僕が生まれた頃、オイルショックという社会現象があって、トイレットペーパーが店棚からなくなると噂になり、買占め騒動が起きたらしい。社会科の授業なんかで戦後史に登場していたのを憶えている。
時を隔てて三十数年、世界のボス気取りで紛争大好き親子の息子が引き継いだ血は争えないらしく、戦争が三度の飯より大好きということで、中東に因縁をつけて一悶着を起こした。そして、めぐりに巡って、そのとばっちりが石油資源が限りなくゼロにちかい極東の国に及んだ。
某日、灯油ストーブを天袋から取り出して、馴染みの酒屋に行って驚いた。
去年1650円だった灯油が1900円である。まさにオイルショック。250円で家計が傾くことはないけれど、平成時代のオイルショックは徐々に音も立てないで浸透しているんじゃないだろうか。そういえば、札幌に住む友人は灯油が高くて本気で辛いとボヤいていた。
聞けば古紙を固めて燃料にしている地域もあるようだ。まるでキャンプ場である。それぐらい深刻なのだという。しかし、古紙を燃やせば、発生するのはCo2で、二酸化炭素の排出量が異様に増える。空気中に増えた二酸化酸素のせいでさらに豪雪になるんじゃないだろうか(まちがってる?)。
環境破壊だって大きな課題だろう。
さて、灯油ストーブというと、我が家で愛好しているのはヤカンを乗せられるタイプだ。ヤカン以外にもブリ大根の鍋をコトコト炊いたりできて、かなり便利。おでんなんてのはじっくり煮ると味が染みて、ジャガイモや大根がホロホロと箸の先で崩れる。冬ならではの情景である。