・永島慎二 「黄色い涙」
2005年に逝去された永島慎二の「若者たち」がNHK銀河テレビ小説でドラマ化されたのは30年前の話。時代は移り変わり、ジャニーズの嵐という若者が映画版で演じることになったのが2007年。そのオリジナルの漫画である。
中央線阿佐ヶ谷駅近くのボロアパートで肩を寄せ合うように日々を過ごす若者達。昭和40年代のアンニュイな空気。
自分の夢を追いつつも現実とのギャップは広がる一方で焦燥ばかりが募る。それでも画家や小説家、漫画家や詩人など、夢を目指す友と笑いあい、ときには喧嘩をして互いを励ます。お金は大事だけれどもっと大事な何かがあるはず。明日食べるお米がないくらい貧乏なのにガムシャラになれる毎日。
読み終えるとなんだか一つだけ歳を取ってしまった気持ちになり、昔一緒に無茶をした友人達に連絡を取りたくなる気分にさせてくれる。そういえば、僕もアイツ等も同じように何かに飢えていたっけ。みんな何処に行ったんだろう?