先週末の金曜日は、急遽、渋谷にあるセルリアンタワー東急ホテルの2FにあるLIVE JAZZ AND DINING CLUB「JZ Brat」で行なわれた「KANKAWA&つのだ☆ひろ」のジャズを観に行った。
去る2月8日に79歳で亡くなったジャズ・オルガンの王様ジミー・スミスに師事し、NY市長から表彰も戴いたというKANKAWA氏のお弟子さんと同じ勤め先の友人(ややこしいな)よりお誘いを受け、行った次第である。
セルリアンタワーでの演奏なので、ドレスコードとか厳しいのかな、なんてちょっと心配したけれど(当日といえば僕はジーンズにコロンビアのワークブーツ、そして紺のパーカーというラフで、どちらかというとあんまりジャズの演奏を聴きに行くような格好をしていなかった)、その友人より『全然、ダイジョウブだよー』と太鼓判を押してもらったのにすっかり安心して、大袈裟な表現をしてみれば小躍りして向かったのだ。
何しろお弟子さん経由ということでタダのチケットだったし、ジャズのライブなんて久しぶりだからである。
「JZ Brat」は、案の定、品の良い大人達の集まる入り口からエスコートのあるバーのようなダイニングクラブで、「つのだ☆ひろ」は19時半からの演奏だった。
しっとりとしたすわり心地の良い席に案内された小腹の空いている我々は、早速と、飲み物と食べ物の注文。周りを伺うとけっこう40代ぐらいの年齢層が多く、みなそれぞれ静かに談笑している。まろやかな雰囲気である。
ハイネケンの生ビールとチョリソとチリビーズの和え物、マルガリータピッツァを頼む。
白いきっちりと気泡の詰まったハイネケンで乾杯し、チリビーンズを絡めてピリ辛のチョリソを戴く。チョリソとチリビーズの和え物は飽きのこないツマミで、簡単に作れそうだ。しかもビールに程よく合う。
ピッツァも薄焼きの生地でチーズが濃厚。大満足。
2杯目にクエルボで割ったテキーラソーダを頼んだあたりから演奏が始まった。
1時間ばかりの演奏でひときわ良かったのは、つのだ☆ひろがドラムを叩きながら歌う「Georgia On My Mind」。言うまでもなくレイチャールズのヒットナンバーのひとつである。
僕は日本人だから、ジャズやブルースのバックグラウンドにある黒人のルーツや迫害の歴史を肌で感じることがないので、ピント外れかもしれないけれど、それでも「♪Georgia, Georgia, the whole day through Just an old sweet song keeps Georgia on my mind(ジョージア、ジョージア、懐かしき甘き調べとともに、心に浮かぶジョージアのおもかげを私は一日中追っている)」という歌詞とその物悲しい曲に、故郷を離れて、なお故郷を想う気持ちを汲み取ることができた。
2つ離れた席に座っている妙齢の黒人ミュージシャンが、一緒に歌っていただけに。
例のハリケーンでニューオリンズは壊滅状態になったし、もしかしたら遠く離れた日本で聴くレイチャールズは彼らの心に染みるのかもしれない。
映画「RAY」もDVDでリリースされているので、秋の夜更けに観てみよう。
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さて、残念なお知らせだけれど、2年連続して今年も「はらっぱ祭り」の開催は難しいとのこと。
おととしのある事件、というか運営側と運営を許可する側の相互不一致がきっかけとなっていまだ開催にむけて理解が得られないというから悲しい。
「はらっぱ祭り」は武蔵野公園の ─公園というよりは巨大な野営場─ くじら山近くで20年近く開催されているお祭りで、ヒッピー色の強いイベントとして名高く、ジャンベや民族楽器のライブやサイケバンドの演奏、オーガニックやエスニックの屋台に、Tシャツや革製品などのフリーマーケットがごちゃごちゃと熱気を醸し出している貴重なお祭り。
僕は5年前にこのイベントを知って、トランスの野外パーティでは見ない緩~い雰囲気が気に入って、それからちょくちょく時期になると訪れていた。
店を出している人たちはみんな普段は何処に居るんだろうっていう70年代ヒッピーのような、耳に木製のピアスをくっつけたりパンタロンを穿いたり腰まで髪の毛を伸ばしたり見応えのある人たちばかりだけど、店先に並ぶお酒や食べ物もピカイチに美味しいし、みなシャンティな人たちなので飽きることはなかった。出店している人は公園にテントを出して寝泊りができるので、さながら即席コミューンのようで快適な感じで、それぞれ好き勝手にくつろいでいる。
くじら山に登って、あったかい梅焼酎でも啜りつつ、秋の空を眺める「はらっぱ祭り」は本当に格別なのに残念。
来年こそは期待したい。
しかもなぜかしら「はらっぱ祭り」では旧知の知り合いに遭遇することが多く、それもまた愉しみのひとつでもあるのだ。
バラバラになって、仕事や出没するところ変われど、このお祭りには集まるんだなぁと感慨もある。
こちらは「Photo Log」に掲載の「はらっぱ祭り」の写真。
>>Photo001
>>Photo002
>>Photo003
>>Photo004
トラックバックがないんでコメント。
モダンジャズの祖、オルガンジャズの先駆者であるジミー・スミス。そのアルバム群の中で一番の愛聴盤が「ROOT DOWN」だ。
なんというか、松田優作の映画や石原軍団のドラマ等で使われていた音楽は、それを模倣していた。うちのBANDでも全面的にというわけじゃぁないが取り入れたいエッセンスには間違いない。
ko君のBlogで知ったんだけど、今年亡くなったとは....。
うん、残念なことに亡くなられたらしい。またこれで一人の偉人が・・。
76歳→79歳でした。訂正。
合掌。
ちなみにこの日居た黒人ミュージシャンは、ドラマーのジミースミスだったとか。綴りはこっちのジミー( jimmie Smith)。