昨日の授業は英語話者の語用論というものだった。
語用論というのはある言語における文法体系の研究みたいなもん。まぁ良く分かるような分からないようなジャンルの研究だ。
その中でも昨日はコミュニケーションに使用される発話者の差異みたいなのを習った。簡単に言えば日本語ではこうやって表現するけれども英語ではこうだよ、その逆もしかりみたいな。
その例。
J:日本語話者
E:英語話者
◆case:01◆
(日本人の家に食事に誘われ際に)
J「よく来てくれました。お食事でもどうですか。あいにく何もないのですけど」
E「ジャァ、外ノレストランに食ベニ行キマショウ」これは実はけっこう多くて、外国人は額面通り意味を取ってしまうことが多い。謙遜の表現方法がないというのが最大の理由。
◆case:02◆
J「今週のパーティは出席されますか」
E「今週ノ土曜ハ、横浜ノトモダチの家ニ行キマス」日本人であれば「ちょっと、用事が・・・」のあとにモゴモゴとすれば問題ない─あるいは日本語の最大の特徴として、断る理由をはっきり言わないと言うのがある。でも英語圏(この場合、授業の設定で悲しくも米国だった。英国はそんなはずはないと個人的に信じている)ではきちんと断る理由を述べることによってよりソフィスケイトされた回答ができる─、けど外国人だとそのパターンが通じない。
ちなみによくある例が(ちょっと)用事が・・・だったら、ちょっとなんだから終わったら来ればいいじゃん、というもの。日本語で使われるこの「ちょっと」がクセモノなんだよね。
あと面白かったのは、日本語は〔なる的表現〕で英語は〔する的表現〕というもの。
日本語であると自発的な発言を嫌う傾向があるので、(cf.ウェイターが言う「コーヒーがこぼれてしまった」を英語だと「I spilt coffee. 私がコーヒーをこぼしてしまった」と言い回すようなもの)以下のような差異が見られる。
◆case:03◆
J「私たち、来月結婚することとなりました」
E「私たち結婚します」(We are going to marry next month)この〔なる的表現〕で特徴的なのが「値上げすることとなりました」っていう言い回しだ。
本当は値上げするのは紛れもない自分だというのに自発的発言を避けた例。
こんな感じに体系立てるのが語用論。