師走が近づくと、日々の生活をひたすら忘却し続ける自分のような人間でも、とたんに一年を振り返ったりしてしまうから薄気味悪い。菩提樹の下で涅槃の境地に達したゴーダマ・シッダルタのごときである。
しまいには思い出さなくてもいい記憶までうっかり掘り当ててしまい、盗んだバイクで走り出すセンチメンタルジャーニーをしでかしそうになる。
7月から8月に暦が変わるのと、12月から1月に変わるのは、同じ暦が変わるのでも明らかに後者のほうがダイナミズムだ。
来年のことをいうと鬼が笑うから今年一年について総括すると、フィジカル面では体力が落ちた。
「ルールは破ってもマナーは守る」をモットーに掲げてイベントに繰り出し、「健全な肉体には不健全な遊び心が宿る」を宣誓し続けて、いままで遊んできたのだから、そいつはいかん。早急にサンタさんに鉄アレイをお願いしないといけない。
夢についてはどうだろう?
明確な夢があり漠然とした夢があり、夢にもさまざまがあるけれど、夢というのを「知的行動を規範とした、抽象化している希望を具現するための到達地点」と勝手にデッチ上げると、要するに夢というのは「叶えたいと願う目標」のことである。
さて、一年を振り返って夢は叶えられたか。
前述したように、夢にはさまざまな夢がある。でも共通しているのは一つで、シビアと捉えられたらそれまでだけど、食べ物に賞味期限があるように、夢にも期限がある。
僕はそんな風に薄々思っている。キモいポジティブシンキングみたいだから、こんなこと書くのは柄でもないのを承知で書くと、「夢は達成するのに相応しい時期があるので、その時期を過ぎないように頑張るのが望ましい」のである。うーん、キモいなぁ。EDになりそうだ。
何はともあれ、もし自分の中で夢の賞味期限を偽装してラベルを貼りかえたりしていたら、ウッカリそれを食べて腹を壊さないように心がけたい。