うるめいわしがあったので、夜食にと思い、食べることにした。
うるめいわしは漢字で書くと「潤目鰯」で、字の通り目が潤んだように見えるからこの名がついたらしく、鰯種では脂が少ないため、丸干しなどの干物が有名だ。
西日本で獲れるのは、より滋味に溢れ、噛むとその魚独特の苦みと塩味が一体となり、この上となく焼酎に合う。
どんなのが美味しいかあれやこれやと試行錯誤をしたが、どうもそんなに大振りではなく、ほんのりと腹に肉がついていてエラが綺麗なのが美味しいようだ。
自宅では酒を呑まない主義であるから、もっぱらウルメイワシを食べる時はお茶漬けの具にするようにしている。
さっそくと冷蔵庫から取り出しガスコンロに乗っけると、飼い猫がニャァニャァと足元で頭を摺り寄せておねだりをしてきた。うちの猫はイワシのたぐいが大好きで、食卓の上にうっかりと置きっぱなしにしておくと、気を許した隙にニャンッと手を伸ばして盗み、椅子の下で齧っていることがある。ほとんどサザエさんの世界だ。
それを見ている飼い犬(パピヨン)もどういうわけか尻尾を振って昂奮している。近づけば引っ掻かれるというのに毎度のこと性懲りもなく忍び足をして興味を持ってしまうようだ。
さて、大きめのどんぶりに冷や飯を半盛りにしてうるめいわしをのせ、熱いお茶を掛けて、湯気を吸い込み、一気にかっ込んだ。日本人として生まれてきたことに感謝するほどの味。
見た目はシンプルすぎて取りたてもないけれど、干し魚自身が持つコクのあある塩味とイワシの身に染みた海の香りが具材としてマッチング。ふぅ~。
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タイの首都バンコクにあるルンビニ公園の近くの軍事施設後にナイトバザールが出来たとか(03年12月)。
スワンルム・ナイトバザールと呼ばれて、ざっと数えただけでも3000店舗以上あり、国内では最大級。
バンコクのバザールとしてはチャトゥチャックのウィークエンドマーケットがあまりにも有名だけど、これは毎週土日しか開催されないので是非にも行ってみたい。
バザールは食べ物の屋台も賑わっていて、安価なアイテムもあり喧燥に包まれているので祭り好きには堪らない。
食器や家財を買いつけている旅行者や洋服をチェックしているバイヤーも見掛ける。
ヨーロッパや日本での価格の何十分の一にも満たないので、お買い得なのだろう。
僕もチャトゥチャックのマーケットでTシャツを何枚か買ったりした。淡いグラデーションのある絞り染めのTシャツで凄く気に入って購入した。96年だったけな。日本に帰国しても愛着があって、見れば見るほどいい出来具合なので、もっと買い置きしておけば良かったと後悔したくらい。それから何度かバザールには行ったけど一度も見なかったし。
一日中楽しめる規模なので、食事は店舗と店舗の隙間で出展している屋台のご飯を食べることをお勧め。カオッパ(焼き飯)やバーミナウ(汁そば)なんてほんと美味しいから。
日本では考えられないけど、市場じゃ時としてナントカ条約に触れるような動物も売られちゃっているし。
あれはちょっと可哀相だな。旅行者には何にも出来ないので。
以前にはタイの御土産だと象の置物とか、へたすればシンハビールのTシャツなんぞが定番で、ステレオタイプに辟易した人もこんな感じのバザールに行くと、けっこうお洒落な雑貨や家具、アクセサリーがきっと見つかる筈。
さっきのチャトゥチャックでも店が多くて全部が見きれないぐらいなので、買う時のコツは、一度いいなって思ったら、その場で交渉して買うこと。少し見てからまた戻って買おうなんて考えてると必ず道に迷うのでご注意。