2005年07月07日

四谷「けむりや」

おニャン子クラブや、少年隊、尾崎など80年代のJ-POPが有線から流れて、焼きとんが炙られ、煮込みが飴色の煮汁を沸騰させてくつくつと煮てある。

そしてよく冷えたジョッキに注がれたホッピー。もぎっただけのキャベツのお通し。

こんな光景を思い浮かべて「あぁ、あの頃はよかったなぁ」と懐かしむ諸氏もいるだろうし、むしろ当時はまだお酒の味を知らない暖簾をくぐれない少年少女だったので、そんな先輩たちの語る物語が何処かの遠いアラビアのロマンスのごとく刺激的に聞こえ続けていた紳士淑女もいることだろう。

でも実はこれ、何も10数年前の飲み屋街の話ではない。まっとうな現在の話だ。

しかも世界一物価が高いとされている四谷の今年オープンした連日仕事帰りのサラリーマンで賑わいをみせている「けむりや」の話。

オープンしたのは脱サラで開業した通称〝おしょう〟のニックネームで親しまれている坊主のマスターと、その友人。

四谷駅から3分とかからない立地条件でもあるのに、焼きとんが1本120円~で売られているのは歓楽ストリート〝しんみち通り〟から裏手になるからであろうか。

あえて四谷らしくないその店のコンセプトが常に注目を浴びている。

よく街で見かけるような出来合いのレトロ調の店でもないし、店内もそんな雰囲気を決して漂わせているわけではない。

あくまでも本人達の意志で良いとしたものをチョイスした、そんな自然体の店である。

席はカウンターのみで、壁中に和紙でメニューが書きなぐられていて、店の奥でモクモクと串焼きが焼かれていたり、お通しが作られたりしている。
20050707a

ここのお通し、もぎったキャベツにごま油をベースとしたドレッシングがかけられているだけなのに最高に旨い。

そして、焼きとん、バラ、コメカミ、モツ、ハツと塩のよく効いたアツアツの串焼きがホッピーに合う。

辛し味噌をつけて食べればもう幸せだ。煮込みは420円。まぁ、この土地では安いだろう。

じっくりと煮込まれたホルモンは全然臭みがない。柔らかく味が染みている。たいていのお客がこの煮込みと串焼きを頼んでいる。そして有線からは懐かしのJ-POP。年を取るのも悪くはないぜ。
20050707b

けむりや
東京都新宿区四谷1-21
17:00~24:00
日休

焼きとん--\120
コメカミ--\140
煮込み--\420
生ビール--\480

blank_space
投稿者 ko : 2005年07月07日 23:26 | トラックバック(0)
コメント
blank_space
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
Trackback
blank_space
Powered by
blank_space