ヒットラー【2002年 米】
監督:
クリスチャン・デュゲイ(Christian Duguay)
キャスト:
ヒットラー --ロバート・カーライル(Robert Carlyle)
「トレインスポッティング」「ビーチ」でその際立つ個性とキレた演技が好評のロバートカーライル主演のTVM。
ヒットラーが20世紀最大の犯罪者と呼ばれるにいたった狂気の道のりをドラマ化。
TVMとはいえ、映画に遜色ないキャスティングで、2003年には、エミー賞美術監督賞と音響編集賞の2部門を受賞している。
DVDは2部構成となっている。1部は「我が闘争」、第2部は「独裁者の台頭」。
1889年オーストリアの片田舎で生まれ、芸術家を目指した筈のヒットラーの苦悩と挫折、そしてユダヤ人への憎悪を前半で描いて、徐々に独裁性を帯びた人物になってゆく。若いながら親族を汚く罵る場面から、その片鱗がうかがえる。
ロバートカーライルがヒットラーのヒステリックで神経質な性格をじつに上手に再現している。特に大演説で自分に陶酔してナチスの優越性、ユダヤへの民族的蔑視をぶちまける姿は見応えがある。そして、突撃隊の台頭、首相になり言論の抑圧を行い、独裁国家への歩みを。姪に偏執的な愛を注いだ狂人ぶりもきちんと描かれている。
後半は第二次世界大戦のシーンがあまりなく、ヒットラー自身の最後の自殺も描かれていないのがちょっと残念。
〝特別な時代は特別な方法を要求する〟というのは、かの「我が闘争」の名セリフ。映画でも叫ばれたこの言葉、果たして、特別な方法を求めたのは誰なのか?
目が離せない度★★★★★