吉祥寺駅南口のバス通りに総本店、井の頭公園の入り口に支店がある焼き鳥屋。
予算2000円以内。店員愛想ゼロ(最近そうでもない)。店員はたぶん元ヤン(これも最近そうでもない)。
吉祥寺の居酒屋のシンボル的な存在。それが「いせや」である。
昭和2年に創業した店舗は、炭で煤焼けていて、まるで建物全体を燻したような、長い年月だけが醸しだせるオーラを放っている。入り口でモクモクと立ち昇る焼き鳥の香ばしい煙を嗅いだら店に入らざるを得ない、そんな吸引力。
ちなみに焼き鳥は1本80円。元々が精肉店だからこそ、新鮮な肉を廉価で提供できるのだ。
本店と公園店は、本店には白飯をおいていないとかで、若干メニューが違う。個人的には公園店に行く回数が多い。
ただ総本店のほうが2階に座敷がたくさんあるので、大人数の時にはこっちに出向く。
実際、総本店は30回行った事があるかどうかだ。(しかも若気のいたりか、大学入学したての頃には、いせや総本店で〝合コン〟をしたりしていたのだ。いま考えると恐ろしい)
さて、ここで大体頼むのはこんなメニュー。白飯、キムチ、餃子、シュウマイ、焼き鳥数本。ビールと熱燗。冬は湯豆腐。公園店だったら中華ガツ。
たいがいがお腹をすかしているので、キムチをおかずにして、白飯を食べる。
いかにもぞんざいな品々が場末感たっぷりでステキだ。料理はたいてい旨い。
○○の味という表現を借りると、これこそが〝いせやの味〟、そういう旨さだ。
こちらは、つくね(1本80円)。
そして、シュウマイ(330円)。
ところで、僕のいせやとの出会いは彼此10年以上も前。
94年に初めて暖簾をくぐった時は、本当に店員が恐ろしかった。全員ヤンキー(でも年齢は30歳手前ぐらい)の彼ら。10歳も年上っぽいのに・・である。
そして究極的な無愛想。共産圏の人たち?って思うぐらいサービス精神が皆無だった。
そんな環境でビクビクしながら「ここの店員はおっかねぇなぁ」って思うのがわりあい楽しかったのだ。
いまはそういう人をあんまり見かけないからちょっと寂しい。
そして、95年~97年頃、規制が入る前の井の頭公園で、インド雑貨やアクセサリやお香のバスター(露天商)をしていた時期があって、夕方前の午後3時ぐらいに早々と引き上げて、公園前のいせやで昼間から飲んでいた。
周りにいる連中も、どうしてこんな時間に酒が飲めるの?という人がたくさんいた。
いせやのボロボロの席(これは褒め言葉。あれがピカピカだったらゲンナリする)で、冬なら隙間風を浴びつつ熱燗を戴く。夏なら生ビールで喉を潤して、焼き鳥と冷奴。つまり、味のある、雰囲気のいい店なのだ。
でも残念なことに、思い出深い総本店は、拡張工事等に伴って06年9月25日を最後にしてその半生の幕を閉じる。そして、ビルディングとしてリニューアル予定。
いまの総本店の勇姿が見れるのも残り少ない。
まあ、とにかく、吉祥寺で遊ぶのなら、とりあえずはいせやで一杯で。
いせや
<総本店>
武蔵野市御殿山1-2-1
12:00~22:00(L.O.21:30)
火曜、定休
<公園店>
武蔵野市吉祥寺南町1丁目15-8
12:00~22:00(L.O.21:30)
月曜、定休
焼き鳥(1本:つくね、レバー、タン、ハツ、
シロ、カシラ、軟骨、ガツ、ひなどり、ネギ焼) --\80
ジャンボしゅうまい(3個) --\330
餃子(公園店のみ)--\400
冷や奴 --\300
もつ煮込み --\330
まぐろのブツ切り --\380
キムチ --\330
生ビール中 --\450
ビール大瓶 --\450
日本酒一合 --\300
焼酎一杯 --\220
おー懐かしい
大学が吉祥寺だったよ。
いせやは実は鳥じゃなくてぶたっていう噂も聞いたこと有る。
ぶたなのか・・・。ありえるかもしれないw
本店が新しくなっちゃうぜー。見納めだよ。
それと公園店のおばちゃん(腰が曲がってて、いつも怒っている)も年内に辞めちゃうとか。
時世の流れが少し寂しい;;