「the原爆オナニーズ」
グロ映画の題名ではない。
1982年に結成された日本が誇るパンクバンドの名前であり、現在もなお、活躍中である。
その原爆の結成20周年記念に行なわれたLIVEのファイナル@名古屋トクゾー(2002年10月13日)を、そのまま収録した貴重な一枚だ。まるでブートかと思うぐらいの臨場感というかパンクテイスト。
けっしてメジャーに溺れずにロッケンロール街道を突き進んだバンドのライブアルバムがここにある。
*
*
1990年代前半、まだ20歳にも満たないパンク大好きっ子時代、僕は「the原爆オナニーズ」のライブを観にいったことがある。
Schottのダブルのライダースにトリコロール色のリストバンドをつけて、10ホールのマーチンを履いた格好で。
いま思えば、アイラブ初期パンって具合のいでたちなわけだけど、当時はこのファッション以外に選択肢は無かったのである。
さて、意気揚揚として扉をくぐったライブハウスは、ものすごい熱気だった。モヒカンや鋲だらけの連中が特有のモッシュ(押しくらまんじゅうのようなもの)をする。ボーカルが吼える。ひたすら暴れて暴れまくるというライブのドライブ感は、パンクバンドならではの昂奮で、翌日には身体中が痣だらけだった。
その当時の思い出は遠い昔日であるわけだが、このライブアルバムを聴くと、もう一度暴れたくなってくる。
ライブそのものを〝音〟に閉じ込めると、こんなアルバムが出来上がるのだろう。
全ての楽曲が僕が行ったライブと同じ(若しくはそれ以上の)ボルテージであることに驚く。
最近じゃパンクを聴くこともなくなった僕だけど、心の中じゃいつだってシドがいるし、江戸アケミがいる。
そして、もちろん「the原爆オナニーズ」も。