2010年12月31日

─2010年俺マイTop10─

順不同でココロに残った映画やら音楽やらアイテムやらをつらつらと。


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仕事「異動」
年末恒例のこの「俺マイTop10」に仕事ネタがついぞ定番になるだなんて全くヤキが回ったなぁ(やれやれ)と、諸行無常の響きと光陰矢のごとしを足して2で割る師走に、えっと書き出そう。まずは8月の異動のこと。現企業で歯車のように働くきっかけになった仕事とは離れ ─信じられないかもしれないけれど異動通達は3分で選択の余地なんてなかった─ より企画を深く掘り、より折衝をする仕事に就いた。飛ばされた理由は「人と人を纏めるのが上手くて、わりと度胸があるから」とのこと。何処かで聞かされたような評価を猛暑の真っ盛りに齧り、某省庁に行ったりの仕事でもあるので、背広なんてのも買いつつ。営業じゃないけれども全国飛びまわれるのは旅人魂を持つ者として嬉しかったり。三ヶ月で京都に2回、名古屋1回、大阪1回、四国1回、広島1回と行って参りました。殆どが日帰りでも異動に不満はないですよ。とまあ、残業の毎日です。

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Apple「iPad」
きっと背景をご存じない方からしてみたら奇妙に映るんだろう、iPhoneが2台あり携帯が1台あるというのは。それだけではなく、ついにiPadまで持つことに。たしかにこりゃ便利で、特にこちとら新幹線で東西を駆け巡る身分。資料を見ることも出来るし、SNSもできるし、メールも書けるので、あればあったで便利な代物。そして、cueplayDJという、Appでは高価なほうの1300円もするDJアプリがインストールできたのが楽しい。iPhoneでも使えないこともないが、画面の大きさを勘案すると、こっちがリードしているのだ。Wi-Fi環境がないとモニタができないのは致命的とはいえ、これで即効のDJはできるし、今年はクリスマスのCDをこれで作ったりしたのだ。役得ですよ、役得。

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仕事「ユニオン」
業務歴は長いけれども社員歴は大卒並みなのに、どういう風の吹き回しか、数千人の代表メンバ二十数名の一人に選ばれて、毎週火曜日は19時から会議をしたりしております・・・というのが去年の書き出しで、今年もこちらに携わっております。書記局長という肩書きが僕で、ちょっとコンサルの資格を取るので毎週火曜と木曜は夜に学校へ通っているので、しばらく会議はお休みしているつつも、今年は会議外の交渉事も覗かせてもらったり愉しくて、やはり数千人の代表というのは使命感もあり充実しております。なによりも仲間と先輩と後輩に恵まれているので、いつも勉強になる。労組の中央執行を非専業でやったことがある人は解ると思う、この辛いけれども愉しいという相反する気持ちが。

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日本三景「松島厳島天の橋立」
日本三景といえば、これです。なんと3週連続で制覇しちゃいました。件のユニオンで行ったというミラクル。松島で牡蠣を食べて、厳島でやっぱり牡蠣を食べて、天の橋立で浅利を食べてという貝尽くし。松島は満月だったので、夜のナイトクルージングが幻想的すぎて夢のような世界だったし、厳島は高校の修学旅行以来なのにすっかり忘れていることばかりで、まるで初めての場所のように訪れたし(修学旅行のときの船の記憶がまるでなし)、天の橋立はその遠くっぷりにドラクエのような浪漫を感じたし、何よりも三景を制覇した達成感たるや、ネパールでトレッキングして山頂に到着したときと同等の鳥肌だね。

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ライブ「ヤング@ハート」
同名の映画をご存知の方も多いだろう。世界一いかしたロックンロール・コーラス隊が日本にやってきた。アメリカのマサチューセッツ州ノーサンプトンから来日した平均年齢80歳のおじいちゃんとおばあちゃんの(彼らはまた戻ってくるとライブ中に宣言したけれど)、おそらくは最後になるかもしれない、最初で最後の来日公演の最終日が渋谷の文化村オーチャードホールで2010年03月27日にあった。彼らが歌い上げるのはパンクの王道やらハードロックの王道ばかり。ソニックユースやニルヴァーナをありったけの愛を込めて謳いあげるんだ。そしてマイケルの歌も。それがどうして感動するのかだってかい?少なくともその答えは、この映画に詰まっている。ぜひ観て欲しい。

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Party「シークレットパーティ」
敢えて名前は伏せよう。300人限定のシークレットパーティが今年の8月に秩父の某所で行われた。標高数百メートルの山の頂上で、そこには何百年の歴史を持つ神社があり、キャンプ場もあるという最高のロケーション。そこで今回のパーティは行われた。年に一度ぐらいはパーティに行く心構えで毎日を過ごしているので、今回も言ってみたらご褒美的に参加なのだ。夜中のグルグルとした漆黒の時間がだんだんと青のグラデーションとなり、朝が明けてくる。近くで踊っているパーティピープルの顔も見えてきて、フルスマイルのアイコンタクトで世界が一日の扉を叩く。この瞬間が大好きだ。神様が僕らにちょっとだけ赦しの時間を与えてくれたような、そんな慈悲すらも感じるこの瞬間。ほんの一瞬だけだけども、たぶん老いぼれても決して忘れることがないだろう、そんなひと時。僕がこれからも踊るのは、この瞬間を享受するからなのだ。

