鹿児島本線小倉駅は本島から南下した場合の九州の玄関口である。それだけに駅前は再開発と旧市街地が渾然として街を形成している。
「一平 本店」は小倉駅すぐ目の前のアーケード街で営業している昔ながらのラーメン屋だ。近隣には角打ちと呼ばれる立ち呑み屋が並び、昼間から酔っているオジチャン達もいる。まるでリリー・フランキーの「東京タワー」に登場するオトンが居そうな雰囲気を醸し出している。
ワンカップを空けた容器のようなコップでお冷を出す「一平」は、小倉のそんなローカルな無骨さが感じられる。
写真はラーメン(500円)。
底の深い器に盛られたラーメンは、きざみ葱ときくらげと焼き豚という具が並ぶ。スープは白濁の豚骨だ。豚骨の臭みはないけれど、決して豚骨が薄いわけではない。
店内の看板に「健康のために塩分を抑えてあります」とあったけれど、そんな様子もない。じつにクセがなく、サッパリしているのだ。黒崎の「ホームラン」に通ずる<アッサリしているけれどコクがある>スープである。
毎日食べても飽きない旨さ。スープは全部飲み干せる。麺はやはり細麺。硬い仕上がりが嬉しい。老舗ながらのこだわりの一杯だ。カウンターでサッと注文して食べるというこのざっけなスタイルが気さくでいいのだ。
一平 本店
北九州市小倉北区京町2-6-2
10:00~23:30
木曜、定休
ラーメン --\500
大盛ラーメン --\600