚で、濃いスープが好きな人にはたまらないだろう。

潤黒部分に旨味と風味が凝縮されていて、スープに溶け込むことでさらに深み溢れるスープに変幻する。東京人の僕がイメージしている九州ラーメンの味といえば、この「ららららーめん」のスープのような濃い味だ。

そして、濃いながらも透き通った丁寧な裏ごしが伺えるというのがナイス。濃厚でスッキリとした味わい。これぞ、本場。

呑んだ後にはこの近くにある「ホームラン」がオーソドックスな味なのでそっちが食べたくなるかなって感じだけど、「ららららーめん」は、腹ごしらえにラーメンを!という時にピッタリだ。

チャーシュは肉が炙られて登場。馨しい肉の香りが漂う。麺は細麺で硬さをチョイスできる。

問答無用で「バリ硬」でオーダー。粉の感覚までが伝わる。

ららららーめん
福岡県北九州市八幡西区黒崎2-4-21
11:00~24:00
無休

潤黒ラーメン --\650
潤黒味玉子入り --\800

バリ旨ラーメン --\550
バリ旨味玉子入り --\700
バリ旨肉入り --\750
バリ旨全部入り --\900

金のねぎごまラーメン --\650
金のねぎごま味玉子入り --\800

一口餃子(6個いり) --\300
替玉 --\100

麺の硬さは、バリ硬・硬・普通・やわめ で選択可能。

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2007年07月19日

黒崎「ホームラン」

北九州の黒崎といえば、昼の顔よりも夜の顔が勢いのある街である。どんな裏路地を歩いても飲み屋の看板が目に付いて、ついつい浮き足が立つという、ヨッパライの愛すべき街である。

そして、呑んだ後に食べたくなる黒崎のラーメン屋といえば、「ホームラン」。駅から歩いて5分程度のところだ。どのお客さんもみな酔いどれの顔をしている。

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店自体の雰囲気は昔ながらのラーメン屋といった風情。深夜になってもお客さんが途絶えることなく、いまも地域に愛されている。ラーメンのほかにも北九州ならではの<おでん>も一年中置いてあるのも嬉しい。

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写真はラーメン(500円)。

オーソドックスなスタイルのラーメンは、モヤシときくらげが盛ってあり葱が散らしてあってチャーシューが乗るという定番なもの。

お酒を飲んだ後に豚骨ラーメンとなると東京では<豚骨/醤油>の括りがあるせいか、どうも豚骨だとコッテリこそが一番という店が目立つ。しかし、そうではないのが本場。「ホームラン」のスープは決して濃厚な部類じゃないけれど、コクがあって旨いのだ。九州の奥深さを垣間見る瞬間でもある。

とにかく黒崎で飲んだら、千鳥足で扉を開けてみて。飲んだ後にピッタリな旨さのラーメンがそこで待っているから。

ホームラン
福岡県北九州市八幡西区熊手2-4-15
17:00~4:00(日曜~3:00)
水曜、定休

ラーメン --\500
大盛ラーメン --\600
餃子 --\420
チャーシューメン --\680
チャンポン --\600
焼きチャンポン --\600

他におでんやカツ丼など。

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2007年07月18日

八幡「八幡のチャンポン」

JR鹿児島本線八幡駅の目前にある「八幡のチャンポン」は、かつて此の地にあって今は移転した「銀河のチャンポン」という大人気店のご子息が暖簾分けした店である。

焼きたてのチキンカツがチャンポンや焼きそばの上にド~~ンっと乗っかっているのが特徴だ。どれもかなりのボリュームで美味しい。いなりずしと巻きずしのセット、いわゆる助六も人気である。

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写真はチャンポン(740円)。

勢いよく中華鍋で炒められたシャキシャキのたっぷり野菜と揚げたてチキンカツ2個が乗っかっている。チキンカツ自体に味付けがされているので、チャーシュー感覚で食べられちゃうのが嬉しい。

スープは白濁の鶏がら系濃厚スープ。まろやかなコクがあって、ぐいぐいと蓮華で飲み干してしまうクセになる旨さ。ツルツルの中太麺のチャンポン麺が独特で、東京では馴染みがないが濃いスープへの絡み方が絶妙である。12時近くの昼時には列が出来るというのも頷ける。

