2007年04月20日

拳銃事件

ここ数日、海外や国内と拳銃による犯罪が目立つ。僕自身、かつては合コンでお相手の女子に対して自分の44口径をぶっ放していたのさ、という親父ギャグはさておき、19歳の4月の帰宅途中に家の近所で実際に拳銃事件に遭遇したことがある。

夜の20時過ぎだったか、駅前から自転車に乗り、ウォークマンでGun'sのブートレグのライブカセットテープをガンガンに聴いていると、家の角を曲がる直前で、小道の方向にダッシュする変な人を見かけた。

「なんだろう?気持ち悪いな。ほんと春先になるとおかしな奴が現われるぜ」と不穏に思っていると、目の前で、近くの住人が大騒ぎしている。

なんだなんだ?と、イヤホンを外せば一様に「う、撃たれたぞー!」とかなんとか騒いでいる。状況が掴めない上にぎゃーぎゃーと錯乱しているから、何が起きたのかさっぱり分からない。そこで、自転車を止めて様子を伺ってみた。

すると、車庫に入れようとしている車の運転席に小さな穴がポッカリとあいていて、何だか硝煙臭い煙が立ち込めているじゃないか。で、運転席の男が「うぅ・・・」とか細い声で正面を見据えて完全に固まった。

うわ、これって殺人事件じゃん、すぐに気がついた。そして白いワイシャツからは不思議と赤い血が一滴も流れていないのが印象的だった。

とんでもないものを見てしまったなと感じるまもなく、今度は目撃者の住人が「く、車が~~」と慌てふためきはじめた。そう、運転席の男が死亡したので、車が前にズルズルと進んでしまっているのだ。見かねた誰かがサイドブレーキを引いてどうにか難を逃れたわけだが、その車が前に行かないようにボンネットを押さえた僕の指紋は、ばっちり残った。

もちろん、こんな事件なのだから警察やら救急車やらがあっという間にやってきた。目撃者それぞれが事情聴取されている。そのうちの一人が僕で、刑事に「・・・ということで、僕の指紋が検出されると思うんですけど」と吐露すると、苦味を味わうような目つきで「ちょっと署に来てくれるかな?」とパトカーで連行された。思い切り容疑者扱い。

取調室に連行されて、すべての事情(駅から自転車に乗ってかくかくしかじか)を説明したら、とりあえず指紋だけ取らせてくれるかなと言われた。ここで逆らったら、間違いなく犯人にされてしまうんだろうみたいな鬼気迫る迫力があったので、二つ返事で「OKです」と答えた。

さらに長い廊下の奥にあるちょっとやそっとじゃ脱出できない別室みたいな場所に連れて行かれ、真っ黒いインクを手に塗られて指紋を取られたそのあとしばらく放置されて、和久さんのような刑事が登場し、連行した刑事に耳打ちをすると僕のほうをみた。

「まるで、力士が記念に手形を押したみたいに君の指紋が残っていたよ」

ポンポンと僕の肩を叩いて、ご苦労さん!と一言告げられ解放された。

その某警察署は歩いて10分かからない場所にあるけれど、行きはパトカーだったのだから、きっと帰りもパトカーで送ってくれるんだろうと期待していたのは、一般庶民の甘さだったようだ。刑事は見送りひとつもしてくれない。

「超対応悪いっつうの」と内心怒りで煮えたぎらせても、しょせんはビビリなので、急ぎ足で警察の角を曲がり、そこでようやく小さく中指立てて、すごすごと帰った。

ちなみに、その殺人事件は、ものすごく闇の世界が絡む事件だったようで、いまだに記事になったりしている。どんな内容なのかは、ちょっとここじゃ書けない。

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投稿者 ko : 2007年04月20日 19:19 | トラックバック(0)
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