ROM:
インターネット上のコミュニティで閲覧のみの訪問者など(Read Only Member の略)。Read Only Memory(ROM)をもじった言葉。
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自分のブログのROMな皆様が果たしてどれぐらいいらっしゃるのだろうかと気にしたことがある。
僕のサイトを訪れる人は必ず挙手してくださいとか女子だったら合コンのセッティングしてくださいとドサクサにお願いしたいから・・・・が理由じゃなくて、delta君のはてなサイトなんてのを見ていると、「いままでROMでしたがカキコします」とかあって、なんだか凄いなぁなんて思うからである。
仮に、面識がある/ない で、他者との係わり合いの区別をするとしたら(もちろん、それが 良い/悪い の区別ではない。念のため)、面識がない方々から書き込みがいただけるというのは、それだけサイトが愛されている証拠だと思うので、とても感心する。
僕は<普段の知り合い=インターネットの知り合い>という生活を送っているので、ネット限定で知り合いが増えることがない。逆に普段の知り合いには「え?アメリカにEmail送るのって、値段とか大丈夫なの?」といまさらに心配する原始人が多いので、さらに<ネットの知り合い>が限定される。
ということは、数字上では、
ネットの知り合いの人数 < 普段の知り合いの人数となる。
こういうのはWEB2.0時代においては、遅れていてアナログなコミュニケーション手段なんだろう。2.0時代は、インターネットをコミュニケーションツールとして活用してガンガンに知り合いを増やさないとダメなのだ、きっと。
だから出会い系サイトを通じてほんとに出会った人たちから武勇伝を聞くと、とにかく「すげーー」としきりに驚いちゃうのである。
と、そんな事をボヤきつつ、自分は自分で見ず知らずの人が公開しているBlogの常連ROMなので、人のことをあれこれ言えない。
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気にしちゃうといえば、まったく別の話になっちゃうが、僕の友人のK君は、尋常じゃない自意識過剰で、居酒屋に入店すれば、お客さん・ウェイター・厨房の全ての人たちが自分のことを見ているんじゃないかと考えてしまう人で、もちろん本人はSMAPの一員だとかボンジョビのギタリストだとかそういうんじゃないんだけれど、どうしてか「もしここで焼きバナナとか頼んだら、注目浴びちゃうかな?」と心配が絶えない男である。
そんな自意識過剰の彼が、ある日、ステーキ屋で<当店売りのスペシャルパフェ>を頼んだそうだ。
<当店売りのスペシャルパフェ>を若い男が頼んだということが注目に繋がると考える彼だから、あたりをキョロキョロ窺いながら「まあ、たまにはパフェでもね」というオーラを放出しつつ他のテーブル客に向かって弁解していたらしい。
もちろん、周りの人々は、誰がパフェを頼もうがそんなことは気にしちゃいない。
でも彼にとっては「きっと見られてるだろうな」と悩みの種がニョキニョキと芽を出すのだ。やがて10分が経過した頃だろうか、ウェイトレスが<当店売りのスペシャルパフェ>を持ってきた。
なんとそのパフェの頂上では、小さいながらも勢い溢れた花火がパチンパチンと蛍光灯のネオンみたいに輝いていた。
つまりそこが<売り>なのである。
他人に無関心としきりに囁かれる大都会だって、さすがにみんな黙っちゃいない。
お、なんだか花火が噴いていて楽しいぞと、10幾つも埋まっているテーブルのお客さん全員が首を振り向かせてパフェを見つめていたそうである。
K君はその時、自分の妄想劇が現実とリンクしただけに本当に漏らしそうになったとか。
みんな俺のことを見ているよと、泣きそうになったそうだ。
こういうのは"気にしすぎ"なのかそれとも"気にしたほうがいいのか"、心の懐具合がまるで収まらないところが難しい。
ちなみにK君は、目覚まし時計が鳴る寸前の針と針が合わさった瞬間に聞こえるカチッという音だけで寝起き可能という、まるで臨戦態勢のゴルゴ13みたいに神経を研ぎ澄ましている男である。
こないだ久々に会ったら、32歳を過ぎてようやく電車の中で寝ることが出来たよと喜んでいた。