八幡のチャンポン
北九州市八幡東区西本町2-1-1-1F
11:00~21:00
第4月曜、定休
第3第5月曜は14時まで

八幡のチャンポン --\740
ミニチャンポン --\500
焼きソバ --\680
カツのせ焼きソバ --\740

他にも助六など多数のメニュー。

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2007年07月17日

おむすびダイエット

しばし東京を離れて南方の九州で1週間ほど滞在し仕事をした。

「呑んで呑まれて 呑まれて呑んで~♪」と誰かの唄にもあったようにその期間、文字通りに毎日呑んだ暮れた。僕は1人だとめったにお酒を呑まないので、毎日誰かと呑んでいたということになる。

遠くからとか(九州といえども離れた場所というのがある)忙しい合間を割いてだとか旅行から帰ってきて直後だとか、会社のみんなや元同僚のみんなが集まってくれて遊んでいただいて嬉しい限りである。

呑んだ後にラーメンを食べるのならまだしも、呑む前に食べて呑んだ後に食べるというダブルスコアを叩き出していたので、けっこうなカロリーを取ったようだ(しかも北九州が発祥だという<丸腸>と呼ばれる牛の小腸を炙って食べたりを繰り返し)。

それよりなによりも会社に行く途中の空き地の横で久々に会った某女史に開口一番「丸くなった?」と訊ねられたのがショックだった。一発奮起して体重を落とす日がついにやって来た。

九州で働いているけんちん君は、たしかお昼ご飯が<おにぎり>だった。彼のおにぎりから覗いていたのは、明太子のように見えたが、なんとそれはウインナーである。東京ではお目にかからない具材だ。

でも、誰も驚いていない。窓の外では寝ているところを起こされた不機嫌な若獅子の雄たけびのように台風4号が突風を地面に吹き付けている。そんな台風4号だって、みんなから注目を浴びていない。

「ウインナーって、おにぎりの中に入っていたりするの?」
「僕んちだと、わりと普通ですね」

なんだかとても遠くに来たような気がした。

明日から、僕も会社におにぎり持って行こう。ウインナーを入れるのもいいかもしれない。カロリー制限からスタートだ。

ウィキペデイアで見てみると、おにぎりの具として、以下のものがピックアップされていた。

具なし(俗に言う”塩むすび”)、あさりの佃煮、穴子、油味噌(アンダンスー)、豚味噌、イカの塩辛、イクラ、田舎漬、うなぎの蒲焼、ウニ、梅干し、えのきだけ、エビマヨネーズ、エビの天ぷら(天むす)、かき揚げ(天むす)、数の子、かつお酒盗(塩辛)、鰹節(おかか)、カニマヨネーズ、辛子明太子、キムチ、きゃらぶき、牛カルビ、牛ごぼう、牛タン、牛マヨ、きゅうり漬け、小女子、コロッケ、昆布、鮭、しいたけの佃煮、しそ青実、しば漬け、筋子、ソーセージ、鯛、鯛味噌、高菜、たくあん、干し鱈、たらこ、ツナマヨネーズ、壺漬け、鶏ごぼう、鶏そぼろ、鶏の蒲焼、トンカツ、茄子の浅漬け、納豆、なめこ、ネギ味噌、野沢菜、海苔の佃煮、葉唐辛子、ハムカツ、ひじき、豚キムチ、豚の角煮、べったら漬、まぐろの角煮、でんぶ、マツタケの佃煮、メンチカツ、焼肉、ランチョンミート、わさび漬け

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2007年07月13日

Comments of the Inner Chorus

・Comments of the Inner Chorus(Tunng:Full Time Hobby 2006)

スコットランド出身の2人組、Mike LindsayとSam Gendersのユニット「Tunng」のアルバム。フォークとエレクトロニカが融合したジャンルであるフォークトロニカは2000年以降にちらほら話題になっていて、彼らの音楽はそんなフォークトロニカの代表ともいえる。ギターの静謐な音色に散らばる電子音。切ない歌声のボーカル。なんだか気だるいようなサイケな香りも漂う。ヨーロッパの真髄を見せつけられた名盤。

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2007年07月12日

Aphrodelic Ngoma

・Aphrodelic Ngoma(Dachambo:PleasureCrux 2004)

