JR中野駅から徒歩10分のところにある「長浜食堂」。
正統的な長浜ラーメンが食べられると評判の店である。
あまたある博多ラーメンのうち、長浜ラーメンは、いわずとしれた福岡県の長浜という土地が発祥のラーメンのことをいう。
長いこと長浜地方でしか食べられてこなかったラーメンとその食べ方、と表現を変えてもいいかもしれない。
内的に栄えた独自のラーメン文化。
では、長浜ラーメンとはなにか。
長浜ラーメンとは、というより、長浜ラーメンと博多ラーメンの違いは、誰かが明文化したわけではないし、食の世界に、そのような境界線を設けるのは正直つまらなくウンチクの温床となって、ついつい眉間に皺が寄るわけだが、そういった“違い”というのはあるようでないようで、やっぱりある。
つまりそれは、次の3点を結果的に満たしているのが長浜ラーメンなのではないだろうか。
1)
味の調整を自分でする。辛し高菜、紅しょうが、白胡麻とトッピングが自由自在。
2)
麺自体が特殊な味というかクセがあって、加水率の低い独特のコシがあり、あくまでも固め。固ければ固いほどよい。スープは薄めの味なのだが、まろやかに豚骨。
3)
替え玉を愉しむ。その際には〝固め〟か〝バリ固(ばりかた)〟か〝ハリガネ〟で注文。替え玉のためにテーブルには味を足すスープが置いてある。
※ハリガネ→さっと湯通ししただけの麺
僕の見た限りの長浜ラーメンというのは必ずといっていいほど、この3つを兼ね備えている。
食べ方的にはこういうことになる、ラーメンを頼む→ラーメン登場→テーブルの上にあるトッピングをお好みで入れる→1麺めを食す→替え玉をあくまでも固めで注文→スープを足す→ご機嫌♪
逆を言えばこの3つのうち1つでも外れていたら残念ながらそれは長浜ラーメンではないのだ。
そんな長浜ラーメンが─悲しいことに、その土地で食べるより美味しいことはないというのが法則ではあるけれど─東京でも食べることができるのが、この「長浜食堂」だ。
カウンター6席、テーブル20席の広い店には食堂という名前とは裏腹にジャズが流れている。
呑んで食べて最後にラーメンを食べる店に倣い、〝砂肝の香り煮〟とか〝青菜の炒め〟とか小料理のメニューが多く、たいていのお客さんが、小皿を頼んで呑んでいる。
こちらは博多焼餃子(409円)
モチモチとした皮の餃子。鉄鍋風ではある。ビールを頼むとしたら、これも・・・という趣きが漂う。
こってり長浜とんこつラーメン(619円)。
クセのある麺に絶妙に絡むスープは、白い薄豚骨で、3日間掛けて豚を頭から尾まで煮込むという。においがきつくならないように丁寧にあくぬきをしたというだけあって、豚骨臭は少なく、レンゲを沈めるごとにクセになるスープはさすが。
替え玉用のラーメンだれ(テーブルに置いてある)を1杯目から投入するツワモノも。テーブルにある辛し高菜を入れたり紅生姜を落として自分の味を楽しもう。
博多餃子房 長浜食堂
中野区新井1丁目2-10
11:30~15:00 17:00~翌2:00
無休
こってり長浜とんこつラーメン --\619
博多焼餃子 --\409
青菜の炒め --\409
石焼あんかけチャーハン --\619
替え玉 --\100
臭い=本場=コクの方式がなりたつわけではありません。
はっきり言って持ち上げる価値なし。こんな不味いラーメンを長浜だと思っていただきたくない。
偶然にも近々福岡に行く機会ができましたので、本場の味を愉しんでこようと思います。
中野の長浜が美味しいと感じる僕にどんな世界が待ち受けているか・・・、今からドキドキです。