2007年04月03日

ワインと北九州

南アルプスの田舎に帰省した場合にワインを購入する以外を除いて、ほとんどワインを嗜む場面が少なくなった。

一人じゃお酒を呑むことがないので、正確に言うと<ワインを呑む店に行く機会が減った>が正しい。

それでも数年前はワインにどっぷりとハマった時期があった。九州地方に半年ばかり転勤していた頃のことである。

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福岡県北九州地方の主要都市を担う小倉駅の近くに<サンスカイホテル>というビジネスホテルがあって、会社の同僚の幾人かはこのホテルに滞在していた。ホテルの施設自体は、ありふれたホテルでそれほど特色がなかったのだが、このホテルの最上階にあるラウンジレストランは一見の価値があるレストランだった。

レストラン自体がゆったりと回転するのである。

席はすべて窓際で北九州地方の夜景を一周しながら眺められる。

回転するスピードも決して目が回ってしまうような酷いシロモノではなく、じつに優雅に回転していく。たしか料理はフランス料理が旨かったと記憶しているが、料理というよりは、このラウンジで飲むワインが最高だったと憶えている。

しっかりと腰のある白ワインは完璧に冷えていて4月の桜の時期に呑むというシチュエーションは感動に属するレベルであった。

いまだったら考えられないが、友人が運転する車でレストランに向かい、白ワインを2本ほど空けた。

ワインの酔いは心地がよくて、なにかふわふわした感じで、どこでどうやって会計を済ましたか分からないまま千鳥足で夜の北九州をかっ飛ばした。

ラジオからは森山直太郎の「さくら」が流れて、歌詞にある「さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散る道の上で」なんてのに耳を傾けると少しだけ感傷になったりもした。

小倉城の桜は満開だろうか。懐かしい思い出である。

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投稿者 ko : 2007年04月03日 19:19 | トラックバック(0)
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