・川畑聡一郎「S60チルドレン」(1)(2)(3)(4)
「S60チルドレン」(1)(2)(3)(4)
昭和6x年、僕は小学校6年生で、みんなと同じくらい昭和があと数年先に終焉を告げるなんて心の何処にも思っていなくて、ビックリマンチョコのシールは集めるけれども、チョコの部分は食べなくて叱られて、ドラクエ2の復活の呪文を間違えて、画面の前でうな垂れたり、駄菓子屋でうまい棒食べたり、ガチャガチャで一喜一憂し、50円のカップラーメンを啜ったりしていた。教室では、男子と女子と明確に分かれていたけれど、ほんのちょっとだけ(たぶん)お互いに異性を気にしていた。
女子は休み時間になると、教室の端っこで交換日記をキャッキャと笑いながら陽だまりの中で交換したり、校庭でゴム跳びしたりして遊び、男子は6年1組と3組とかで分かれて、サッカーの試合をしたり、時には男子と女子が混ざってケイドロ(or、ドロケイ)をした。
そして、道徳の時間は、教育テレビの「みんななかよし」という番組を観ることになっていて、テレビを点けている間は教室のカーテンが閉められた。
窓側のクラスメイトがテレビを観る際のカーテンを閉める係で、カーテンを閉めるだけで、教室が違った感じに映る独特の雰囲気が好きだった。
「♪口笛吹いて、空き地へ行った。知らない子がやって来て、遊ばないかと笑って言った♪」
その唄の流れる時間に、クラスの片思いの女の子が、カーテンの隙間から校庭を眺める、時折見せる大人びた横顔は僕をどうしようもなく複雑な気持ちにして、それでいて、小学生ながらも、僕らはやがて大人になるのかなとぼんやりと想ったりもした。
この作品は残酷だけれども読者を選ぶ。僕はそういう風に信じている。
すべての昭和60年代に小学生時代を送った人たちに。
今年31歳で逝去した川畑聡一郎氏に。
[ 奇憚ノベ集 ]
やばい、あの頃の亜思い出がバッチリ蘇ってきました。既に号泣準備万端です。
あったよね、道徳の時間。なんだろ、別に大して窮屈でもなかった小学生生活だったのに、何故かあの時間は開放された気分になったよ。
今の子たちの「夏休み一日前の放課後」の高揚感とあの頃の僕らの高揚感は全然違うものだったのだと思いたいから読むよ、これ。
あったよね、道徳の時間。その時間だけテレビ観るの。この漫画、フツーにディスクドライブの書き換えとかが出てくるからすごい。
なんか読むとウォーって叫びたくなる、なんだかね。
ひさしぶし。
これ、すごいオモシロそう!思わずネットで検索しちゃった。
ぜひ、読んでみたいなぁ。
それも、そうだけど、Ko君の日記のないようにも共感しちゃった。すごい懐かしい。テレビ見るときにカーテンを閉めるなんて、いいトコつついてくるよね!さすがだよ
カーテン閉めるときだけさ、サンサンと太陽が照っている夏なのに、教室がほんわかと暗くなる、あの感覚って好きなのよね。
ぜひとも読んでみて。ご主人様も同世代だし、共感できるのでは。
ネットでみんな惜しんでいるけれど、ほんと、次回作も呼んでみたかった著者だよ・・・。惜しいなぁ。