たった2週間とはいえども、自宅を離れて生活し、しかもインターネットからも遠ざかっていたら、脳味噌に余計な情報が混入してこなくてスッキリとした<情報ダイエット>が実現出来るようになった。
余計な情報というのは、取るに足らない芸能情報とかで、つまりは必要としていないゴミみたいな情報である。おかげさまで東京に戻ってからも、普段は垂れ流ししているテレビを消して生活するようになってきた。
テレビを観ない生活は本当に久しぶりだ。物足りないというよりは、観ないことによって自分の時間が有効に使えるようになったので、なんだかいままでテレビで時間を潰していたかのようである。まあ、実のところ、テレビという玩具は依存性の高い娯楽だと、かねてより考えていたから、足を洗うにはちょうどいい機会。
9月の半ば頃だったか、こんなエピソードを耳にした。
インターネットやテレビを規制していたブータンでは爆発的にテレビが普及し、その影響で海外の情報を一般庶民が知ることができるようになったと同時に、みんながテレビの虜になりすぎて普及前の時代に当たり前のように交わされていた家族の団欒や会話が少なくなったという。
もちろんこの手の話は往々にして端的過ぎるから、全ての原因がテレビにあるという見方は極端であるにせよ、なるほどなと頷ける部分が僕自身に認められたので、なんとなくテレビを自粛するようにした。
さて、テレビを観ない我が家は意外とシンとしていて、デッキに乗せたCDが音を紡ぐように奏でる。芋焼酎「白波」の原酒ボトルを頂戴したので、ロックで呑んでいたりすると、今更ながらに夏が過ぎ去ったんだなぁと感慨深くなったりする。こういう風に過ごすのは久々である。