2007年06月08日

Traffic & Weather

1週間前ぐらいのエントリに10年以上前のJ-WAVEのことを書いたついでに、当時にまつわる話でも。

そのエントリに書いた通り、1991年~1993年には、まだInterFMが開局していなかったので(InterFMは96年に開局だ)、東京のFMラジオ事情といえばJ-WAVEの独占場だった。

1990年代後半から顕著になった<FMラジオとAMラジオのけじめのなさ>が目立つこともない、FMラジオがFMラジオとして確固たる位置に君臨していた時代だ。(それに比べ、AMラジオ並みの凋落ぶりには目を見張るものがある。AMラジオも好きだけど、FMにはFMの良さがあるというもの。特にJ-WAVEやInterFMには)

僕は、当時は今よりももっとテレビを観なかったので、部屋で過ごすといえば、本を読むか音楽を聴くか両方愉しむかが主流だった。アルバムを入れ替えたりする必要がないラジオは、ながら読書にうってつけの音楽だったのである。バイリンガルなDJが日本語と英語のチャンポンDJで季節や天気に合わせた曲を流したり─その日が雨だったら雨にまつわる曲を流している─、その日に応じた選曲をするJ-WAVEは気持ちいいFM局だった。

そしてさまざまなジャンルの音楽が流れる中、まるで一目ぼれの恋に落ちたかのように僕はJ-WAVEで流れるある曲に惹かれた。

J-WAVEはFMラジオということもあり、首都圏のドライバーがリスナーとして多い理由から交通情報をこまめに流している。また天気予報も同じような理由で頻繁に流れる。「ジェェイウェーーーブ トラフィックインフォメーション」、「ジェェイウェーーーブ ウェァザァーリポート」の声で始まるニュースだ。

僕は何故かこの2つのニュースに流れるバックミュージックがたまらなく気に入って、交通渋滞も天気も自身に関係ないのにこの2つが流れると読書を止めてすら耳を傾けていた。ゆったりとしたリズム、あくまでも静謐なメロディと旋律、人の心を惹き付ける何かがそこにあった。

この2曲を聴くためにチャンネルを81.3MHZに合わせたといっても過言じゃないぐらいお気に入りだった。

しかし、局の再編と共にやがては使われなくなり、僕自身もまたFMラジオとは疎遠になり、やがて時を隔ててラジオ自体を頻繁に聴かなくなった。J-WAVEを聴くのは1年に1度あるかないかという2007年のある日、ふとしたことからJ-WAVEのことを思い出して、ついでに上述の2曲についても思い出した。そしてインターネットで調べたのである。

ネットというのは本当に便利で、当時聴いていた曲が誰の音楽なのか、というのもすぐに調べることができた。さらに驚くべきことに僕と同じように交通情報と天気情報の曲に心を奪われたリスナーが多いというのも分かった。なんだか戦友にでも再会したような気分である。

アメリカ出身のミュージシャンであり、クロスオーバーの名手であるチックコリア、同じくアメリカ出身のジャズ・フュージョンの演奏家デイヴィット・ベノワ。

彼らがそれぞれ交通情報と天気情報の音楽を担当していた。

耳を傾けて当然である。ただ、グーグルで調べてみても、それらの音楽は彼らがリリースしているアルバムのいずれにも収録されていないことに僕は肩を落とした。

「あーあ、もう聴くことはないんだな」と妙に寂しくなったものだ。

けれどインターネットは本当に便利で、ある掲示板を目にしたら、何処かの名無しさんが書く投稿が真実であれば、1990年か1991年にJ-WAVEから発売されたアルバムに収録されているというではないか。もちろん10年以上も昔の話なのでどれも絶盤だ。

ひたすらググると「J-Wave & GRP Pazz & Jops」の1stと2ndにそれぞれが収録されている!

思わず泣きそうになった。そして気がついたらヤフオクで落札していた。たまたま出品があったようである。なんとまあラッキーなことか。とりあえず2曲揃ったら土曜日に流します。

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投稿者 ko : 2007年06月08日 19:19 | トラックバック(0)
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