・寺山修司「両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム」
昭和58年(1983年)、肝硬変と腹膜炎で敗血症となり、享年47歳の若さでこの世を去った寺山修司の名言集がこの「両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム」。
寺山自身の膨大な著作の中から選びぬかれた数々のアフォリズムだ。
言葉の錬金術師と呼ばれる氏ならではの文章は、珠玉の磨かれた言葉ばかり。
「寸鉄人を刺す」という諺の如く、言霊が心に届いて、しばし離れない。
名言集なので、最初から読まなくても気分しだいでどのページから読んだって愉しめる。
時々、無性に手を伸ばしたくある時がある。そんな同書の有名な一句。
一本の木にも流れている血がある
そこでは 血は立ったまま眠っている
これぞ寺山。渇望する独特の感覚こそが真骨頂なのだ。