大国ロシアでもトランスやパーティの文化的土壌があるのだと教えてくれたのが、97年頃からゴアで台頭したXP。
漫画のおぼっちゃまくんみたいなキャラなのに、パワフルでゴリゴリなサウンドを引っさげてゴア在住の僕らを驚かした。
「とにかくロシアの凄い奴がいるらしい」
それが僕らの97年のゴアを巡る言葉のひとつだった。
それから数年経ったのち、〝ロシアン・コネクション〟と、なんとも秘密警察のような、ロシアンマフィアを彷彿させるような言葉が囁かれるようになる頃、若干20歳にもならない超新星のユニットがトランス界に現れた。
その名もPARASENSE。
大国ロシア、凍土とチェルノブイリとウォッカを代表するサウンドで、暗黒的な力強いトランスだ。
AlexとZolodの2人のParasenseは一気に人気をモノにする。
Acidance Recordsから2001年、2003年にアルバムを出し、当時のパーティシーンではよく掛かっていた。
その後ParasenseはAlexだけのユニットとなり、Zolodは新たにTerminatorというユニットを立ち上げることとなった。
そのZolodが2006年1月4日に母国ロシアで亡くなった。
享年25歳。
早すぎる死だ。
たしかに、彼のパフォーマンスは、死を予感するような、不吉な未来を暗示させる傾向があったし、アーティストには彼と同じように自らの手によって、その命を閉ざす者もいる。
しかし、僕は思う、自分の手で死ぬのだけは駄目だと。それは本当に切ない死なのだ。
彼の遺作である「Spirits Of The Plants」はDeja Vu Recordsから2月にリリースされる。
Rest In Peace, Zolod.
彼の親しい友人達によって、メモリアル的なサイトも立ち上げられている。
─詳細─