土臭くて野外にピッタリなジャムバンドの「Dachambo」の2ndアルバムだ。

7人編成のこのバンドは、トリプル・ドラム、ディジュリドゥ、ベース、ギター、電子音が混在一体となりグルーブ感を作り、一気に盛り上げる。

トランスでありながらロックであり、プログレであり、聴いていて自然と身体が揺れてくる。アルバムからも十分にその気持ちよさが分かるけれど、ぜひとも野外でライブを体験して欲しい。裸足でリズムを踏んで森と海と宇宙と同調して。きっと脳味噌空っぽ状態で踊れるだろう。

2曲目の「ピカデリア」は何回も転調してケタケタ笑いたくなっちゃいそうな最高にハイな曲。

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2007年07月11日

Spring to Summer

・Spring to Summer(Charichari:FileRecords 1999)

井上薫のユニットであるChariChariの記念すべき1stアルバムは1999年に発表された。およそ5年は経っているというのにまるで色褪せることのないサウンドは、いまでもフロアを気持ちよくさせることが出来る曲ばかりである。

インディーズ時代に製作されたMIXテープは、もろにバングラビートが盛り込まれていてアジアンテイスト盛りだくさんだったし、アジアへの愛着を窺い知ることができる。(友人が井上薫の知り合いということもあり、このテープを持っていた)ということで、本作品の1曲目「Flow Dub Outta Borneo」からしてエスノなリゾート雰囲気たっぷりなので、リラックスすること間違いなし。最後の曲までちゃんと聞けるかな?気がついたら寝ているぞ言えちゃう程、旅先にいざなわれるようなアルバムである。

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2007年07月10日

野方「十八番(おはこ)」

西武新宿線の各駅停車で新宿駅から6つ目にある野方駅近くの環状七号線は、かねてからラーメンの激戦区らしい。(最近は落ち着いたようだが)

その激戦区でも重鎮クラスなのが、昔ながらのラーメン屋さん「十八番 (オハコ)」だ。

鶏がらや昆布を中心に豚などで出汁をとったスープはオーソドックスな醤油味。麺は店の奥にある麺打ち場で孟宗竹を使用して打つという方式だ。

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カウンターと小さなテーブルが3つほど並ぶだけの中華屋なので見落としがちだけれど、地元民に長らく愛されているのか、いつも繁盛している。

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写真は餃子(550円)。

手打ち麺の人気の陰に隠れつつ、じつは旨いと評判なのが餃子。餡に包まれたボリューム溢れる具は食べ応えあり。ラー油と酢醤油を混ぜたタレに浸して、ビールを戴きつつ熱々を食べたい。

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ラーメン(700円)。

チャーハンとのセットで頼んだラーメン。前述したように麺は孟宗竹で打っているので、自家製な雰囲気の縮れ麺である。不均一な中太麺が懐かしい。

スープはちょっと酸味が効いた味で、薄くもなければ濃くもない。チャーシューは結構な大きさ。肉厚だ。醤油が染みこんでいて、これまた素朴な懐かしい味である。

昔はたくさん見かけただろう手打ち麺のラーメン屋さんは、どこにでもあるようで実は少なくなってきた。だからこそ、十八番のような店が貴重なのかもしれない。

十八番(おはこ)
中野区大和町2-2-2
11:30~15:00 / 17:00~21:00
水曜、定休

ラーメン --\700
やきそば --\800
餃子 --\550

各種定食など多数。

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2007年07月09日

Ancient Herbs & Mordern Medicines : July 2007

PSYBABA.NET reccomends 5 potions in this month are

1.Tunng - Jenny Again (FULLTIME HOBBY)
2.Vibrasphere - Mental Mountain (SPIRAL TRAX)
3.Vibrasphere - Echo Plantation (SPIRAL TRAX)
4.Dachambo - ピカデリア (PLEASURECRUX)
5.EelkeKleijin & NickHogendoorn - Rabbit Whole (TRIBAL VISION)

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2007年07月06日

サブミキサー購入

4月からDJをしている店は今月からフードのメニューが増えたりして、期待度合いが高まってきたので、夏の盛り上がりに向けて個人的にサブミキサーを購入した。

店で使用しているミキサーには、Send/Returnの接続がないので、エフェクターをかますことができないという問題が前々から浮上していたのだ。Mixer--Effector--PreAmpの接続も方法のうちと考えればそれまでとはいえ、この接続の場合だと、エフェクターの掛かり具合がモニターできないし、エフェクターを効かせていなくても、常にエフェクター経由で全音が出力されてしまうので、やはり音質劣化のことを考えると少々厳しい。

