もしアナタが突然として、まったく日本語が分からない、もしくは片言だけ日本語が話せる
外国人に向かって『森』と『林』の違いについて説明しなくてはいけないとする。
そんなとき、果たしてどうやってその違いについて説明するだろうか。
単純に考えれば(あるいは漢字の由来が分かる身として)、
文字の成り立ちとして『木』が1個多いか少ないかっていう話になるかもしれない。
うん、なんとなくそれだったらイメージだって出来る。
それはね、森のほうが木が多くて林の方が少ないんですよって。
で、ちょっとだけアナタは鼻が高くなる。
フフン、どんなもんだい。
でも普段から、なんで納豆がくさっているのに豆腐と呼ばないんだっ、
豆腐の方が箱に納まっているじゃないかっ、と日本の文化に懐疑的になっている外国人は、
なかなか気を許してくれない。
「じゃあ、100平方メートルのなかにある『木』は林なんですか、森なんですか?」と。
アナタは突然と血の気が引く。
そして、自分はなんか説明に失敗したのだろうかと考える。
もしかしたら100平方メートルの中にある木の中で立ち止まるかもしれない。
でも、大丈夫だ、その日が上手くいっている一日であれば、鋭いアナタは距離や大きさの問題じゃないんだと、もうワンステップ踏むこととなる。
『森』と『林』・・。
それぞれ『杉』を付けてみる。
『杉森』、『杉林』。
『杉』じゃなかったら『竹』でも『松』でもいい。
すると、どうやら『森』に付けるとシックリこないじゃないかと気がつく。
杉森、こんな熟語は聞いた事ない。
あとは簡単だ。『森』というのはたぶん多種多様の木が密集している事を指して、
『林』というのは1種類の木が集まっているのではないかと。
そんな話。