さて、下の科白はいったい何を示しているのでしょうか。
「あのぼこはもろしわくてちょびついてばっかいるからええしらっちょし」
別にドラクエⅡの復活の呪文ではない。
これは、とある地方の方言である。
何処だか想像しやすい人もいれば、まるでちんぷんかんぷんという方もいるだろう。
富士山麓を見渡せて、日本三大夜景のひとつが見られ、日本有数の水晶の産地で、桃とか葡萄が美味しいといえば、分かるかもしれない。そう、山梨県の方言だ。
両親が共働きだった僕は、3歳違いの双子が生まれると、暫くの間、山梨のおばあちゃんのところに預けられていた。それ以来、山梨が故郷みたいな自分には、ズコンズコンと山梨弁がインストールされて、日常語として使用するに至った。
なので、標準語以外に江戸言葉、山梨弁をやや嗜める。そしてそういった方言話者の多くが皆似たような境遇になるように、僕も誰かに指摘されないと気がつかない限定的な言葉がたくさんあったり、たぶん今もある。
例えば、「背中かじって」と言ったら、別にSMプレイの延長線にある行為ではなく、単に背中が痒いから掻いてと言っているのである。
山梨だと<かじる = 掻く>ということになるのだ。これはしょっちゅう誰それに指摘されてハッと思い、言い直したりする(そして言い直している自分が少しさみしかったりもする)。
もうひとつ挙げると、「えべし」というのは「行きましょう」という意味。「えべ」というのが「行く」と同義語。
僕の祖父母がかろうじて使っていたので、ほとんど絶滅した言葉となっている。いま現在、甲府に住む若者には通じないかもしれない。
なお、上述の呪文のような言葉は「あの子はすごくいらっついて、調子づいてばっかりいるから構うんじゃないよ」という感じ。
他にも独特の閉鎖的な汎用性を持った言葉が数多く存在する。「ももっちい」が「くすぐったい」とか。
対語訳一覧
ぼこ -- 子供、赤ちゃん。
もろ -- 超、相当、すごく。もろきゅうを山梨弁にすると「超きゅうり」になってしまう。
ちょびつく --調子に乗る
ええしらう --かまう、相手にする。
しわい --ニュアンス的な意味が複合していて、ピタリとあてはまる言葉が見当たらない山梨弁の代表的な言葉。いらつくとか思い通りに進まないときとかについ出てしまう。似た言葉で「のぶい」というのがある。こちらは鈍くさいとか、そんな意味。ドイツW杯の柳沢のプレイは、もろしわい。
僕ですか?僕は小さい頃からちょびついてばっかしで・・・。
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ちなみにインスタントに関西弁(西日本の言葉)を話したい時は、冒頭の言葉に強くアクセントをつけるとそれらしくなる。
「あのな、ほんまに、きょうはあめがふるいうたで」
太字のところにアクセントをつけるだけでなんちゃって大阪人の出来上がり。
これを語尾にアクセントを移して、〝ね〟を付け足すとすっかり北関東的な純朴な言葉になる。
「あのね、ほんとうにね、きょうはあめがふるっていってたのよね」
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さて、MSN毎日ニュースにもあったけど、バンソーコーは地域によって呼び名がこうも違う。
─呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」─
北海道の「サビオ」なんてのは、北海道人が上京とかして食らう標準語洗礼のひとつだろう。
九州の「リバテープ」は、試しに会社の内線で確認したら「あー、セロテープ?」って言われた。「バンソーコーのことだよ」って言ったら、「そうでした」だって。
方言ってすごいよね。
特に都会っ子なサイババ氏にとってはビクーリなのでは?
ちなみに、私の実家栃木の方言
「だいじょうぶ?」→「大事(だいじ)け?」
「後ろ(の座席)座って」→「裏座って」(後ろ=裏)
「大事け?」は言わなかったけど、裏ってのは良く使ってた。
裏座ってwww
偶然にも昨晩テレビで方言の番組やってた。
どっかの県だとテレビの砂嵐をジャニジャニだかズボズボとかって言うらしい(←もう覚えてない)。
あと、長野県人は長野の県歌を必ず歌えるとか。
そういうのって面白いよね。
ズボズボって(;・∀・)
山形だか秋田だか青森だかでザラザラじゃなかったっけ?
ジャニジャニはどこの県か忘れたけど。
ちなみに、「ザ・たっち」が栃木県代表で出ていたのがショック。