全ては新しいノートPC端末を購入することによってPCDJしちゃえば何もかも解決が図れるわけだけれど、ちょっと如何ともしがたいので、機材から固めてゆくことにする。

ミキサーと刃物とダイアモンドは値段と品質が比例すると言われるとおりで、ずばり、高いものほど音が良いとされている。僕が購入したのは▲のてっぺんに位置するミキサーでお値打ちというより格安という言葉が相応しいので、果たしてどうだか・・・。

まあ、サブミキサーとはいえエフェクター機能も搭載されているのでオールラウンドに遊べそうであるので、平日も会社帰りに回しちゃおうかなと思っていたり。

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2007年07月05日

落としぶた

夏になるにつれて主婦が主人の帰宅を待ちわびて食卓に冷奴を登場させるのが増えるのが理由じゃないだろうが、近所のお惣菜屋さんのお豆腐は僕が帰るころにはすっかり売り切れるようになってきた。

僕だって、ベランダで育ってる大葉をちぎって生姜をたっぷりおろして葱をちらし、削りぶしをたっぷり乗っけた冷奴を食べるのがお楽しみだというのに・・・。

というわけで暑くなってくると、週に1回買えたらマシなほうである。どうしても食べたいときは駅から5分のところにある豆腐屋さんにいかなくてはならない。

ところが、油で揚げた生揚げは案外と夜でも残っている。東京では生揚げと呼んでいるけれど、一般的な名称は厚揚げだろう。黄金色に表面が輝いている生揚げは、ちょっと火で炙って薬味を乗せて食べると箸が進む。

そして、運がよく帰宅しても時間があり冷蔵庫をのぞいてみるとキャベツが鎮座している日には、キャベツをざく切りにして炒めて鷹の爪も入れて油抜きした生揚げを割いて、醤油・料理酒・みりん・ブイヨン・砂糖で煮込む。キャベツの甘みが染みこんで、なかなかの味である。

で、その煮込みの最中に大活躍しているのが、このアイテム。

これまではずっと我が家には<落し蓋>がなくて、アルミホイルを丸くして蓋の変わりにしていたんだけど、これが台所に登場してから凄く便利で使い勝手が向上した。

耐熱耐水耐久を備えたシリコン製の落し蓋は、その名称の通り子豚さんの顔をしていて、鼻のところから湯気が出せるようにとシャレも効いている。シリコンなので、匂いがつくこともないし、アルミみたいに毎回作る不便さもない。

蓋を取る時は子豚さんの鼻にさいばしをプスリと刺して・・・。

後片付けも簡単。ほんと、便利だよ、これ。

ぶたの落しぶた K-092

マーナ(ホーム&キッチン)

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2007年07月04日

Aphorism [川原俊夫]

受けた恩は石に刻め 施した恩は水に流せ。


川原俊夫(味の明太子ふくや創業者)

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2007年07月03日

ノー・モア・ヒロシマ

高校2年生の修学旅行でヒロシマに行った。

原爆ドームや資料館を見学した後、きっと戦争当時はまだ僕らと年齢が大差なかっただろうというお婆ちゃんから被爆の体験を拝聴した。

僕らは高校生でかなりのバカだったけれど、お婆ちゃんが涙を流しながら伝えてくれた戦争の愚かさについては理解できた。

お婆ちゃんが「もし戦争が起こらなくて、ピカドンが落ちなかったら、私の子供もきっと大きくなってみんなみたいに元気よく育ってたじゃろうに。でもみんなどっかに逝っちまったじゃよ」と言葉を続けた時、コギャルで有名だった何人かは堰を切ったように大泣きして僕らもまた涙が出そうになった。

原爆が落ちたことがしょうがないだなんて、あの涙を見たら絶対に言えない。

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2007年07月02日

サンコンさん

ここ最近、しょっちゅうオスマン・サンコンさんを家の近所で見かける。

ホンモノかどうか分からなかったので、誰にも話したことがないんだけど、昨日、友達が家に遊びに来た時も家の近所にいたから「あの人、サンコンさんだよね」と訊ねたら「うおー、ホンモノだ!」と大昂奮だったので、確信した。

サンコンさんってカタカナで書くと「サンコンサン」になって、なんだか「山本山」みたいだよねとか話しすぎたら友人は酔っ払って終電を逃してた。そんだけ。

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