2007年03月15日

石にまつわる物語

石については、いろんな人がいろんな場面で語っている。

水晶やアメジストなどのさまざまな石は特殊な力が宿っていると信じられていて、総称してパワーストーンと呼ばれている。

科学的見地では実証できないので、どうしてもオカルト寄りになるけれども、御守りや縁起を担ぐことが潜在的パワーを引き出す触媒になると考えられれば、パワーストーンだって、人々の精神に対して─それ自身が機能するとも限らず、結果的に─プラスに作用したりマイナスに作用することがあるんだろうと思う。

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そんなパワーストーンについてのアニメは言うまでもなく「天空の城ラピュタ」だろう。

小さい頃なんかは<天空の城>とか<飛行船>とかにがっつり魅力を感じていたのに、大人になって改めて観てみると、全然違う部分に集中していた。

憶えているだろうか、物語の中盤に、パズーとシータが線路下の採掘洞に落ちるシーンを。そのトンネルの中で彼らは、一人の老人に出会う。常田富士男(日本昔話の声優)が演じるポムじいさんだ。彼はバックパッカーさながらキャンプセット一式を背負って鉱石を採掘している。

そして彼が石にまつわる全ての言葉をアニメの中で語っている。

彼はシータの持つ飛行石を見て、こう言う。

「その石には強い力がある。わしは、石ばかり相手に暮らしてきたから、よー分かるんだが、力のある石は人を幸せにもするが不幸を招くこともよーあることなんじゃ…」

彼の云わんとすることは、なんとなく分かる気がする。

僕の周りには、結果的に<石に飲まれてしまった>としか思わざるをえない人たちがいるし、いた。

彼らの生活の中心には水晶やあるいは何らかのパワーストーンがあり、石に翻弄されていた。僕もそういったエキセントリックな連中に感化されて、何ヶ月かの期間、石に心を奪われた。

結果、石に飲まれそうな体験をして、身の危険を感じ、<生活の中心に石を赴くことをやめよう>を経験的に学習した。疑似科学であったとしても、体験的に石にはやはり何かがあるような気がする。

でも、石は御守りの一部であって、それ以上でもそれ以下でもないという風に考えないと、色々なものを招いてしまう。

ゴアのフリーマーケットで購入した月長石(ムーンストーン)は、暫らくの間、僕の御守りだった。23歳の秋、10年以上振りに父親と再会した。

会う直前までにポケットに仕舞われてたその石は、不思議なことに帰り道にはポケットから消えていた。ジーンズのサブポケットに入っていたから、決してなくなる事なんて起きるはずがないのに。

インドで見つけたその石は、僕と父親の再会の役目を帯び、それを果たしたのだろうか。何かの象徴だったのかもしれない。

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投稿者 ko : 2007年03月15日 19:19 | トラックバック(0)
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