ホッテントットという言葉が耳から離れなくなって早くも1ヶ月が経とうとした。
30日間ずーっと頭の中でこだまし続けたというのにも関わらず、あっという間だったような気がした。
私は1ヶ月前の日曜日、雨が降っていたせいもあって、何処にも出掛けることなく本棚にある『コージ苑』に無意識に手を伸ばして読み耽った。
その中にホッテントットを題材にした4コマ漫画があったのである。
それからだ。
私の頭の中で何かがあるたびにホッテントットという言葉が鳴り響いたのは。
最初の頃、私はとてつもなく困惑した。
何しろそれまでにホッテントットに興味を持ったこともないし、そもそもアフリカにだって行った事がない。テレビで観るサンコンさんがアフリカ出身ぐらいだな程度しか馴染みが無いのだ。
しかもサンコンさんがホッテントットなのかどうかも知らない。
たぶん違うだろうし、ホッテントットだからといって、私とサンコンさんに縁があるわけでもない。ブラウン管越しに見かけるだけだ。
そんな私がいつまでも頭の中でホッテントット、ホッテントットと呟いている。
焦らないほうがおかしいだろう。
ものすごく悩んだ。
限られた友人に相談したし、病院に行くことだって考えた。
友人達はどうやら私の告白を〝あるあるネタ〟と勘違いして真剣にとりもってくれなかった。
「そうそう、そういうのあるよね。私なんかこないだずーっと〝せんだみつお〟って言葉が離れなかったの。」
ナハナハ。そうではない。
私は30日間ホッテントットに苦しめられているのだ。分かって欲しい、友人達よ。
病院、これはちょっと躊躇する。なんと言えばいいのだろうか。
「すみません、私、頭の中でずーっとホッテントットって言葉が繰り返されるんです。いや、アフリカに行きたいとかっていうんじゃないです。はい」
微妙だ。どんな治療が待っているのか想像すらも放棄したくなる。
10日も過ぎたこと、フロイトになぞらえて「もしかしたら私の潜在的欲求意識なのかもしれない」と踏んで、ためしにインターネットの夢判断とかでホッテントットを調べてみたが、私を納得させる情報は見当たらなかった。
ホッテントットにリズムが似ている『コットンサック』や『すっぴんごっこ』でも無理だった。
だいたい、なんだ。すっぴんごっこって。どんなプレイだというのだ。倦怠期のカップルじゃあるまいし。訳が分からない。
悔しいから〝ホ〟で始まる『布袋さん』で検索したら、<お正月に布袋さんの夢を見るといいことがあるでしょう>って結果が出たから少し落ち着いた。
でもよくよく考えたら私が悩んでいるのはホッテントットであって布袋さんじゃないし、いまは8月なんだからまるで関係がないって分かって、結局もとの木阿弥だった。
15日目、私の状況はいよいよ深刻だった。ホッテントットはどんどん一人歩きして、みんなが喋る言葉の後ろにホッテントットと付け足されて聴こえてきた。
「いらっしゃいませ、こんにちわーホッテントット」、電車に乗れば「次は~日本橋ー日本橋ーホッテントット」。
周りの人間が誰もクスクス笑わないから、私のみの現象と気づいた。
ここまでくると、あとはどれだけホッテントットを受け入れるかどうかだ。
そして、会社でも上司が「む。次の会議は何時だったけな、ホッテントット」と言ってきた。
私は念のために上司に「いま、ホッテントットとおっしゃられましたか?」と聞いてみた。
もう答えはお分かりだろう。
上司は「ホッテントット?、いやまさか、なんでそんなことを私が言うんだい。会議の話をしているではないか。ふざけすぎにもほどがありますよホッテントット」と言った。
ついに私はあきらめた。
ホッテントット、万歳。
しかし、私は会社で経理を任されている。結婚相手と呼べる彼氏もいない。
仕事に影響しないよう心から願った。生活しなくてはならないのだ。
だが現実と言うのは時に残酷である。
先ほど業務で使用しているExcelのフォームに数字を打った。
45621478と。先月の会社全体で掛かった経費の数字だ。
そして数字の末尾にホッテントットと入力された。
いったい、いつまでこんなことが続くのだろうか。
資料ひとつも作れなくなってしまった。
この文章だって恐らくそうだろう、もう私には分かっているのだ、この文章に何が付け足されるのかを・・ホッテントット、ホッテントット。
こんにちは。突然すいません。8月26,27にあるダークサイケのレイブでサベージスクリーム、デジャン、DJ KENさんが来るイベント知っていたら教えて欲しいのですが・・・突然変なメールしてすいません。どうしても参戦したいので
ひでさん
当HPにご来訪ありがとうございます。
イベントについてはメールアドレスに僕の知っている情報を、お役に立てるか分かりませんが、お送りしました。良いパーティになるといいですね。