ノット飯島、バット長瀬。
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愛は地球を救う。
24時間テレビ。そろそろそんな季節がやってきた。
この番組が放映される頃になると、ぼちぼち夏も終わりかなと思う。
黄色いTシャツとサライがどうのこうの。
みんなは今年もマラソンを観て、感涙するのだろうか。
僕自身はきっとしない。今風に言うと「っていうか、泣くのとか、マジ無理っ。超ありえなくね?」である。
僕はどうしてかこの番組が小さい頃から苦手だった。
怖いのだ。例の世界各地の荒んだ現状をありのままに放映するあたりが。
何処の国の映像だか分からないアフリカの飢餓の映像。
真っ黒でガリガリに痩せて、栄養失調でお腹が膨れた子供に大量の蝿がたかっている映像。
アルミの皿に乗っている、とうもろこしの粉を溶かしたような液状の不味そうな食事。
悲惨とか可哀想というのを超えて、とにかく印象は「超怖えーー」だった。
なんとかしなくちゃという気持ちにすら、なりようのない衝撃的な映像。
あんなの見て少年に慈愛が芽生えるとでも思ってるのだろうか。今でも不思議でたまらない。
僕の残っている記憶は「とにかくアフリカには行っちゃダメ」というまるで逆の思い出しかない。
そして、同い年くらいの子がビンに詰めた一円玉を武道館に持ってくる映像。
お小遣いの有り金を全て駄菓子とマンガに使い果たしている自分は、まさにダメダメちゃんじゃん!としか思えない感じだった。
僕にとって辛い24時間だ。
とにかく小さい頃からこの番組が苦手だった。
何も学びようがなかった。
あれだけ愛だの自然だの騒いだ翌日のギャップのある番組編成も怖かった。
え?昨日の高まった精神の行方は?
大人の恐ろしさを垣間見た。
世界中でその日に一番暇をしている連中が武道館に集まっているって評したのは、たしかリリー・フランキーだっけか。
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それにしても愛で地球は救えるのだろうか?僕はそうは思えない。
愛は大事だ。
でも愛だけじゃ地球は救えない。
以前にトランスのパーティで、踊ってチベットだか地震のあった国だかを救おうってイベントがあった。
Save For ○○とかっての。
僕といつも一緒に踊っている1コ上の友人は大笑いした。
踊って救えるんじゃ世話ねえよ、と。
でもそれほどまんざらじゃない顔して、いかにも本日は救ってますみたいな連中が多いのがビックリした。
浅はかなノリ。
僕らが一番毛嫌いするパターンだった。
救うのだったら最初から踊らずに何か助けになることをすればいい。
エクスキューズを簡単に得ているその雰囲気が白々しかった。
祈れば地球がどうにかなる、こういうのもダメだ。
すべての共通項はおそらく〝平和〟なのだろうけど、平和というのは、もっと現実的にシビアな問題だ。
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インドやアジアの旅している連中が、日本のサラリーマン社会とかと比較して、アジアで出会った現地の連中は真の豊かさを持っていて、お金じゃ得られない幸福を得ている。それにしても日本は何だろう?お金があっても幸福じゃないじゃないか、とステレオタイプに評する。
おいおい、ちょっと待てよ。本当にそうなのか?
君が見た連中は本当に豊かそうだったのか?
君が感じた印象は先進国からの見た視点じゃなかったのか?そんな風にいつも思う。
明日のパンも食べられなくて、親が誰だか分からずに雨風しのげる家もない状態で、祈れば地球は平和になりますね、それにしても貴方達は平和で豊かそうで羨ましいなと言われたら、僕はきっとそいつの顔めがけて拳を固くするだろう。
祈れば平和になるという考えにいたるまでには、充足しなくてはならない要素が確実に存在する。
衣食住も適度に保証されていて、それでいて適度に文化的な位置付けにあって、初めて祈りの大切さを感じることができる。
全てが適度に充足していれば祈りは必要ないという逆説的な意味じゃない。
祈りは疎かにできないものだ。
ただ祈りの意味合いを履き違えてはいけない。
祈ればいずれは平和になるという考えじゃダメだということだ。
祈りながら平和に近づくという過程が大事なのかもしれない。
そこの君、旅先で上目線で見ていないか?
そいつはけっこう格好悪いぜ。
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平和の二重構造。
僕は初めてアジアに行った94年ごろから感じていた。
明らかに先進国と第三国では求めている平和の質が異なる。
簡単に説明すれば、内的豊かさを求める先進国と外的豊かさを求める第三国だ。
どちらが正しいとか間違っているとかじゃない。
僕の周りにいるスピリチュアル系のみなさんが祈りの大切さを説く理由もわかる。
外的充足が満ちている証拠だ。
しかし、先進国として内的豊かさを追求しようとすると、いずれ共産主義的な理想を求めがちになるという危険性も含まれている。
つまりは、自由、平等で戦争がなく、自然と共存するユートピアを求める。
でも残念なことに、そこには過程としての〝資本主義における市場経済〟が抜け落ちている。資本主義がマルクスの掲げた共産主義に移行するには成熟した資本主義を待たねばならない。
簡単に端折って説明すると、これが僕の先進国の平和構造に対する結論だ。
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じゃあ、愛ってなんだ?
愛だけじゃ地球は救えないのかもしれない。
でも矛盾しているけど最後にモノを言うのは愛だ。
そう思う。
「All you need is love」とジョンは1967年に衛星中継で歌った。
たぶん、その愛は地球を巡ってそのあとに生まれた僕らの元にも届いている。
愛は巡る。
目に見えないけれども、たしかにそこにあるパワー。
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何かの本で読んだが物理学上で測定でききれないベクトルのパワーがあるのだという。
愛をどんどん微分積分してゆくと、いずれ青空に近い淡いグラデェーションの波形になるんだとか。なんか素敵な話だ。
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ちなみに愛については、飯島より長瀬に一票。
私も24時間テレビアレルギー。
毎年毎年、黄色いTシャツ作ってナニやってんだ?って感じw
だよねぇ~。
マラソンとかね、マジで。
この番組やると夏も終わりだなー。
切ない・・。