2007年12月13日

奉行様

師走の風物詩の<忘年会>は意外と歴史が古く、遡ると鎌倉時代に始まりがあるのだという。

ご存知、1192つくろう鎌倉幕府である。征夷大将軍として任じられた源頼朝が開いた。

Wikipediaによれば、当時の忘年会は、和歌を詠みあうというひっそりとしたものであったらしい。今じゃ想像ができない光景だ。

新橋あたりで、お酒も呑まずにサラリーマンが「ま、年の瀬も暮れてきましたし、ここはひとつ句をひねるとしますか。ささ、部長から」なんて言い合っていたら、かなりシュールである。

ちなみに、お酒を呑んで慰労をし、やや無礼講になるというお馴染みの忘年会は明治以降の風習だとか。

僕が<忘年会>という単語でパっとイメージするのは、みんなで鍋をつつくという光景なんだけれども、過去の忘年会を思い出してみると、案外と鍋を囲んだ記憶がない。それか忘れているだけなのか。

焼肉と鍋というと、ひとつのスペースに用意されている食べ物を食べあう代表格で、あとは季節限定であればBBQぐらいである(鍋も季節限定か)。

焼肉が完全な個人戦で、まるでゲリラの如くに一個人が戦場(鉄板)に挑み、食べる食事であるのに対し、鍋というのはチームプレイを尊重する団体競技のような様相がある。みんなで理想のゴール(コトコト煮える鍋)を目指し、一致団結する雰囲気だ。

一致団結するには、やはりリーダーシップを発揮できる者が必要。そんな必要に応じるのは、鍋奉行。

時には独裁的と囁かれる鍋奉行も、みんなが個人プレイに走らないように涙ながらに買って出ているのである。これからは鍋奉行に温かい視線を送ってあげようではないか。

ところで、奉行は元来、武家の職種のひとつで、偶然にも管理者として君臨し始めたのは鎌倉時代からである。まあ、まさか当時から鍋奉行がいただなんて思えないけれど、はたしていつの時代の忘年会から登場したんだろう。

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投稿者 ko : 2007年12月13日 19:19 | トラックバック(0)
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