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沼袋「たつや」
5年ほど前から秋元屋に足繁に通っていたけれど、最近はメディアに取り上げられる機会が増えてきて、また店も拡張して、呑んでいてもソワソワするので自ずと足が遠のいた。そんな中、秋元屋の焼き台で頑張っていた一人、たっつんが店を出したので、最近はそっちにばっかり行っている。店の名前はそのまんま「たつや」。何と言うか初期の秋元の雰囲気─そう、まだ便所が和式でバイトもいなくて親父さんだけが焼き台してた頃─にそっくりなのである。ここで呑むホッピーが美味い。しかもこんな風に呑むと格別だったりするのである。まずはたっつんの店から徒歩一分の銭湯に行く。一の湯だ。一杯飲る前にひとっ風呂浴びるのがいいのである。ここは井戸から汲み上げたお湯なので軟水で肌がすべすべになり、保湿効果もあったりする。そして、何と男湯には小さいながら露天風呂もあるのだ。しかもサウナまで。銭湯なのにである。銭湯でさっぱりとしてポカポカに温まったところで、たつやの暖簾をくぐる。そんな東京ライフ。秋元から継承されている味噌焼きもしっかりと美味くて酔いちくれる毎日なのである。

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近所「古着屋」
近所に古着屋ができた。よく聞く話である。ここに書くまでもない。おしまい。
ってわけにはいかないので、古着屋。この店は僕の今住んでいるサブカルよりももっとミクロなレイヤで繰り広げられているスポット的な文化圏に構えていて、主流駅の古着屋よりも格安で掘り出し物が出てくる。ハリランのTシャツが500円とかCHUMSの長袖が500円とかライトニングボルトの半そでダウンが1000円とか。そういえばBEAMSの限定バッグも300円だったけ。あ、夏にはGramicciのチェック柄の短パンが500円でヘビロテだったけと、魅惑的なブランドの品々が宝の地図に配置された宝石のように。とにかく他で買うのが馬鹿らしくなるぐらい。おっと、今日もSugarcaneのネルシャツを500円で見つけたぞ。どうするか。。

書籍「プロ論」
B-ing編集部から出版されているビジネス書である。3作目まであるのかな。パート1では、安西水丸、石橋貴明、井筒和幸、糸井重里、村剛、邱永漢、清宮克幸、小谷真生子、齋藤孝、櫻井よしこなど各業界のさまざまな50人の人たちが今に至るまでに、どうやって壁を乗り越えたのか、何をチャレンジしたのかと語っている。毎年訪れている新島で毎年会う波乗りの1人がこの本をテントに置いていたので、僕は何気なくハンモックに寝そべり、淹れた珈琲を飲みつつ読んでいた。朝の7時まで焚き火で騒いでいた相棒はグースカ鼾をかいているので、本を読んだのだ。真っ青な空と海、どこかで弾かれるギターの音色とお香が漂い、ハンモックでゆーらゆら。新島という場所がそうさせたのか、それともこの本の放つ言霊がそうさせたのか。普段はビジネス書なんて読まない僕の乾いた脳に(下手したら一生涯でこれが初めてじゃないのかな)、まるで岩肌に染み込んでいく清水のごとく、文章がインプットされていった。結局上手くいったらそんなこと言ってるんでしょという声に耳を傾けるより、どうやったら危機を回避してチャンスを彼らは摑んだのか、そんな文脈を読む本である。なかなか良いよ。


映画「アバター」
例年に劣らず何本も新作映画を観た。どれもこれも良作で甲乙つけがたい。その中でどれか一本という苦渋の選択を迫られたら、これである。説明不要の3D映画。内容をここで書くのは野暮だ。僕はこの映画を3回観た。3Dを字幕と吹き替えで観て、それでは飽き足らずにiMAXで観た。だから何故3回も観たのかをここで記したい。アバターは観賞する映画ではない、体験する映画だ。これは僕の単なる予感だけれども、映画はこれからは鑑賞タイプと体験タイプに区別されていくだろうと思う。どちらが優れているとかではなくて、同時並列的に存在していくだろう。それは映画の物語の中身によって適正化されていくだけである。「アバター」は僕らが一番最初に知った体験タイプの映画なのだと思う。だからこそ、3回観たのだ。これは観たというよりは3回アトラクションに乗ったという表現が近い。「アバター」を通じて僕は惑星パンドラに降り立ったし、空を飛んだ。自分の経験かのような既視感を抱えて。この映画は映画史上に残る転換点なんだろうと思う。

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そんなこんなで、来年も stay happy で。

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