2007年06月13日

時代の長い影

僕ぐらいの世代なのに、野球でスーパースターだといえば長嶋だと主張するのはどうも不健康な感じがしてならない、というのが個人的な意見で、というのも、僕が物心がついたときには長嶋選手は引退していたからリアルタイムで感動を覚えるということがなく、どちらかといえば世代的には落合がスーパスターだったんじゃないかと思うからだ。

長嶋の活躍は過去の映像でしか見たことがない。言ってみれば最初に見た時から懐かしのスターなのだ。

音楽に関しても同様で、僕ぐらいの世代なのにジャズがどうしたこうしたと非常に熱心になるのは不健康なように思えてしょうがない。だって、ジャズが輝いていた時代を同時代的に生きていないから、全然分からないのだ。

音楽に左右はあっても上下はないというのが僕の考えなので、ジャズについての素晴らしさというのは大変分かる。マイルスが稀有な存在だというのは当然だと思う。

でもそんなジャズに熱狂していたのは、明らかに僕より上の世代であって、「ジャズ」という言葉に過敏に反応するのも効き目があるのも僕らではなく、その人たちなのだ。

それと同時に最高の音楽というのは時代を越えて語り継がれるというのも頷ける。ただ何も知らずに「ジャズ」というキーワードが含まれているだけで、それっぽい感じになってしまっている自分の世代が好きではないのだ。

焼肉食いながらジャズって、ほんとにそれでいいのか?こういうのは全共闘世代の悪しき影響だと思いたい。

しかしまあ、前述したように僕より上の世代にとって「ジャズ」音楽は聖域に近い。コルトレーンは神様なのだ。僕がDJしている店にもごくたまにそういった音楽が好きそうな連中がやってくる。彼らにとってテクノは許しがたい音楽なのだろう。理解の最果てにある騒音なのかもしれない。テクノ or アナログ、そういう位置にフラグが立っている連中なのだ。

悲しい哉、今度また彼らがお客さんでやって来たら、僕はそんなに好きじゃないジャズを流す。でも、それは正しい。僕からしてみると僕が流しているジャズは、彼らに向けて贈る音楽であり、レクイエムや葬送行進曲なのだ。そんな感じでまた週末が近づいてくる。

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投稿者 ko : 2007年06月13日 19:19 | トラックバック(0)
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