2005年01月06日

秩父へ

正月休みに秩父の山里まで温泉旅行に出掛けて、
しし鍋や鯉の刺身などに舌鼓を打っていた。

あたりはシンシンとして雪が積もり、16時にはもう風呂に入り、
遠くから聞こえる秩父鉄道の音に耳を傾け、じっくりと足を伸ばして開放的な気分になった。

夕方18時といえば、もう一日が終わったような、そんな世界だ。

旅館の上等そうな木材で覆われている長い廊下でも、灯油ストーブがいくつも焚かれ、それだけで外気の寒さや容赦のない北から吹く山おろしが想像できた。

まだ温泉のぬくもりが感じられる浴衣で用意された座敷に座るとメニューのひとつに「かりん酒」とあるのが目に入った。

花梨は秋に実る黄色い瓜型の果実で、咳止め効果があり、喉に良いことから蜂蜜漬けにしたり飴の原料になったりする中国原産のバラ科の果物だ。僕の田舎にも花梨の木があってその実からは甘いうっとりとした香りが漂わせていた。

たまたま目に入った「かりん酒」から久しく帰省していない田舎への郷愁心が呼び起こされ、思わず注文してみた。

さっそく運ばれてきたその果実酒は、大きめのクリスタルアイスが浮かんだ水割りで、年代モノのウィスキーのようなゆったりとした琥珀色の液体だった。
グラスをかざすと上から下へと螺旋の渦を巻いた模様が泳いでいった。

焼酎にしっかりと漬け込んでいるだけあって、香りも柑橘系ともアンズ種ともいえない花梨の甘い香り。
もしかしたらアマレットに似ているのかも、と一口飲んでみたらやっぱりボッチボールにそっくりの味だった。
スゥーッとした喉ごしのキリリと冷えた甘い果実酒は口当たりがよく、何杯でも飲めそうだ。馨しい花梨の香りが秋の山並みを思わせる。

後日、いつまでもこの秩父で飲んだ花梨酒が新鮮で心に留まったのでネットで調べてみたらこんなレシピが載っていた。

1.かりんをよく洗い自然乾燥させる。

2.輪切りにして瓶に入れ、お好みの量の氷砂糖を加える。

3.焼酎をドボドボ。

4.しっかりと封をして高温多湿の場所を避けて保存。

5.琥珀色になってきたら出来上がり。

来年の正月に向けて。是非。

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投稿者 ko : 2005年01月06日 22:20
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