2005年08月17日

上山田温泉「小石の湯」

長野県、信州戸倉に昭和風情のまるでタイムスリップしたかと思うぐらいの温泉街がある。

その名も「戸倉上山田温泉」。

風光明媚な緑深い山々を抜けて現われるこの街はまるで「千と千尋の神隠し」の世界のようで、山にあるお寺は夜となるとビカビカにライトで装飾されて輝きつづけている。

そしてその足元には大きな温泉マークが装飾されていて、見る者を圧倒させる。

このあたりには色々と伝説があって、例えば「姨捨山(おばすてやま)」の話もあり、実際に姨捨山がある。

60歳以上の老人を問答無用に山に捨てなくてはいけないという御触れに従った若者が、自分の母のように思う叔母を捨て切ることができずに、叔母を置いてきてしまった山に戻り、叔母を背負って戻ると、暗くて道が分からない。

すると捨てられると分かっているというのに叔母が「お前が道に迷わないように小枝を折って目印にしておいたから、それを見ながら降りなさい」という涙の物語。

あと温泉の伝説といえば「小石(恋し)の湯伝説」がある。

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歴史のある街でもあり、昔ながらの歓楽街でもあるのが上山田の魅力。

温泉街を歩いていると、射的屋さんのおかみさんが綺麗な着物を着こなしてパタパタと団扇で煽いでいたり、道の外れでキャッチのお兄さんがトウモロコシを齧っていたり、ちょっと裏に外れるとひっそりと置屋があったり、信州ロック座で妖光な大人のショーをしていたりと。

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正明館の温泉は旅館では珍しい日帰りの湯を提供している。

ここの温泉は混じりっけなしの100%の源泉で、非常に貴重なのだ。

というのも上山田温泉において、さまざまな源泉があり、多くの宿はその源泉のブレンドをして提供しているのだけれど、唯一、この宿ともう一つの宿(名前不明)だけは源泉を直に使用しているのである。

プンプンと匂う硫黄が語らずともそれを証明している。

硫黄泉は、角質を軟化させたり、毛細血管を拡張させる作用で血液の循環を良くする。

効能は、やけどや皮膚病、神経痛、リウマチ、肩こり、腰痛、脚気、気管支炎、成人病、不妊症、貧血、痔、外傷など。

飲用もできて解毒作用もある。

事実、湯に浸かるとすぐに肌がスベスベになるのを感じることができた。

なんというか石けんの滑りがまるで違うのだ。

露天こそはないが、旅館の女将さんの暖かいもてなしもある。

すっかり湯から上がってきたところで準備される氷の浮いた冷たいお茶。

「これもよかったらあがってください」とはにかんだ笑顔の着物姿で出される青々としたきゅうりの糠漬けとかりんとうやお菓子。
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東京から来る価値はある。


上山田温泉「小石の湯」(正明館旅館)
長野県千曲市上山田温泉1丁目59-1
日帰り温泉 --\1050

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投稿者 ko : 2005年08月17日 19:00 | トラックバック(0)
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