2004年09月22日

神無月

ちょっとアレな話。

旧暦10月は神無月(かんなづき)と呼ばれる。
日本が漢字の国で、即ち字が体を成すのであれば、単純に旧暦10月は「カミノイナイツキ」という意味だ。

実際に日本ではその月だけは神様がいないこととなる。

ん?日本は八百万(やおよろず)の神々の国だから神様がいるんじゃないのかって?

そう、たしかに日本の自然崇拝にアニミズムが特色として挙げられる。
アニミズムは全ての事物や存在物に霊魂・神霊・精霊が宿っているとの考えかた。

ラテン語でAnimaが霊魂という意味。
そこから転じてアニミズム。

自然の森羅万象から果てはアナタの持つそのケータイにも神は宿っている。もちろん山には山の湖には湖のそれぞれの神が宿っている。

それって何処かで観た事があるなっ、でしょ。
「千と千尋の神隠し」の世界観。

あれはもう究極のアニミズム映画。
千尋という名の主人公が最終的には彼女の精神的成長と共に川の宿り神を救済する映画。
両親の世代を超えたカタチで彼女の世代が(なぜなら両親は映画の中で対極に位置する自然から略奪したバブル期に建設された遊園地の残骸でブタに変化されるけど、ラストでは記憶に残っていない)、アニミズムの世界観を未来に向けて継承している。

宮崎映画は「もののけ姫」で単純な自然破壊に警告を鳴らすような映画ではなく人間と自然の共存の難しさをテーマにして「生」を描いた。その次回作の「千と千尋」で「アニミズムの継承」を描いた。もののけ姫で宮崎映画の持つテーマ性がくっきりと明確になった(と個人的には信じている)。

ちょっと脱線したけど、とにかく神無月には神々が日本各地から居なくなる。
では、この期間、八百万の神々はどこにいるのか?

実は旧暦10月に八百万の神々たちは出雲大社に集まる。
出雲大社では毎年この時期に神在祭(かみありさい)が開催され、全国各地より参集される神々をお迎えする神事が催される。
神々はここで年一回の会議をする。
だから神のイナイツキ(神無月)なのだ。
逆に出雲地方だけは旧暦10月を「神在月」と呼んでいる。神が在るから。

年に一度のその神在祭では集まる神々の宿舎として出雲大社の十九舎(じゅっくしゃ)が提供され、祭事の期間寝泊まりされるそうだ。湯屋もあるのかね?

これは想像だからなんとも言及できないけれど、かの映画はおそらく神無月に由来する出雲大社の神在祭をモチーフにしているんじゃあないかな。
こっちは言ってみればリアル「千と千尋」。

一度、友人の友人がこの神在祭に参加した。
旧暦10月だから新暦だと11月に行われる祭りをひとめ見に。

※ちなみに今年の神在祭は11月21日~11月28日 21日 神迎祭、22日 神在祭・龍蛇神講大祭(神楽殿) 26日 神在祭 、28日 神在祭・神等去出祭 。

出雲大社自体がその筋の方々からすると、だいぶキテいるスポットらしく、行くだけでも価値があるとかで、実際にその祭りに参加したら空気が震えるようなビリビリとした感じが肌に来たそうだ。
見えないけどたしかに何か居るって感じがしたみたい。
興奮冷め止まぬ祭りだったとか。

ちょっとアレな話でした。

blank_space
投稿者 ko : 2004年09月22日 13:42
コメント
blank_space
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
Powered by
blank_space