2006年12月01日

名もなき腕白なメールアカウントたち

「お父さん、どうしてお父さんには羽が生えていないの?」
「それはお父さんがミミズでお前がカナブンだからだよ」

『ムツゴロウ王国』序章より

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いまの都会的世の中でメールサービスを利用しない人間はまだいるのだろうか、という疑問が突然と沸いた。たまには整理してみようと、ドライブにあるテキストファイルを捨てたりしている途中で、古いテキストファイルにまるで見覚えのないメールアカウントとパスワードが記載されていたのをみつけたからである。

むろん、自分のパソコンにおいてあったファイルなので、僕のものなんだろう。

使い捨てられるメールアドレス、大量生産に大量消費の方式、とっさにそんな言葉が浮かんで消えた。

さて、さっきの問いについていえば、揺りかごより棺桶が近い人とか、人間よりアニマルの個体数が目立つ地域に住居を構えている人を除けば、メールを使っていない人なんて、そうはいないだろうと思う。

僕自身、どれぐらいのメールアカウントを所持しているかというと、仕事上で2つ、ケータイに1つ、ISPが3つ、フリーメールが4つ、Kennyサーバーから貰っている分が1つ、自分のドメイン分が2つ、合計13個のアドレスがある。

アカウント自体の使用頻度はバラつきがあって、たとえば、仕事で使っているアカウントのうちの1つは、まるで送受信をチェックしていなく、現状がどうなっているのやら分からない。チェックしなくても業務に支障をきたすことはないアカウントだ。

そしてISPのアカウントは1つしか使っていなく、フリーメールも使うのは実質2つで─僕のHotmailアカウントはいまやスパムの掃き溜めなので、もう諦めている─、使用状況(とどのつまり〝生きている〟アカウント)というと、トータルで8アカウント程度だ。

1人につき1アドレス的なWebの黎明期ではないし、Gmailのようにフリーメールとは思えない優れたサービスがあるので、複数のアカウントを所持する人はけっして少なくないと思うし、むしろ一般的な部類に属すると、個人的には考えている。それでも複数のアカウントの全てを窓口としてしまったら、メールに振り回されて一生を終えてしまうことにもなりかねないので、恐らくはほとんどの利用者が、それぞれのアカウントに個別の役目を与えて運用しているのではないだろうか。

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僕の場合には、RSSサービスを利用する際に貰えたアカウント、同じくISPの提供する無料ブログサービスを利用する際に貰えたアカウントは、送受信することもなく、問答無用で<生きアカウント>への転送メールの対象にしている。

届く情報も重要ではないので、件名で判別して削除対象とかにしたりして、情報過多の汚染を免れている。

Hotmailはバックパッカーをしていた頃に、海外のインターネットカフェとかゲストハウスで使用するのにわりと重宝していたんだけれど、使いにくいこともさながらスパムまみれになったので、もはや使うことはあまりない。せいぜいメッセで使うぐらいか、仕事上の検証(検証するためにどうしても使わなくてはいけない状況になることがある)で使う程度だ。

もし今後、海外を旅することがあるとしたら、きっと、Gmailを利用するのだろう。

Kennyさんのサーバーアカウントは、PSYBABA.NETブログのFLASHサービスの新着情報、アドセンスの運営元からの新着情報を受信するのに事欠かせない。つまりは僕のサイトで利用しているサービスとの連絡窓口だ。まあ、そんなにログインして受信箱を覗きに行っていないが。

そして某フリーメールアカウントは、ズバリ、登録専用。Webに転がっているアプリケーションやフォトショのフィルタを使うときに、くぐらなくてはいけない〝メール登録〟の重要な担い手である。

で、ドメインのアカウントは、最初の頃、postmasterとかwebmasterとかadminとかadministratorとかabuseとかsupportと、RFC(インターネットに関する事柄に関しての規定のようなもの。"Request for Comments"の略)に準拠するアカウントを山のように作ってウハウハと喜んでいたんだけど、3日も持たないうちにスパムの山になったので、ほとんどを削除した。

現存している2つ分は、WEBに載せているのと、露出していないのは書き込みのcgi転送用である。

あとの残りのアカウントは、リアルタイムに連絡を図るためのアカウントとなっている。当然、即時性が問われるから、応じて使用頻度が高まるのだ。

ケータイのメール、Yahooメール、Gmailがそれに相当する。

Gmailは涎が垂れるぐらい素晴らしく、ISPメールを転送設定にして、Gmailまで投げると、ISPのアカウントではフィルタができないスパムメールを全てフィルタしてくれるからありがたい(だから、かのISPのメールはすべて転送して分別すると便利というのは豆知識。分かる人にしかわからない話題か)。しかも容量は2Gである。

そして、前述したように、記憶にも残っていないような、作るだけ作って、あとはどうにか忘れてしまった数々のメールアカウントたちもある。こういうのは思い出すこともないし、再編の波に乗ることなく、ただ風化してゆくのみの哀しい宿命である。

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こうしてみると僕は、生き別れになったメールアカウントについて、なにか考えなくてはいけないかもしれない。

彼らはいまごろ、どこでなにしているのだろうか。

@マークの前がニックネームと呼ばれる名前だとすれば、僕は彼らに名前を与えたので、名付け親ということになる。

PWという名の鍵も持たせた。少なくとも当初は使う予定だったから、育ての親としての養育義務が生じていたはずだ。

それにも関わらず、僕は彼らに、メールを食べさせたり出させたりという、アカウントの生命ともいえる基本的権利の機会を奪い、ほったらかさせてしまった。

これが、いま、家族問題でも取り上げられている〝放任主義〟というのだろうか。

お父さんはパチンコこそしないけれど、インターネットでたくさんのエッチな画像とかをみて君たちのことを世話する暇がなかったようだ。

さらに放任の極め付きで、僕はとっくのとうに可愛い子供たちの名前を忘れてしまった。

すまない、我が子たちよ、無限に広がる電脳世界で、スパムという雑草を食べ、逞しく育っていて欲しい。

たとえ僕がミミズであって君がカナブンだとしても、お父さんはいつまでも君たちを誇りに思う。

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投稿者 ko : 2006年12月01日 19:19 | トラックバック(0)
コメント

なぜ毎日19:19なの?

Posted by: juno at 2006年12月01日 17:32

仕様らしいよ。

Posted by: ko at 2006年12月01日 17:38
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