2005年05月09日

八丈島「あそこ寿司」

なんとも刺激的なネーミングである。「あそこ寿司」。

どんな由来があるのだか知るすべもないこのお寿司屋さん、東京は品川の少し先、浜松町から東海汽船で約11時間、船中一泊して着く先は伊豆七島最先端の八丈島、底土港、その三根地区にある。

まぁ、遠い。

その名前からして、誰もがさまざまな胸のうちを膨らます想像をそそるわけで、僕としてみれば、とりあえず、あそこといえばアソコなわけで、果たしてどんな寿司が出てくるのやらビクビクし(もしかして、アワビにトビウオでも突き刺さっているんじゃないかというのが我々の見解だった。だって・・・、ねぇ。)、もしくはニヤニヤしてピンクなイメージを咲かせたあと、おっかなびっくりと暖簾をくぐると、意外にもそこにあるのは非常に正統的な佇まいの店内でもあった。

カウンターがあり、テーブルがあって、座敷があるという感じの。ホッとしたというか、なんというか。


さて、ここで是非ともトライしたいのが、島寿司。

漬け込んだ地の魚にワサビではなく洋辛子をつけて食べる寿司と、一般的な寿司(但し、ネタは地の魚オンリー)のどちらか。

特上寿司とかもあるけど、それは東京からわざわざ運んだネタを使っている。

そんなの本土で食べりゃいいもの。ナンセンスってやつだ。ちなみに漬け込む島寿司は要予約。

今回僕らは、予約不要の〝普通の〟島寿司を頼んだ。


肉厚の皿に載せられて登場した寿司は、もうため息が出るほど、美しい限り。見た目だけでもこりゃ違うなって感じ。

握っている大将はいまいち無愛想で、べちゃくちゃお喋りするんじゃねえど、みたいなオーラがぷんぷん漂っているけれど、それは、なんと言うか、寿司屋なんていうのは黙ってネタで勝負すりゃいいんだって意気込みにも感じられる。それほどまでに艶やかな寿司が並んでいた。

巻物が一本あるのが島寿司の特徴で、食べる前に大将が、時計回りにどの握りがどの魚かとちゃんと説明してくる。

ちゃんと聞いていたのに、なんて名前の魚があったか忘れたのが残念で仕方ない。思い出せるのは〝キツネ〟と〝カンパチ〟と〝トビウオ〟。

〝トビウオ〟はお吸い物にも入っていて、プリプリとしたツミレになっていた。


大将の説明のあと、醤油をちょいとつけて食べる。小ぶりの少し甘めのシャリに載った極上の地の魚。

もう昇天モノ。旨いっ、旨すぎる。

噛むほどに絶妙な味わいが口の中で拡がるというのでしょうか、気が付いたらもう一貫と手が伸びる。
そんな惹きつけるチカラがある。

その土地の一番美味しいものを食べるのが旅の醍醐味だとしたら、ここは本当に正解。
これを食べないと来た甲斐がないよ。

握り方も丁寧だし、ネタをきちんと知っていからこそといった感じだ。


ちなみにこのお寿司屋さんに「今日はどんなネタですか?」と訊ねると「今日は下ネタです」と返ってくるらしい。

ホントかな。けっこう職人気質の一本独鈷って感じの大将だったけど。
20050509

あそこ寿司
八丈島八丈町三根361
11:00~13:30
17:00~20:00
不定休

島寿司--\ 2100
漬け島寿司--\ 2100

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投稿者 ko : 2005年05月09日 21:59 | トラックバック(0)
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