スマトラレポート(2)
─つづき─
ピストンバスは既に満員。荷物が尋常じゃないグループとしてはだいぶ肩身が狭いところだけれども、
さすがにスマトラに遊びに来る連中だけに、知らない人でも荷物を運んでくれるのを手伝ってくれる。
バスの中には虫取り網を持ち込んでいる子も居る。
きっとそれは良いアイデアに違いない。虫とかたくさん捕れそうだ。
バスが到着するや否やズンズンとパーティの音が響く。
ミラーボールらしき球体がキラキラと灯りとブラックライトに照らされていて、
UFOのように集合しているのが見えた。
あたりは真っ暗。ここだけがサイケに発色して鮮やかな世界を構築している。
だんだん気が昂ぶるにつれて、ビールが飲みたくなるけどもう少しの辛抱。
ん、ミラーボール?、野外なのに?。
まあ、いいか。荷物を運ばなきゃだよね。
「でもさ、これってどう考えても一回じゃ運べないよね」と友人が言う。
「だよねぇ」みんな口を揃えてしばし荷物を見つめているけれども、
見ていたところで勝手に荷物は移動してくれない。
とりあえず台車がついている荷物を残して行きますか。目標地点は400M先の予定。
オラ、行くぞ。レッツラ搬入。
道はトーチが無かったら、こりゃ死ぬな、きっとというレベルの道。
片手がトーチで埋まってしまうのが憎い。
揺れるたびに暗闇に包まれて身動きが出来なくなる。
ヘッドライトを買うことを固く決心した。
しかもこれって控えめに目測しても400M以上あるじゃないか。
全員でフンフンと鼻息を荒げながら運ぶ。なんとか到着。
やっぱテントサイトはどこも満員なので、離散しつつ隈なく探す。
目の前に不自然なぽっかり空いたスペースを発見。
となりには「川場村」と書かれた運動会とかでよくお偉い方とか校長先生が座っている屋根つきのスペースがあって、きっとここは建てちゃいけないんだなって普通に想像できる場所。
だって上に木が生い茂っていてドンツケでテントが張れる感じなのに、ここだけ空いてるんだもん。
「どうしよっか?」とみんなの意見を求める。
でも、まあ、まだテントはエントランスのところに置いてあることだし、
少し休憩しようよ、そんな流れでもあるので屋根んところでちょっとだけ休憩。
喉が渇いてきた。トーチだけじゃ限界だからランタンを出す。
注意深くホワイトガソリンを注入して、ポンプで圧縮。
マントルにガソリンが染み込むのを確認したら点火。
うん、点いた。パチパチパチ、ワー。
明りがあるだけで安心するよね。
でも、それも束の間。
おいおい、雨が降ってきたよ、雨。
─もうちょい続く─