2006年12月22日

球体的な夜

昨日の夜、40度近くの発熱を起こし、21頃から毛布を3枚かけて寝込んでいた。

近くにオイルヒーターがあるのに寒くて震えが止まらないのだ。

そして寝込んでいる夜が往々にしてそうであるように、昨晩もうなされた。

ようするに怖い夢を見たのである。

幾つものストーリーが夢の中で流れた。どんな夢だったのか、正直すべてを思い出すのは難しい。

だけど、ただ恐怖の感覚だけは、しっかりと憶えている。

その夢のうちに、うなされるときに必ず見る夢があって、僕は幼少のころからその夢に怯えるのである。

その夢の世界では、色彩と音色が失われている。黒と白しかない世界。

地平線はまっすぐなまでに遠くまで見渡せて白一色。逆に空は漆黒の黒さだ。

僕の真正面には、地球より大きな白い丸い球体があって、その隣りにそれとそっくりな形と色の─それは本当に巨大な球体を縮小したような感じだ─ゴムボールぐらいの大きさの球体がある。

その2つの大小の球体が、無音で無色の世界に存在していて、僕はそれを眺めているのだ。

そして僕が何よりもこの夢で怖いのは、その球体同士の「存在感の差」なのだ。

2つの球体の存在感。

目の前に聳え立つ惑星ほどの謎の球体に怯えて、手元にある拳ほどの球体に恐怖を感じる。

およそ測りきることのできない異質な球体が僕を怖がらせる。

そして何も聴こえない、何も匂わないし、あるべきものが失われている。

どうしてか分からないけれど、発熱した夜に限って、僕はこの特殊な世界に引き込まれる。

どうしてか分からないけれど。

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投稿者 ko : 2006年12月22日 19:19 | トラックバック(0)
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