前日、当日、後日と3夜に及んで呑めや歌えやのドンチャン騒ぎを開催してくれたそれぞれの諸氏達には、只々、感謝が募るばかりである。日を追うごとに身体のあちこちが痛くなってくるのは酔っ払って記憶をなくし暴れたりしたからではなく、嬉しさのあまりに筋肉そのものが喜びの悲鳴をあげている、そういうことにしておきたい。
奇しくも同日に生まれた世界三大スターの残りの2人(ぺ・ヨンジュン、マイケル・ジャクソン)もきっと世界の何処かでドンチャン騒ぎをし、スターらしく喜びの祝杯をあげていたことだろう。
さて、モブログにあるように、28日には、てっちゃん@英気養う期間 がフルーツの山盛りをくださった。パイナップルはみっしりと重たく、とても熟れていて、南国の果物らしい甘くて芳醇な香りを放っていた。
この果物は東南アジアでとってもポピュラーなデザートで、何処の国も路上でも廉価で手に入り、そして、美味だった。
タイのバンコックにある安宿街カオサンロードでは、巨大な氷で冷やされた果物が屋台で5B~10Bで売られていて、旅人が思うままに舌鼓をうっている。棒にささったパイナップルは喉の渇きを癒してくれるからコカコーラを飲むよりずっと手っ取り早い。
パッタイと呼ばれるタイの焼きそばが10B。50円もあればそれなりの食事ができてしまう。
パイナップルはタイ語で「サパロット」と言う。日本語で「札幌っ」というとタイじゃパイナップルが出てくるから試してごらん。嘘じゃない。ホントだよ。
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インドの鉄道駅には、弁当売りやら胡瓜売り(もぎっただけの胡瓜)やチャイ売りがはびこっていて、虎視眈々と乗客のポケットから小銭を毟りとろうと目論んでいて、なかなか気が許せないわけだが、その物売りの中にフルーツ売りがいる。
この手の物売りだと、ミカンやバナナがメジャーで、南の地方に下るにつれてパイナップルを頻繁に見かける。
パイナップルは濃厚な甘みがたっぷりで、南インドではどこで食べても満足できた。インドではなぜかパイナップルに塩と胡椒と唐辛子を混ぜた粉末を振りかける習慣があって、それは日本のスイカと同じ食べ方である。
一瞬、物怖じしてしまうけれど、案外、これが病みつきになる調味料で、一度この方法で食べてしまうと素のままだとどうも物足りなくなっちゃう。
岩塩の塩味とパイナップルの甘味が相乗効果をなすのだ。
何本かまとめて買うと、バナナの葉で織り込んだ器用な入れ物に調味料をいれ、無愛想なインド人が渡してくれる。
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インドネシアのバリ島の安宿は、ロスメンと呼ばれていて、何処の国にもあるゲストハウスと同じである。
ただし、ロスメンには朝食が出る。
クタやスミニャックのビーチ沿いでも、山間のウブドでも朝になると朝食が運ばれてくる。
ウブドにあるロスメンは田園風景が見渡せて、聴こえてくるのは風の音と、遠くで奏でられているガムランと呼ばれる民族音楽だけという何とも贅沢な環境である。
長期滞在が可能な宿代にも関わらず庭のあるコテージに滞在できる。朝、気の向くままに起きると、バリニーズが声を掛けてくる。
朝食の合図だ。
粉をお湯で溶かしたバリコピというバリ島の名物である珈琲を、粉ごと飲まないようにそっと口にし、よく焼けたトーストを齧り、パイナップルが盛られた朝食を食べる。
モンキーフォレスト(猿の森)からやってきた猿にちょっかいをだして、気がつくともう一度寝ている。喧騒なんてのはどこにもない平和的な世界である。