タイ料理の麺類は何種類かあって、大雑把に大別すると、センミーと呼ばれる細い米の麺か、バミーと呼ばれる卵麺に区別される。
センミーは透明でまっすぐな白い麺で、バミーは中太の縮れた黄色い麺だ。
どちらもタイ料理では一般的らしく、タイの何処に行っても、まずはこの麺を食べることができる。
バミーの汁そばは、日本のラーメンのようだから気軽に食べれて、それこそ10B(40円程度)より屋台で売られているから、少し小腹が減ったら、屋台の椅子に座りさえすれば、それなりに美味しい麺にありつける。
しかしここはタイ、いくら日本のラーメンに似ているからって、音を立てて食べてはいけない。
啜って音を立てて食べてよろしいのは日本だけということになる。
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チェンマイでは、このバミーを使ったカレーラーメンが有名で、この汁そばはカオ・ソーイと呼ばれている。
茹であがったバミーの上に揚げバミーを載せるという二段仕掛けで、モチモチした麺の食感とパリっと揚がった麺の食感の両方が愉しめる。
スープはココナッツミルクをたっぷり使ったカレー汁。
タイでも暑すぎると暑気払いの効果を狙って、この汁そばを食べるらしく、結構賑わっているようだった。
僕ら旅行者も同様で、ムシムシと湿気が肌にまとわりつく、ねっとりとしたタイの夕暮れ、カオ・ソーイを一息でかきこんで汗をどっさり流すのが日課でもあった。
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土曜日は残念ながらに終日ずーっと雨に見舞われた先週末のタイフェス2006、日曜日はかろうじて曇り時々晴れの天気予報だったので、代々木公園に向かった。
シンハビア数杯でしたたかに打ちのめされた我々はヘラヘラと道往く人を眺めて、ドラゴンフルーツを食べ、タイカレーを食べつつ、とりとめのない馬鹿話に花を咲かせ、すっかりカオ・ソーイの存在を忘れていたようだ。
また来年にでも・・・。