四谷について意外と知られていないのが、<四谷はワンタン麺を食べられる店が多い>という事実だ。多いといっても、実際のところ元来ラーメン屋自体が少ない街。
だから、その割には多いということになる。
「こうや」「一心ラーメン」「まるいち」の三軒なのだけれども、どの店もそこに行かなくては食べられないというオリジナル性に高いワンタンを提供している。
そのうちの一軒、「まるいち」は四谷三丁目駅から4番出口を出て、徒歩2分。杉大門通りの入り口にある。
店自体はカウンター7席だけの小さな店。団塊世代といった50~60代の夫婦が切り盛りしている。夜はご主人だけだ。
デコラ調のテーブルにAMラジオの放送、つまりは昔ながらのオーソドックスな東京ラーメンの店である。
写真はワンタンメン(750円)
歯ごたえのあるメンマ、ほうれん草、海苔、焼き豚という組み合わせの醤油ラーメン。
豚骨でダシを取っているみたいだが、にごりも無く、トンコツ風味は感じられない。むしろ、野菜をたっぷりと使っているので、甘みと酸味の混ざったスープである。
昔ながらの醤油味のラーメンとしてはランクが高い。どうしてもここのラーメンは、荒木町で一杯呑んだ後にズズッと啜りたくなるのだ。そんな吸引力。
焼き豚は味が濃い目に煮てある。歯ごたえが十分で、なかなかの肉厚。麺は縮れ麺。最近めっきり見かけなくなった、中華鍋で茹でたあとに平ザルであげるという手法。
そして、チュルチュルと喉越しを通るワンタン。餡が詰まっていてホクホクである。一度お試しあれ。
まるいち
新宿区四谷3-6
11:40~15:00
18:30~22:30
日曜定休
ラーメン --\600
ワンタンメン --\750
チャーシューメン --\800
昼時に限り、茶飯\50あり。