スキャナー・ダークリー【2006年 アメリカ】
監督:
リチャード・リンクレイター(Richard Linklater)
原作:
フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick) 『暗闇のスキャナー』(東京創元社刊)
製作総指揮:
ジョージ・クルーニー(George Clooney)
スティーヴン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)
キャスト:
ボブ・アークター --キアヌ・リーヴス(Keanu Reeves)
ジム・バリス --ロバート・ダウニー・Jr(Robert Downey, Jr.)
アーニー・ラックマン --ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)
ドナ・ホーソーン --ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)
チャールズ・フレック --ロリー・コクレイン(Rory Cochrane)
冒頭に登場する、自分の身体からアリマキ(蟲)が沸いていると幻覚にやられっぱなしのヤク中の男。
シャワーを浴びても浴びてもどんどん蟲が湧く。
ダチに助けを求めて車に乗るが、後ろを走っているパトカーが妙に気になる。
「オ レ の こ と 尾 け て な い か」
そんな風に始まる映画。
過度摂取 囮捜査、そしてパラノイヤ。
原作者のP.K.ディックは本作品についてこのように語っている。
これは行いを
過度に罰せられた者たちの物語。
以下のものに愛を捧げる。
ゲイリーン(死亡)
レイ(死亡)
フランシー(精神病)
キャシー(脳障害)
ジム(死亡)
:
:
:
彼らは最高の仲間だった。
ただ遊び方を間違えたのだ。
次は別のやり方で遊び
……幸せになることを祈る。
─P.K.ディック
監督はリチャードリンクレイター。『ウェイキングライフ』で採用した<ロトショップ>を使って、実写をアニメーション化している。
キアヌリーブス主演。ヒロインはウィノ・ライダー。彼女の名付け親は、ティモシー・リアリー。そして彼の最後を看取った数少ない人たちの一人だ。
有名ハリウッド俳優をアニメーション化という手法の斬新さもさながら、中毒者どものイカれた会話と行動に注目して欲しい。
P.K ディックの「暗闇のスキャナー」の世界観を見事に映像化している。最高の映画だ。
僕は公開が始まった週の休日に時間を作って観に行った。でも、少なくともあと一度は観なくてはいけないと思った。
だって、別のやり方の遊びなんて誰が知っている? 僕の周りの数多くの人も実際に死んでしまった。
つまり、まあ、そういうことだ。
全てのどうしようもないジャンキーどもに。
http://wwws.warnerbros.co.jp/ascannerdarkly/