弟と妹が双子で所謂<としご>だったので─親としては想定外だったらしい─物心がつくまでは田舎のおばあちゃんのところに預けられていた。
そのせいか、いつまでもおばあちゃん子だった。春夏秋冬、四季を通じて甲府の田舎で暮らした。
秋も深まる季節になると、つまり落ち葉が舞い落ちる季節になると、大きな庭で枯葉を集めて畑で焼き芋をしたりした。落ち葉の暖かい炎をともに煙が空高く舞い上がり、おばあちゃんは一緒にしゃがんで童謡を謳ってくれたのを憶えている。
「焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き。あーたろうかあたろうよ・・」と。
だから有名な落ち葉という童謡を聴くと、幼少の頃の落ち葉焚きの目に染みる煙と、ホクホクの黄金色の焼き芋がアルミ箔から覗いているという情景が思い浮かぶ。
さて、最近知った豆知識によれば、この歌の発祥となった土地が中野区新井薬師にあるらしい。西武新宿線新井薬師駅近くだ。そんなに遠くはないので、いつか訪れてみたいと思う。
そして突然だけれども、今朝、夢に亡くなったおばあちゃんが出てきて、おばあちゃんはどういう理由だったのか思い出せないけれど淋しそうにしていた。だから僕も起きた時にはひどく哀しかった。もう大人だから泣くのは我慢できるけれど、それでも哀しかった。なぜだか分からない。
久々に帰省でもして、近々、お墓参りに行こうと思う。