2007年06月26日

氷開き

僕の家のベランダから見える道を挟んで向かい側の老舗お団子屋さんが<氷開き>をした。

空梅雨で夏日が続いたし、花屋にはヒマワリも並んだし、たぶんはそういうこともあって、例のかき氷のマークが記されているのぼりを出したのである。氷開きというのは、かき氷が店頭に並ぶことを指して、海開きや山開きという言葉と同じように使えるように勝手に造語した。

ささやかだけれど、大好きな夏の始まりである。

歩いて1分のところに知り合いが引っ越してから、たびたびベランダの下から声がすることがある。「koくーーーん」と呼ぶ声が聞こえると、カーテンを開けて覗いてみる。まるでバンコクのカオサン状態だ。

友人は日曜日にコインランドリーを使うことが多く、ガランゴロンとランドリーが回っている間、通りを眺めがなら煙草を吸ったりしている。そんな訳で僕も階段を下りて、お団子屋さんでかき氷を買って「最近どこのパーティに行ったの?」とか談笑したりする。

僕の元々の地元には、戦後最大の某巨大宗教団体の総本部があり、その要塞を守るように周りに支部が次々と出来上がったので、昔の知り合いがみんな引っ越してしまったし、商店街も潰れてしまった。こういうのは決してニュースにはならないし、僕も過ぎてしまった事柄だから多くを語ることはない。

ただ、もし、その総本部がなかったら、きっと僕の地元は昔ながらの下町らしい雰囲気を残したんだろうなって思う。いま住んでいる街みたいに。通りを歩いているだけで知り合いに会えるような。

blank_space
投稿者 ko : 2007年06月26日 19:19 | トラックバック(0)
コメント
blank_space
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
Trackback
blank_space
Powered by
blank_space