友人の母が亡くなった。日曜の夕方。
彼から電話があったのは月曜の夜20時ごろだった。
21日木曜日がお通夜。22日金曜に告別式。
彼のお父さん、そして妹に挨拶した。
妹はまだ19歳だ。成人式も迎えてない。
僕は黙って彼のお父さんに頭を下げた。
「これからあんちゃんのこと頼むよ」
僕の友人のほうをチラッと見てそう言った。
「はい」僕はそう答えて、もう一度頭を下げた。
もうひとつ。
僕は日曜の夕方、流れ星を見た。東京の真ん中で。
誰も同じ流れ星を見たという話を聞かない。
それは不思議な流れ星だった。流れるというよりは
何かが落ちていくという具合でスーッと消えたのだ。
その時、僕はまだ訃報を聞かされてはいなかったけれど、
なんか胸騒ぎがしたのを憶えている。
あとになって彼の母が亡くなった時刻にほぼ近い現象だった
というのが判った。