2005年06月03日

にっぽん劇場写真帖

・写真=森山大道 テクスト=寺山修司 「にっぽん劇場写真帖」

「にっぽん劇場写真帖」

戦後日本の60年代後半以降を圧巻し、人々を凌駕した鬼才二人が写真とテクストで幻想魔牢へと誘う衝撃の写真集。

ブレ・ボケ・アレと称される前衛的写真を打ち出し、とことんと写真を解体し、また構築する作家である。

ポスターの写真をカメラで撮り直して作品にしたことは有名。

コントラストが激しいモノクロ写真はざらついていて、綴られている作品がすべて白昼夢のような、誰かが見た悪夢のようなフラッシュバックに近い写真である。

みんなは写真を見て、異様な喉の渇きを感じたことがあるだろうか?それとも暴力が描かれていないのに気配を感じたり、泣きそうになり、その写真から滲み出る自己肥大を感じ、昂奮したことがあるだろうか?

僕はこの写真集が初めてだった。

この写真からは常に作家の気配と苛立ちと写真を解体してかつ写真の世界を導き出すパワーを受ける。

そして寺山修司のテクストが拍車を掛ける。時代が選んだ最高傑作。

『にっぽん劇場写真帖』 1968年 室町書房 は初版と共に伝説となり、今は絶版。

市場に出回ることもほぼ皆無。もし出ているとしたら、幾らなんだろう?6万円ぐらい?

1995年にフォトミュゼ版として『にっぽん劇場写真帖』は復刻されるが、惜しくもこちらも絶版。
ごくたまに市場に出回っている。5000円-10000円程度。

森山大道のオフィシャルサイトで、FLASHを用いて、現在入手が不可能な絶版となった写真集を眺めることができるので、お勧め。きっと画面から眼が離せないだろう。


森山大道 オフィシャルサイト
http://www.moriyamadaido.com/

blank_space
投稿者 ko : 2005年06月03日 20:09 | トラックバック(0)
コメント
blank_space
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
Trackback
blank_space
Powered by
blank_space